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トップハート物語(5877)立志伝敢闘編
20/07/14
2015年(平成27年)3月末日。
 新たに、新規事業所が立ち上がり、本社から管理者がスーパーバイザーとして異動して来た。それぞれが、思惑を持ってうごめいているのが分かった。
 まず、新規事業所の新管理者が来た。簡単に今日の行動の打ち合わせをした。続いて、本社から前の管理者が赴任して来た。
 打ち合わせをひと通り行ってから
 「俺としては、君にまず研修センター、この地区の介護・支援部門とこれまで所属していた本社の管理をして欲しい。このような小さな会社でのスーパーバイザーは存在しないと思う。そのモデルとなって欲しい。」
 「分かりました。大変だと思いますが、遣り甲斐があります。」
 「そこで、問題は君のノルマだ。やはり、保証がないと支払うモノも支払えない。」
 「1割程度は上げようと思います。」
 私は2割を想定していたが、それより1割少ない。
 今年3000万円の収益を失った研修センター、1000万円を失ったこの地区の介護部門。それでも、その4部門だけで年間2億近くの売り上げがある。その1割は2000万円だ。その荒利益は概ね1200万円だ。
 そして、新規事業所の事務所に行った。事務所には彼女一人で、寂しいが応援する気持ちを持って訪問した。
 異動して来たスーパーバイザーの辞令を出した彼も連れて行った。今後の打ち合わせを再び行った。
 そして、両者間のトラブルが絶えない隣の介護・支援事務所に入った。管理者とスーパーバイザーの彼が上手く行かない。裏で暗躍する介護・支援管理者。苦虫を噛み潰したような顔を終始していた。
 一応の説明をした。
「彼の立場は自由な動きを担保として、結果を出すのが仕事だ。何か問題があったり分からないことがあったら助言を求めてクリアして欲しい。」
 「介護責任者と私と二人で対応しても処理できないとんでもない利用者が居ます。その利用者に対処して欲しいとお願いしたらして貰えるのですか。」
 阿保か、自分の仕事を放棄したような発言だ。
それでも冷静に応える。
 「彼の立場はそうではない。どうしたらいいのか解決策を出して貰って、話し合いをリードしたり助言したりする立場だ。」
 ずっと不満そうな顔を見せる。
完全にソッポを向いている。両方とも。
 一応、始まる前に彼には話をした。
 「この改革を進めようとしたら、絶対に協力なしでは出来ない。一人では何もできない。頭を下げることくらい何でもない。結果が自分の思うように得られたら、それでいいではないか。」
 そう言って、納得させたが面と向かっていると根深い。
 自分たちの城に入り込んで来た彼を排除する動きがあるだろう。
 しかし、そんなことを言って居られる時ではないのだ。
 驚いたことに、社員10数人がほとんど在席していたのだ。こんな出鱈目なことをしてうまく行く訳がない。
 30分程度話し合った後、何が問題か聞いた。
 「人が辞めて行く。本当にケアに応じることが出来なくなっているんです。」
 「何で辞めて行くの?」
 施設に行ったとか、
「登録さんは社会保険に入りたいと言って辞めた。」
 とか、言って居る。
 「いいか、その話を聞いていると全部他人や制度が問題で自分たちは何も問題ない、と言って居るようだが、問題は自分にあると振り返る気持ちを持っていないと何も変わらない。」
 そして、何度も何年も言い続けている研修センターとの連携を模索していないのでそれを言うと、介護管理者が
 「分かりました。そうしてみます。」
 「何がそうしてみますだ。もう2年も言い続けている。今聞いたような言い方だが、いつもこの言葉で終わっている。ふざけるな。もう嫌なんだよ。同じことを繰り返して、時間だけ潰して。売り上げは大幅に落ちて、自分たちの給与だけは毎年上がって、一体どうなるのだ。自分だけ良ければそれでいいという考え方がダメなんだよ。何で辞めるのかちゃんと聞いているのか」
 そう言って、怒ったがこれも毎回続けていることだ。
 途中だったが、止めた。
 新規事業所に入った。管理者から
 「4ケースと5ケースと合計9ケースの計画作成相談依頼が来ました。」
 そう言って、喜んでいた。
 スタートは華々しい。
 私は彼女を伴って、新規事業所開設のあいさつ回りを関係先にした。
 どこも、これまでの築いた実績を評価して暮れて新たな事業所設置に好意的な言葉を沢山いただいた。
 特に、成年後見の受任に関しては大いに効果的で基幹型相談支援事業所を始めとして相談が多くありそうな話になった。
 船出はこの新規事業は大いに盛り上がったが、スーパーバイザーの船出は厳しい限りだった。どう何が出るのか。あぶりだす必要がある。
 夜に今度は展開が開ける。多忙が無いと信じて、誰にでも
 「4月は白紙で空けてあるので、4月は対応できる。」
 そう、返事していた。
 ところが、その初日から大忙しだ。何とか新規事業所の船出に漕ぎ着けたのだが、悲喜こもごもだった。
 午後は出てから、各種施設などを巡ってから銀行に行き郵便局に行きホッとして休んだ。そこに、今日の夜に待ち合わせしている隣県の事業者から電話で待ち合わせ場所を指定して来た。
 高級な地域にある、小料理屋だった。
 6時半の待ち合わせに15分ほど早く着いて待っていた。暫くすると顔を見せた。何年と言う間が空いた。非常に有能な頭を持っていて京都大学を出てから公認会計士と税理士の資格を取得して日本で一番大きな税理士法人で仕事をしていた。
 親が亡くなって、後を継いだ。30歳で、地元に戻って来たのだ。継いだといっても、地主でデイサービスのみをしていたのだ。
 その男が戻って来るなり、自分の税理士事務所を立ち上げて、共同で税理士法人を構築して、いよいよ親から引き継いだ介護に足を踏み入れた。
 「4年で4億の企業にしました。現在は訪問看護、リハビリ、デイサービス、有料老人ホームなどです。」
 そして、
 「次は農業をしたいと思って居ます。」
 「農業はこれからの有望な事業ですが、農地が無いと。」
 「あるんです。」
土地は幾らでもあるようだ。
 自分が勉強した農法で、コンサルを受けて委託してなどと私にとっては無駄なことをするもんだと考えていたが、どうやら
 「時間が勿体ないんです。」
そんなことを言って居たので、金持ちはやはり違うと思った。
 しかし、
 金の事ばかり考えていると、とんでもない地域で言われるよと言ったが、
 「言われているんです。ただ、ここ1か月前から、時間があったので考えていると、何とこれからは佐藤さんのように、社会貢献や地域社会に役立つ仕事をしたいと思うようになったんです。」
 そう言ったので、私も彼の気持ちを大事にししたいと、それを実践している愛知県の知人の話をした。
 「連れて行って下さい。」
 彼と今度一緒に行くことになった。

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