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トップハート物語(5583)立志伝敢闘編
20/02/05
2014年(平成26年)6月初旬。
 11時に施設ケアマネージャーに会いに行くことになっていた。地域包括支援センターから、成年後見人の相談があった。そのご本人の担当者が施設のケアマネージャーなのだ。
 昨日、というより昨夕のことだった。昼間の業務が終わって、まとまって時間的に余裕をもって仕事が出来る時間帯に入っていた。
 家庭裁判所から、昨年5月に受任した被後見人の1年間の財産状況などの動きを出さないといけないが、その期間が過ぎたので督促が来た。それ以前から、何度も担当者であるキラキラ目の珠緒ちゃんに要求していた。
 いや、それよりどう纏めるか
 「打ち合わせをしよう。」
と、何度か断っていたのだが、返事がなく突然、資料を持って来た。その中身を点検して、金曜日に提出できればいいと思っていたのだが、その資料を見てうんざり。何が書いてあるのか、どんな意味のある表なのが全く理解ができない。
単純な入出金帳でいいのだが、何を考えているのか元帳らしきものがあって、そのほかにも入出金の記録があり、えっ。もう一つあって。結局3種類の入出金帳が有り、もう頭が混乱してきてわからないので、何もせずにマンションに帰った。
帰っても、横になって悲しくなって涙が滲んでくる。
「単純な家計簿も作れないんだ。」
そう自然に声が出てしまった。
そばに誰もいないのに。
私が全て、サポートしてしまっているので、何も出来ない人間にしてしまっているのかもしれない。危険な人材育成になっているのかも知れないのだ。
全てに手を出し過ぎだと思って、できるだけ移譲して言葉に出すこともなく邪魔をしない。そう思って来たのだが、どうしても我慢できずに手を出してしまっていたのではないか。できなければやってくれるという意識を植え付けたのかも知れない。
しかし、それは常識範囲内ではないのか。家計簿を付ける。金銭の出し入れの記録だ。その記録がなされていない。いや、作成者はちゃんと出来ていると思っている。その作成されているものが、理解できないとなれば。難しいものではないのだ。
自分の時間が充分あって、ひとつだけのことだったら大丈夫だと思うが、そうではない。あらゆる方面に目を配って気を配っている。だから、効率よく仕事をしたいし、単純な作業は分担して責任をもって完成させて欲しいと思っているのだ。結果を精査して、提出する予定だった。
それができないと分かった。その時に思い浮かんだのは、
 「何のために長年掛けて育てて来たのだ。」
キラキラ目の珠緒ちゃんは既に8年経過している。9年目に入っているのだ。
の一言だが、何かを言えば追求することになってしまうと我慢してマンションに戻って来て、一人呻吟していたのだ。
その、資料を改めて朝見る。すぐに閉じた。
メール処理が出来るものをした。恩師が再び28日に講演に来るので、ホテルの予約をして、恩師にその旨報告し予定を確認した。返事が来て、今回は一人で来るという。当社の人材を褒めていただき、そのうえ、人材育成に感心を頂いた。
商標登録をまた、依頼した。恩師に課題で出された内容を商標登録にしたのだ。これで5個目だが、ブランド名は株式会社でそのほかは特定非営利活動法人に帰属するようにしたが、いずれ私は離れてしまうので財産管理会社を設置するか検討する。
10時20分にスタートして、施設に向かった。元々は市の養護老人ホームだったのだが、払い下げしたのか社会福祉法人が改築して入っている。
優しそうな介護支援専門員だった。遅れて地域包括支援センターの管理者が来て打ち合わせに加わった。難しかもと思った。完全な認知症の方は、全く別の世界を持っている。これまでにない、長谷川式の低い点数だった。
問題は誰が申立人になるのか、ということだった。身近な親族は亡くなっている。遠い親族も拒否。本人申し立てだというが、本人は全く理解していないようだ。申し立てに至った理由は、訪問販売の被害に遭っている。契約書にサインしてしまうのだ。
