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トップハート物語(5593)立志伝敢闘編
20/02/10
2014年(平成26年)6月中旬。
 約束通りに、朝一番で新規事業所の管理者が来た。私は、東京大学市民後見人養成講座で学んだ時の恩師からのメールで、益々やる気が漲ってきて、その意識を表に表して、彼女の前に立った。
 「私もやる気を出したいのですが、今日はあまりやる気が起きない話をしないと行けなくなりました。」
 そう言われて、少し警戒心も手伝って意気が消沈した。
 「実は、収入と支出の件ですが。前から、佐藤さんに全く利益の出ない運営がおかしいと言われていてその原因を探っていたのですが、やっと分かったんです。土日の集団のガイドにありました。土日の10%アップと、交通費、食事代などを支払うと全く利益が出ません。大きな金額になるので、それが足を引っ張っていたんです。」
 今にも泣きそうな情けない顔になっていた。
 「よかったじゃないか、原因が分かって。おれが何度もおかしいと言っても、そんなことないから始まって、分からないと毎月言っていた。それがおかしい。何も原因が分からず、ただ単に動いていて400万円以上も収入があるのに、利益が全くでないなどとは信じられない。原因を知らずして、何をしているか分からないだろう。だから、何度もおかしい、調べろといった。分かったらそれでいい。あとは、どう運営していくか考える。それが、マネジメントだろう。例えば、最悪の場合その援助をやめれば利益が出る。また、その業務を常勤や社員がする。色んなことを考えて実施することができるだろう。それを、分からないだけしか答えなかったから、毎月言ったんだ。利益が出ない原因を探るのが主目的で、気にして悩むのが目的ではない。」
 「日曜日にヘルパーさんの給与を計算しながら、調べて全く利益が上がっていないので眠れなくて。」
 「そんなこと気にするな。今はまだ大丈夫だ。今のうちに、将来に生きる考えや勉強をして強い人間になるように。昨日、この守口の介護支援管理者が来た。その時にも話をしたが、資格取得や勉強が多過ぎてと言っていたが、勉強できるのは40代までだ。それまで大変だが勉強して資格でも経験でも積んでおくように言った。今やることが大事だ。経費は全て会社が出すので安心して勉強するように。それが、必ず、大変な10年後に生きてくる。」
 そう言って励ました。
 やっと、安心して彼女がいつもの彼女に戻って来た。
 続いて、この守口の居宅介護支援事業所管理者が来た。案件はひとつ。被後見人の転居先を探すことだ。後見人としての動きがあるが、監督人がやはり被後見人の状態に合わせて、転居先を探すようにとの指示だったのでそれを伝えた。
 また、彼女からは
 「あの彼女からメールが来ました。女子会の日にちをいつにしたらいいか。彼女の日程を言ってきました。」
後から年齢を知ったが二十歳だという。
優良従業員表彰を受ける居宅介護支援事業所管理者の衣装を購入した。高級な店だったのだが、その時に対応した店員が印象的に良かった。最初下見に行った。その時に、見た瞬間にこの子はいい子だと私の心の中では決めていた。
 社員の衣服の決定をするのは翌日だったが、私は店員の彼女の方が気になっていた。介護の世界、この会社と関わりが出来るように居宅介護支援事業所管理者が話をしてくれた。最初は会社のホームページでのメールだったが、個人メールに代わった。最初の情報で、居宅介護支援事業所管理者が
 「聞いたら、お母さんが介護の仕事をしているらしいです。」
そう嬉しい情報だった。
その彼女を入れて女子会を企画して、何れは引き込みたいとの思いを実行させていた。その日程を私に聞いておきながら
 「佐藤さんも行きましょうよ。」
と、突然言い出した。
 「何、当たり前だろう。俺を外していたのか。」
 「だって、女子会をするようにと言われていたから。」
 と、いう。
 私は女子会であろうとなんであろうと仲間に入る積もりだ。
 一通りの、話が終わって少し準備をして出た。銀行巡りだ。数ヶ月前から始めて経費削減の一環で、振込銀行の支店をそのヘルパーさんが開設している支店まで出かけて振り込をする。
 既に3日目で、多い順に潰している。1日1口座100万円の限度額があるので、個人名の通帳で無ければ振込手数料が無料にならない。二通あるので、毎日200万円だ。その他に、特定非営利活動法人の分があり同じ状態なので1日300万円限度で振込に動く。
 今日は近隣から始まって少し遠方まで動いた。7支店を回った。終わったあと、コンビニで食事をして今度は被保佐人がお世話になっている施設に行って利用料を支払った。
次に入院している被保佐人が求めるものを持って行った。突然、体調を崩して入院したのだが、差額ベットだった。その負担が1日5000円を超える。金銭管理をしているものとしては、大きな悩みだ。
 金銭的余裕がなくて、いつもカツカツだ。しかし、老人保健施設でお世話になっているので、大変なのは期間が限定していることだ。半年前にも一度出ている。その時には、有料老人ホームにお世話になった。その時の負担も大きい。短期だとはいえ、厳しい金銭管理に一時的な持ち出しもあった。
 それでも、気のいい被保佐人の顔を見るとほっとする。
 認定が更新されて、結果的には軽度に認定された。ずっと、そうだった訳ではない。要支援だったのが、転倒して要介護に認定が上がった。
それで、なんとか息がつける。
その転倒して入院した経費負担も痛い。
 いつまでたっても、楽にならない金銭管理は厳しい。
移動中に特定非営利活動法人に以前相談があった一般市民から連絡があった。
「色々お世話になったので、寄付を申し出たい。」
そんな内容の話だった。
この特定非営利活動法人を立ち上げて、初めての経験だった。
嬉しさがこみ上げて、自分たちの行ってきた社会貢献活動が実を結んだ。
大きな実ではないかもしれないが、育つ喜びを感じた。
その相談内容は、余りに衝撃的で、それでも合法的な認知症で身寄りのない財産がある高齢者が落ち込んでいる、奈落に誰も手が出せない。
顧問弁護士も地域包括支援センターも、住民の相談に応えられない実態で情けない。
 しかし、このような高齢者を狙った犯罪まがいの事実のデータの積み重ねがきっといつかは日の目をみるようになると信じている。


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