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- トップハート物語(5980)立志伝敢闘編
- 20/09/10
- 2015年(平成27年)7月中旬。
朝一番で、以前から法定後見若しくは任意後見の依頼のあった方へのヒアリング調査が予定されていた。何度かSOSの電話があり、
「何かありますか?」
「いつ来てくれますか?」
そんなやり取りが続いて、訪問日が決まって予定は今日の10時だった。
その近くに来た時に、再度確認の電話をした。
「これから伺いますが、大丈夫ですか?」
「今から病院に行きますので、申し訳ないですがいません。」
「それでは、次の日を決めましょうか。」
「いえ、今は何もありません。」
強引に言っても、ダメなので中止にした。
その内容を、地域包括支援センターの社会福祉士に連絡した。
「私もこれから出ようと思ったところです。私から連絡して受け入れて貰うようにします。」
「分かりました、それでは駅周辺に居ますのでご連絡いただければ、伺いますので。」
その結果、
「受け入れて頂きましたので、お願いできますか。」
訪問は、銀行に行って入金したかったが彼女が出て来たのでは、受け入れる筈なので銀行には入らず近くで待機した。
当然の如く、連絡が来て訪問した。
穏やかな人なので、会話はスムーズに進むが、モニタリングをしたくても、性質の悪いケアマネジャーが来ているので、会話が出来ない場面もある。
こんなのがケアマネジャーだなんて、一体どうなっている。多くの利用者がこいつを拒否しているので、地域包括支援センターと系列の居宅介護支援事業所のケアマネジャーとしては相応しくない。
そう思うが、私には口に出す権限が無い。こんなばさばさの髪で口が悪い、お年寄りと同じくらいの年齢で、言葉が汚い。脅すような話し方をして、こいつが居るとうまく聞き出せないこともある。
こつは福祉の仕事、特に利用者の生活を握る重要なカギを振り回している。
やっと、無視して色々と聞き出す。外出したいが、
「方向やカギのあり場所が分からなくなるので、心配です。」
そんな話を聞き
「もし、よかったら診察を受けて頂けますか。」
そう言うが、多くの人は拒否気味になる。
「何か心配事がありませんか。」
「あります。」
「どんなことですか。」
「私は認知症だと思いますが、将来どうなるのか不安です。」
「早く見つけて、治療をすると治ることもあり、また進行を抑えることも、遅らせることもできます。ですから、早く発見することが大事です。」
そう言って、話をして理解して貰った。
「通院は一人でできますか。」
「少し心配です。」
「ヘルパーさんの介助を受けながら、行くことはできますか。」
と、ケアマネジャーに聞いた。
「それは、無理です。要支援2ですから。」
ここらへんが、こいつらの考えだ。
要支援だった、通院は可能だ。身体だから、ダメだという事は、事業者が系列だから。
「それでは、このような状態なので、区分変更申請は出来ますか。」
そうケアマネジャーに言って、申請することにした。
そのまま、昼食も摂らずに銀行を巡って、事務所に少し立ち寄ってから待ち合わせの近所のローソンに行った。
この地域で福祉関係の活動している方から電話があり
「少し時間をくれないか。お宅の展開する事業を聞いて私たちが応援できるものはして、手伝って欲しいものをお願いしたい。」
そう言って、2時間程度時間をくれと言うので、空けたのだ。
そして、ファストフード店に入った。いつもは、マクドナルドに入って2階に上がる。時には何も注文せずに、場所だけ使用する根性のある方だ。最初に来るように言われた事務所も、実は他の方の事務所で自由に使って持ち主も従業員のように無給で使い放題。
そんな人物だが、やり手で機を見るに敏だ。結果が結構ある。その手に乗らない手は無いと思って付き合って居るのだが、話の30%程度は信用置けるが残りの7割は無い。
話は私の方から、毎回同じだが、話をするのは私の事業を説明することだ。その3割しか理解していない。次に、自分の展開しようとしている協議会の話だ。目的は市長選挙が始まるが、勝ち馬に乗るために組織を作る。その組織をバックに市長に自分の事業の支援を迫る。
その協議会の主たるメンバーに私を担ぐ。7人のプロデューサーがいて、その下に5人の次世代を担う若手、20人のコーディネーター。その下に300人のディレクター、そして下部の実動部隊が3000人という訳だ。
「概ね決まったので、再度、佐藤さんに参加の確認をしておきたい。この中でも、福祉関係は重要な課題だから発足時には発言者となって欲しい。」
そう言って、懇願されたのは
「議会議長は佐藤さんのいう事しか聞かない。何とかして欲しい。」
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