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トップハート物語(5479)立志伝敢闘編
19/12/03
2014年(平成26年)2月下旬。
 土曜日だが、いつものように出勤した。寒い。まだ、春は遥かに遠くだ。そんな思いを抱かせる寒さだ。朝は氷点下にはならないが、0度近くだ。しかし、あと数日で、春の陽気に急になるという天気予報だ。そうすると、先日来大雪で交通遮断されて孤立している地域があるのだが、今度は急に暖かくなるので溶けた雪が屋根などの高いところから落ちてくる危険があるというのだ。
 朝一で、8時過ぎに新規事業所の責任者が来た。頑張って、実績を出し始めた矢先だ。深刻な問題が出て来た。まず、初めに
 「実は、先月入社した男性の大ちゃんですが。」
 「どうした、何かあったか。」
 26歳の若い割に、きっちりした性格でやる気もあって頑張って行けそうな気がして、みんなで喜んでいた。その結果を出すにはまだ早いのだが
 「勤務時間の問題です。早く帰るように言っても、なかなか帰らない。実績が出されてきたのですが、他の社員より多く、誰よりも多い時間が書いてあるのです。自己申告制にしているのですが、最初の数カ月は確認させて貰うと言っていたので出て来た記録を確認すると、早く帰ったはずの日に夜の7時半まで勤務したと記録してあったりして、1月21日から2月20日までのひと月の勤務時間が240時間にもなるんです。」
 「それはまずい。先月一杯で辞めた中国からの帰化者も、そんな感じででたらめな勤務時間を記入して、トラブルが毎日続いた。1年間嫌な思いをした。仕事できない者に12月と1月に26万円も支払っている。1年間こんな調子だった。最初が肝心だ。いい加減に過ごして自分たちが支払う訳じゃないからと言って、言いにくいから放置していたらそのまま行ってしまう。」
 「本人と話して、収入に繋がらない超過勤務時間を無くすように言ったのですが、理解していないようで。もう一度話し合います。」
 「折角の機会だから、話をさせて貰う。」
 そう言って、これまで金銭的なことは何も言わずに自由にさせて来た。その結果を出して来たので、黙ってこのまま行けばいいと思っていた。
 しかし、1月のあるていどの実績が出て数字を見たときに、これは不味いと思ったのだ。収入は、12月に比べて30万円ほど低下した。しかし、ヘルパーさんへ支払う金額は増えた。数万円だが。そして、先程の男性が加入して15万円ほど加えられた。それで、人件費は50万円ほど増えたのだ。
 新規事業所は2年目に突入した。決算が近いのだ。初年度は当然、収入がなく人件費が嵩んだので私が個人で350万円ほど負担している。貸し付けているのだ。そのうえ、事務所経費などの負担を本体の株式会社が一時立て替えて支払っている。その残高が220万円ある。
 そして、株式会社が行っている就労支援の派遣に新規事業所から出している体裁をとって収益に加えている。何とかして、支えてやっと順調にここ数カ月は100万円の粗利を出して、創業経費の返済に入った。
 しかし、今月は異なる。どうしてそうなったのか疑問に思っていて、聞けば追求調になるので我慢していたが、今回は言う機会を待っていたのだ。
 その点の数字を示して、確認するように言った。
「自費の収益が増えているのは知っている。その数字も加えて、一体どうなっているのか確認して欲しい。」
 「自費も多く、また、サービスを行っても申請中だったり、色々請求されていないものもやっと請求できるような状態になったので、その金額を出して調べてみます。」
 そのような返事を貰ったので、少しは安心した。
 貸越がそのような金額でも、月間収支ではまだプラスだし、2ヶ月分の現金が請求しているだけで入金がないこの業界なので、当然貸越にはなっていない。大丈夫なのだが、途中途中で意識を持ってもらいたい。
 「もう一つ、Tちゃんの妊娠のことです。」
 期待を持って半年前に入社させた若い女性。
 就労支援の生徒だった。一生懸命働き、真面目で愛くるしいキャラクターだった。少し、太っているのもまた癒し系で人気があった。夜勤も一生懸命に進んでこなしていた。ところが、就労支援で同じ生徒と恋仲になり妊娠してしまった。まだ、結婚はしていないのでシングルだ。離婚経験が有り、失敗はしないだろうと思っていたのだが、安易な期待だった。