聞く所によると、
「字が書けるから、市長申し立てはしない。」
と、言われたというのだ。
 窮地に陥って、当特定非営利活動法人に依頼が来たのだ。もう一つの理由は、一貫して受け入れてくれるというものだ。つまり、申し立てのサポートから後見人候補となってくれるというものだ。
 士業の方は、ビジネスなので申し立ての費用として10万円程度を見込み、受任はしない。勿論、報酬が発生する後見人となることはするが仕事はほとんどしないだろう。
打ち合わせを30分ほどして、施設を出た。近くの住宅にお伺いすると、最初から厳しい顔だった。人数が多いので、警戒心を抱いたのかも知れない。紹介者の介護支援専門員が口を開かないので、仕方がない私は最初表情を見ただけでダメだと思ったが口火を切った。
やはり、最初から拒否。段々と、拒否反応が強くなる。介護支援専門員が訪問販売に騙されたことを告げると、一層激しい怒りに変わってしまった。訳の分からない言葉を発して、怒る。何とか、自分を守ろうとするのが分かる。
もう、無理だと感じたので全く私は言葉を発しない。何とか他のメンバーが話をしようとしても、もう無理。自分で作った私どもの立場を非難し始めて、
「お金なんかない。近くのひとを呼んでくる。」
と、言い出して何か袋をもって立ち外に出るがそこから動けない。
どこに行っていいのか分からないが、私たちに対する最大の脅しだ。
訪問販売員に騙されるのだが、私どもを受け入れない。そこに能力の差があるのだ。その言葉巧みを学ばないと難しい。
結局、1時間近くの攻防は完全に惨敗だ。
後日、出直しということで解散した。
その間、何度か電話が会社から入っていた。実は、この施設に入る直前に連絡があって、
 「バイクの調子が悪くなって、修理をしてもらおうとバイク屋に入ったのですが、自賠責保険が5月17日で切れているようです。ここで加入を勧められたので、入っていいですか。」
あれこれと言われたが、私は管理を保険会社に任せていたので、わからないしいま必要なので直ぐに入るように言った。
しかし、その後、他の社員からメールがあって、
『私のも入っていないようです』
と、慌てて調査を介護・支援管理者に命じて調査させ、加えて友人でもある保険会社の代理店に確認するように言った。
結果、代理店の友人はどうも病のようで、保険期間が切れているのは6台と判明した。とんでもないことだと、直ぐに加入させるように手配させた。
そんな基本的な問題と、友人が病気だと知り心配になった。もう、東京での勤務に就いて知り合って40年も経過する。私より9歳年上だと知ったのはつい数年前だった。
しかし、社員にとっては自賠責保険に加入しないで走行していた事実の方が問題で、バイク屋さんから
「もし発覚したら罰金は1台8万円くらいで、管理者も罰せられる恐れがある、と言われました。」
その言われた、バイク屋の社長さんは、私がこの事業で最大の窮地から救ってくれた人で、感謝してもしきれない方だった。
「佐藤さんのことは覚えているようで、よろしく伝えてくれと言っていました。」
そう、社員から聞いたので、また、あの時を思い出してジーンとした。
認知症の方との帰り道、路上に置いてある台の上に甘夏とかキャベツが並んでいた。1個50円だという。甘夏20個とキャベツ10個買って来てみんなに配った。
一旦、マンションに戻って昼食を摂って休んでいると、電話が社員から何度もあったので仕方がなく、気持ちが切り替えられないままに出勤した。
 色々な案件を処理して、外に出た。まだ、エンジンが掛からないのだ。
ドラックストアに行って、育毛スプレー、栄養ドリンク、テッシュペーパーを購入してやっと気持ちが仕事に向かった。
キラキラ目の珠緒ちゃんに貰った資料の手直しを指示して、
「月曜日に家庭裁判所に行って提出して来なさい。練習だ。」
自分が遅れてしまったことを自覚するために、させることにした。


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