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トップハート物語(5236)立志伝敢闘編
19/07/27
2013年(平成25年)6月下旬。
もうすでに5回退職願を提出している介護管理者。平成13年の立ち上げからもう12年間一緒に過ごした。その前の年の受講生で第三期卒業生だ。
 ヘルパーから始まって、今では当社のメインもメイン介護部門のトップになっている。私の後をついで既に7年を経過した。
 人の能力は努力によって維持される。その時点で有能でも、努力し自分を高めて行かないと、有能が無能に変わる。自分の能力は変わらないが時代が変わってしまう。その典型だった。
努力を忘れて、後輩がどんどんと追い越して行く。その度に、みっともないと退職を申し出ていた。理由は家庭の事情だが、プライドだけは人一倍高く努力なし。
 彼女が管理者だった時期は、最初は私から引き継いで収益を維持していた。私の名が薄れて彼女のものになる。段々とメッキが剥げてくる。収益が悪化し出したのだ。売り上げが低迷し、人件費が高騰する。収益の要がお荷物になる。その間、人件費の高い介護部門の社員がケアマネジャーの資格を得て社内独立をさせて何とか面目を保ったり、介護職員処遇改善交付金や加算を得て辻褄を合わせる。
 しかし、それも限界となり昨年から、それまで維持して来た高齢者の入院や死亡が相次ぎ、ケアマネジャーと顔を合わせることを全くしていなかったつけが回って来て、急激に落ち込みを呈して来た。
 それを察知して、1月逃げ出しを図る。自分の管理能力を反省することなく、私の責任だと言い出す暴挙に出た時点で、もう終わりだった。しかし、自分の管理者としての業務はサービス提供責任者の業務にも及び、サービス提供責任者が6人もいながらその業務は全くしていなかった。
 ケアマネジャーの名前は分かるが、会ったことが無いとの言葉を聞くに及んで、もう終わりだと、私の放任主義が害を得たと理解した。それでも、他の社員の生活もあるので辞めさせることをしなかった。
 「元に戻します。無給で遣り遂げます。」
 などと、いつもの言葉だけの恰好つけを目にした。
 その1月は、12月に比して50万円の減額。2月は更に50万円の減額。3月は僅かに16万円上昇。4月は8万円のマイナスなのに、社員の超過勤務が異常に増えて6人の社員だけで28万円の人件費増。5月の収益は50万円増でやっと、2月レベルに戻した。
 その彼女が朝来た。自費の集金や新規の契約書の押印をして、終わると
 「佐藤さん、やっぱりしんどい。7月末で終わりにさせて貰っていいですか。」
 「俺が言っているのは、他の者にちゃんと引き継いでいるのかどうかだ。」
 「大丈夫で、キラキラ目の珠緒ちゃんにちゃんと引き継ぎ、出来るようにしています。」
 そんな訳がないと思ったが、既に求心力を失っているので、無理だと判断した。
 自分の仕事以外も、離すことなく人を育てることを極端に拒んできた。出来る仕事は他の者にも沢山あるのだが、それをさせなかった。
 自分の能力を知っていたのだ。誰でも出来る仕事をさせない、外出して他の事業所やケアマネジャーと接触をさせない。
 どんな会議でも、打ち合わせでも必ず自分が出る。サービス担当者会議でも担当のサービス提供責任者が出席することはない。それを後から知って愕然とした。
 能力をステップアップしないものは、自分で守るほかないのだ。
 7月末で受け入れた。一番最初に浮かんだのは、12年前から一緒に過ごした懐古感だ。虚脱状態を感じて、鳥肌が立った。いずれ私も歩む道だ。
 この介護管理者の足跡はしっかりと刻まれた。それは、外部での評価だった。当社の看板を背負って外に対してアピール力はあった。しかし、世代交代が進む外部にはそぐわなくなった。当社内でも、その弊害が生まれて有能な人材は外に出して社内独立をさせることによって、育成して来た。
 それでも、代謝が進まない。いよいよ、外堀を埋め始めた。各部門の若手、20代から30代、40代前半までのメンバーの会議や意思の醸成に努めた。彼女を入れても何にも生まれないどころか、不快な時間を過ごす。
 裏に回って、そのような私の方針を覆すような集団を形成しようとするのだ。だから、その集団は私から相手にされない。段々と疎外感が出て来る。判断が間違っていたと思ってももう遅い。既に前に行ってしまっている。
 今ある若手グループの活動は、NPO法人を中核として成年後見事業、人材確保プロジェクト、ケアマネジャーを中心とした事例検討、クリスマス会準備会、などの集まりがある。大体月1回の集合だが、終わるとその光景が写真としてホームページブログ上に掲載される。
 同じ社員でありながら、全くその中に入っていない者が数人いる。いつも中心だった介護管理者もその一人だ。プライドが人一倍高い彼女が中心から外されているのを知って、嫉妬していると同じ介護部署の他の者は言う。
 色々企画しても、邪魔するような集団を作って結局は自分を追い込む。外部を見ると、新陳代謝が進んで、活発な活動をして大きな収益を上げている。
いつも言う、
 「俺が介護だけだったらもう会社は無くなっている。色々な事業を行って、ダメな事業に関わることなく前に進んで来たから今がある。介護部門の落ち込みと私の無視などの対処で、可愛そうだとか思っているなら、自分たちで考えて支えたらいい。給与を分けるとか、経費を削って回したいとか。同情する、如何にも相手のことを考えているような口だけはやめた方がいい。この世の中、少しでも手を抜いたり立ち止まったりしたらもう終わりだ。マイナスを0にするのは異常な力を要する。しかし、100を200にするのは簡単だ。余力が有ったら、マイナスに投資するのではなくプラスに投資する。プラスの部門、上昇する部門に人材と資金を投じるのは当たり前のことだ。」
 退職を申し出ている介護管理者は先月手取りで39万円余りを得ている。
 12年間で、最初はヘルパーさんだったので平均年収手取り300万円と低く見積もっても、4000万近くの収入を得ている。当分は大丈夫だろう。本人は自営業の代表取締役でもある。役員というだけで、仕事はしていない。
 しかし、これだけ毎日休まずに、仕事も譲らず勤務して来た彼女だ。すんなりと引退という訳には行かないだろう。また、この世界に来るに決まっている。
 高額な人件費が浮く。それと、混乱との勝負だ。ただ、ケアマネジャーも世代交代をしている。そろそろ、世代交代をするか。


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