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トップハート物語(5257)立志伝敢闘編
19/08/06
2013年(平成25年)7月上旬。
ある知人のブログを時々拝見する。高齢者専用賃貸住宅を全国展開している。考えや発想は入居者の立場に立つと立派だが、労働者の立場に立つと逆になる。安価な入居費用ということは、労働者の勤務体制と賃金において、まずい待遇であるという流れになる。
言い換えれば、自分たちの利を確保してシワ寄せを労働者に課す運営だ。安い労働力を前提にしては有能な人材は集まらない。評判が益々その方向に行って、私が求めるものとは大きく異なって、いや敵対してしまう。
 その知人のブログには、無責任な昨今の労働者の動きに怒りが込められている。キツイから辞めたい、大変だから辞めたい、それも即日。一人入れれば人数だけのトラブルが付いてくる、という分けだ。
 自業自得だと読んでいたが、自分の事業所にもその波が迫って来た。
 今日10時から面談があった。遠方から来る。公共交通機関で1時間以上掛かる。諦めて来ないことを願った。何故なら、還暦近くの男性で経験なしの2級ヘルパー、福祉用具専門相談員、ガイドヘルパーの資格を持っている、とハローワーク職員が懇願するように言って来るので受けてしまった。何度も難しいと言ったが、妥協したのは二種免許を持っているとの情報があったから。
通院介助が負担が大きく、できれば介護タクシーを専門化させようと考えていた。特に、高級取りの介護管理者が、ケアもせず車の運転が好きなので、ヘルパーさんを運んだり乗降介助をしたりして、金にならない時間に自分をシフトしている。それをさせないようにしないと、経費だけが増大してしまう。
 そんな思いの中、時間が近付いて来た。概ね、面接には来ないだろうという思いを強くし掛かった10分前チャイムが鳴った。来た。ドアを開けて目に入って来た男を見て期待外れの感とハッキリと断れる思いが交錯した。
 アロハシャツにズック靴だ。白髪交じりの一目で介護には向かない人材だと分かった。招き入れ座らせた。話し方は思ったよりソフトだった。
 「それでは、履歴書を見せて頂けますか。」
 小さなバックをゴソゴソして資格者証を2枚出した。ハローワークからの紹介状も出したが、肝心の履歴書を探している。見つからないので、
 「忘れて来たようなので、送ります。」
 「いや結構です。資格者証のうち1枚は2級ヘルパーと書いてあるので分かりますが、もう一枚は何の資格ですか?」
 「分かりませんか?本当に分かりませんか?」
 「分からないですね。法第何条第何項何号に定める課程を修了したと書いて有るだけで、具体的に何の講座と明記されて居なければ分からない。」
 「これだけ見てわかりませんか?分からなければ教えますが、これは福祉用具専門相談員の資格です。」
 「何の資格でもいいですが、ちゃんと具体名を書かないと。」
 「お宅にはこの資格を持っている人が居ないかも知れませんが、この資格はこれで分かるんです。」
 「どうでもいいですが、2級ヘルパーの資格を持っていたら不要ですね。」
 「いや、お宅の会社にはこの資格を持っている人が居ないかも知れませんが、福祉機器のレンタルをする際には必要なんです」
 「どうでもいいですが、うちには一人も居ません。しかし、福祉用具レンタル事業をしています。2級ヘルパーの資格を持っていたら、見なしで大丈夫です。そんな無断な資格を持つ必要有りません。」
 「いつからそうなったんですか。
売り言葉に買い言葉、となってしまっていた。
「それでうちの会社に来て、何をして貢献出来ると思って応募しましたか?」
「資格的に出来るのは、まず福祉用具レンタルです。」
「うちはレンタル事業もしていますが、種類も多くメーカーも沢山あるのにどうやってその利用者に適切だと判断出来るのですか?」
「私の両親は障がい者で、福祉用具のお世話になって居ます。」
「済みませんが、それは全く関係のないことです。私が聞いているのは、経験の無い貴方が即戦力として何が出来るのか聞いて居るんです。希望する雇用形態は何ですか?」
「正社員です。」
「希望する金額の倍を稼がないと会社は成り立ちません。」
「二種免許を持っているので、介護タクシーの運転が出来ます。」
「介護タクシーは、それだけで運営しているのでは無く補助的な業務です。15分300円では給与を払えません。」
「それだけでは無いでしょう。9割は入って来るし、会社は儲かっても社員には分けないんじゃないですか。そうじゃ無ければ、募集が16万から25万なんて低い金額になる訳がない。」
「どういうことですか?働いた分を還元するシステムを取って居ますが、どこの会社でもどんな業種でもそうなんじゃないですか?他の事業所も行かれたと思いますが如何でしたか?」
「時給で、登録なら、というところばかりでした。」
「そうだと思いますよ。自信があるなら歩合制で働いたらいいと思います。それで30万円以上もらっている人もいる。」
「9割を受けて、補助金を貰って助成金を貰って、、、、」
「何の話をされて居るんですか?遠方だし交通費が馬鹿にならない。」
25000も掛かる、勉強になりました、そう言って帰り支度を始めた。
どっと疲れが出て来て横になった。

『暑い日が続きますね。
まわりのサ高住も、離職が激しく年中求人を出しています。
待遇を見ると、時給750円だったり、月給でも13万円くらいだったり、どうみても足元をみた内容でして、これでどんな人材が来るのだろうと頭を傾げます。
ご自分で介護現場をしたことがあるなら、おわかりだと思いますが真夏は特に体力消耗する仕事です。
経営者は、介護をしてくれる人材が担保できず施設を閉める時になって初めてわかると思います。
付添婦という職業があった時代は、稼ぐ人は3人くらいかけもちで月収70万円くらいあったそうです。知り合いが一千万円の借金を3年くらいで返した例を身近に見ていますので信憑性はあるかと。
ブラジルから日系人が出稼ぎに付添婦をするため来ていたとか。
報酬がすべてではありませんが、この仕事内容には全く見合わない薄給に求人欄を見るのが辛くなります。講師をしているときは「介護福祉士をとれば給料も上がる」と励ましていましたが、介護福祉士でも750円だったりしますからね。友人たちも、求人を出しても中年リストラ組の男性か、高齢男性しか来ないとぼやいています。』


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