 問題は、まだ、社員としてそれなりの実績を持っていないということだ。それで、業務から外れて内部的な業務を望むようなメールでの要請があったという。勿論、何の仕事もデスクワークでは出来ないのは本人も分かっている。
 社会保険労務士に相談したが、妊娠を理由に勿論退職を促すのは出来ない。本人の要請があったら、身体に影響のない軽度な業務に移す必要がある。ただ、その者が出来る業務がなければわざわざ創造する必要はない。医師の指示があれば、健康保険での休業になる。
 それ以外では、業務ができなくて休めば欠勤になるのは当然だ。
この少ない社員30人の中で、妊娠で休んでいる出産休暇、育児休業は2人もいる。
 この者で3人目だ。わがままな、会社を顧みない自分勝手な会社の制度を悪用した社員が増えては堪らない。
 「出血があって、休まないといけなくなりいまは休んでいます。何かあったら仕事をさせることが出来ないので、休んで貰っています。方向としては、本人もそのように考えているようですが、一旦退職して、また働けるようになったら受け入れるということにしたいと思います。」
 その報告は了承した。
 「色々と言葉に問題があるとまずいので、気をつけて下さい。」
 そう言って、少し危うい様子に気が張った。
 大変だろうと思う。彼女も、単なる時間を少し仕事にと思ってヘルパー講習を受けて、一旦家庭問題で退職し、再び、シングルになって戻って来た。介護福祉士、二種免許、介護支援専門員、新規事業所の責任者と駆け抜けて来た。
 「ちゃんとした会社で働いたことがないから、分からないことだらけで。」
 そう言いながらも、実績を残してきた。 
 最後に、エンディングノート関連の講習をスタートさせるのだが、政府系金融団体と尊厳死団体とのコラボレーションで私も地域包括ケアと成年後見の話をしていく。
 その講師の方たちと一緒に多くの機会を持つなり、進展させて行く積もりだった。事務局は、外部の紹介を受けた方にお願いして進めていた。その講師の方たちと、フォーラムが始まる前に打ち合わせを兼ねて酒席を設けたいので、調整するように彼女に指示していた。
 「事務局をお願いしている女性の都合が先生と合わなくて、終わってからになりそうです。」
 「何を馬鹿なことを言っている。事務局の女性などどうでもいい。本質は、講師の顔合わせをするということだ。将来のコラボレーションなどを話し合って、同じフォーラムで目的を統一しておきたいのに、何を勘違いしている。再度、調整して設定するように。」
 「たまたま講師を案内してきた時に、その話をして先生のスケジュールを頂いたのですが、同行していた事務局の女性が講師の言った日時に自分の予定が入っていると言い出して。」
 「バカバカしい。自分の立場をわきまえなさい。」
その後、この同じフロアにある居宅介護支援事業所管理者が来て、30分ほど話し合って解散した。
 すぐに出て、後見人の申し立てを行うご本人の家に入った。訪問介護事業所責任者同席の上、申立書への署名捺印、登記されていないことの証明書を法務局から受け取るのに代理人として私を指名する署名捺印を頂いた。
 半身不随で、署名捺印するのになかなか厳しかったが彼女の指導、サポートでなんとか済んだ。問題は、記憶が無くなって経歴がほとんど分からない。子供も居ない、兄弟は無くなっている、夫の親族とは金銭トラブルで疎遠で実態が分からない。
 それでもやっと、ほとんどの書類作成が終わった。あとは資料を揃えるだけだ。
 寝たきりなので、郵送の申立になるという。
 NPO法人常勤理事が健康診断を受診して来たが、便が出ないと心配で、何度も言うので困ったから、ウルサイに変わってしまいそうだった。しかし、優しい彼女は怖がりで心配性。余り言うとかわいそうだから、真剣に心配しているふりをしている。それにしても、ずっと収まらないその便の話に参っている。
 疲れが体に溜まるようになってしまった。しかし、何を食べても美味しい。



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