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トップハート物語(5680)立志伝敢闘編
20/04/01
2014年(平成26年)9月中旬。
今週の後半はこの中学生の職業体験学習に集中しているが、戸惑いが大きくなった。二日目ともなると、それぞれが、本心を漏らすようになる。つまり、パーソナルな事柄にタッチするようになる。
 眠い目を何度もさすって、可哀想なくらいの眠さか目を開いていられないのか、気になって聞く。勉強をするために部活を辞めたと言う、彼だ。優等生の顔をしていて学校でもリーダー格のようだ。このグループでも、リーダーとして統率をしている。
 勉強をし過ぎて、眠いのだろうと思って、私が中学生の時を思い出した。学級員が遠くから汽車で通って居る男だった。やはり、3年にもなると受験勉強で深夜までとか徹夜して学校に来る。
 途中で堪えられなくなって、思わず眠ってしまう。その仕草を見て先生は、
 「みんな、彼を許してやってくれ。勉強で疲れている。眠らせてやってくれ。」
 その彼は、県立美術館の部長の要職を退官してもなお今も地域の大学などで講師などを務めている。
 「どうした、眠いのか。」
 「はい。」
 「勉強していたのか。」
 「いえ。」
 「何だ、本でも読んでいたのか。」
 「いや。」
 「何をしていたんだ。」
 「・・・、ゲームです。」
 「ゲーム?そんなもの遣っても何にもならないな。何時間くらいやっているんだ。」
 「そんなにやっていません。」
 「そんなにと言う俺の感覚は10分とか20分だ。」
 「そんなに少なくはありません。」
 「どのくらいだ。ゲームをする時間によって、そいつらの将来が分かるらしい。何時間だ。」
 「2時間です。2時間で止めています。」
 「2時間でも多いんじゃないのか。」
 「僕のお兄ちゃんなんか、24時間です。」
 「24時間?どういうう事だ!!何歳だ。」
 「僕より一つ上です。」
 「一つ上と言うことは、中学3年生じゃないか。中学生で24時間ゲームをしていると言うことは、学校に行っていないのか。」
 「はい、行って居ません。」
「いつから行って居ない。」
「中学2年生になってから直ぐです。」
「それからずっと行って居ないのか?」
「はい。中学2年生からニートです。」
「ニートと言うことは無いだろうか、どうして中学2年生になってから直ぐに学校に行っていないのに、3年生になれるんだ。」
「今は行かなくてもなれるそうです。」
「そんなバカな、ちゃんとした出校日が何パーセントと決まっているだろう。きっと、学校も面倒だから卒業させたいんだろう。なんでそうなった。」
「中学2年になった時に、親にPCを買って貰って面白くて離れられなくなったんです。」
「それも原因だろうけど、親の教育が悪い。」
「いや、お母さんはそれを見て取り上げて使用できないようにしたんです。」
「そうではない、俺たち世代の親だ。だから、母親の親だ。」
「おばあちゃんですか。そうですね。PCを買ってあげたり、毎日学校に行かなくても食事を食べさせたり。おばあちゃんは30秒くらいのところに住んでいます。」
「家に迷惑を掛けているのか。」
「大迷惑です。居るだけで迷惑です。」
「それもそうだけど、金銭的な迷惑だ。そんなにゲームを一日中しているんなら金も掛かっているだろう。」
「掛かっていますが、自分の小遣いとかで払って居ます。」
「それだったら、まだいいが、小遣いなど上げるから悪い。」
「いや、家にいるだけで邪魔なんです。少し気が悪くなると暴力を振るい何度も殴られました。少し言葉とかで気に入らないと殴ってきます。」
「そうか、それは苦労するな。このままでも、将来も苦労するな。それで、君は早く一人住まいをしたいという訳だな。」
そんな話を折角聞いても、解決できる案は持ち合わせていないし、経験もないことなのでなにもアドバイスが出来ない。
彼の人生は、親が離婚したことから始まる。それを、知らずに、社会の問題としてシングルによって親が働くことによって、子供が放置され我儘な人間に育つ。家での教育が出来ない。余りにひどい人生の始まりだ。
また、引き籠りの生徒も来ていた。最初は暗かったが、段々と明るくなってみんなと一緒に遊んだり、話をしたりして本当に引きこもりだと思えない。
また、他の一人は野球だけしか興味がなく世間の事が全く分からない。話をしても、通じないことがある。
少年の誰でもが知って居る筈の、
「例えば、クロネコヤマトがあるだろう。」
「いえ、知りません。」
と、言うと周りの生徒が、
「黒い猫の絵がついている運送トラックが走っているだろう。」
とか、
「TOKIOコマーシャルに出ているだろう。」
とか言っても分からない。
また、マクドナルドとかコンビニとか言っても分からない。
他の生徒が、最初に
「こいつはバカなんです。」
とか言って居たが、みんなそれでも仲良く遊んでいる
口と行動とは全く異なって、それはいいが基本的な考えや環境が余りにお粗末と言うか、私どもの年代と大きく異なって、将来の日本のことを考えると全く暗くなってくる。
 そんな始まりで、二日目がスタートした。昨日の復習の前に、最近の身近なニュースを聞いた。
ある程度レベルの話でもいいのだが、一人女の子の話が浮かばない。少し気になった。一番真面目だが、言葉がでないのか考えが浮かばないのか。どの質問に対しても、ただ、ニコニコするだけで言葉が出ない。
4人の生徒を預かって、何とか普通の知識より多くの常識を持って欲しいと思って居たのだが、厳しいことに気付いた。
 勢い、易しい内容にとレベルを下げる。福祉関係の職種が沢山ある。それは、多くの社会的な問題を解決するために生まれた仕事だと、少しわかる様に言いたかったのだが資料は準備したが、内容を薄めた。
 事例を入れた。商店街活性化でうまく行った鳥取市の取り組みの話をした。何が大事か、考えることが大事だと。何を考えたか、その具体的な話をした。
「そのように、沢山の社会的問題があるが解決できる事例がある。」
そして、一人一人、身近な問題を言わせて、それをどう解決していくか、自分なりの回答を募った。
 11時過ぎから調理実習、介護食を試食。当社スタッフを5人入れて9人で食事だ。私はダイエット食で、パン一切れと納豆を食べた。
 午後から、彼らは居宅介護支援事業所管理者と新規事業所責任者が伴って、特定非営利活動法人とデイサービス見学を実施した。私は、銀行に行って振り込みを処理し明日行く予定の障碍者が運営する食事をする店に確認に行った。
何故か、二か所とも閉鎖されて居た。仕方がなく、いつもお世話になっている知的障碍者の運営する店に換えた。
 何故か、大きな疲労感を覚えて倒れてしまった。事務所に久々に横たわっていると、いつの間にか眠っていた。

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