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トップハート物語(5166)立志伝敢闘編
19/06/17
2013年(平成25年)4月中旬。
朝早く強烈に部屋が動いた。5時33分だという。すごい揺れが始まり、暫くして座りどうなっても何もできないので、諦めた。横揺れだ。震度が高いと思ったが、この市は震度4だった。
震源地は6を記録した。この大阪に来て初めての強烈な地震だった。先日の大雨による洪水といい今年は自然災害が心配だ。地球規模で大きな変動が起きている。
今日は仕事をしたという実感だった。何が、と言われると具体性に欠けるが事務的な作業が多く溜まっていて、それらを終えたら大きな仕事をする積りだった。例えば、先日依頼を受けた障碍者の就労継続B型の申請書作成だ。
例えば、行政書士の事務所開設の届け出だ。例えば、若年者職業訓練の申請書の作成だ。例えば、福祉医療機構への助成金申請書類、例えば、障碍者自立支援法が改正になり総合支援法に変わったので定款変更の届け出を出す必要があり、法務局への書類作成だ。
そんな、考えても浮かぶたくさんの懸案事項に辿り着くのに、目の前の細かい作業を終えないと出来なので、それから手掛けた。
税理士から要求されている決算書作成のための不足資料、締めが異なるパートさんへの給与明細書作成、必要書類への代表者印の押印、来ているメールへの返信、それよりなにより一番時間を要したのは、書類のファイリングだ。各種資料の整理が大変。
9時半になって、由紀ちゃんから電話だ。介護サービス提供責任者で事務的な処理を一手に引き受けている。美白も美白だが病的な魅力がある。いつもじっと見つめる癖がついている。
しかし、1月から介護の売り上げが急落してしまって、私に叱責を受けている。その一つの資料として経費の明細を要求して来たので、渡した。ところが、それ以来来なくなった。
それまでは、ひと月に数回必ず顔を見せていたが、私に対応を追及されるので来づらい。怖がりなのだが、会社の問題なのでそのままにはできない。それでも、毎月の実績を渡しに報告する業務は避けられない。
それがないとヘルパーさんの給与が計算できないのだ。その時期が来たので、覚悟を決めて電話して来た。報告に来るという。あれほど、怒っていた私も彼女の顔を見ると、もう般若から岡目の心に変わった。
通常の実績の報告を受けた。数字は既にセンターから来ているので分かっている。2月より50万円の収益増だが、それは当然だ。前回の2月分に50万円の売り上げ低下の時の言い訳は
「2月なので稼働日数が少なくて。」
「稼働日数が理由か。新規事業所などは2月でも増えている。」
しかし、今回の彼女はこれほど増えましたという言い方だったが、無視した。
何故なら、お正月などが入っている1月と3月は同じ31日間で同じ金額だ。つまり、実質取り戻せないということなのだ。
2月は1月より50万円下がって、3月は2月より50万円アップしたが戻ったという見方をすると判断を誤るのだ。しかし、それも口に出さなかった。
「お疲れ様です。有難うございます。」
 そう言った。
要介護5と4の方が、つまり認知症を持つ夫と認知症の妻が2月9日夫他界、と3月4日妻入所したのだ。だから、それを考えれば実質少しは頑張っている数字が見える。
「みんなで手分けして、実績をケアマネジャー宛てに届けに行きました。行ったら、数件新規を頂きました。」
「それはそうだろう。顔も知らない事業所に追加で頼まない。俺は必ず届けに行っていた。俺の場合は、数件の居宅介護支援事業所としか付き合っていなかった。それでも、600万円程度の依頼を継続的に受けていた。しかし、引き継いでから20件程度の居宅介護支援事業所との付き合いなのに、この数年で売り上げが大幅に低下して仕舞った。それはどういうことなのか考えないと。」
「はい、訪問して高専賃のケアをしてくれますかと言って来たケアマネジャーがあって、受け入れますと言ったらすぐに頂きました。効率がいいので、これからそのようなところに営業に行こうと思って。ほかにも自費で有料老人ホームからも頂きました。自費が多くなって、それも売り上げに入れていいですか」
「そんなの当り前でしょう。これから、介護保険での対象が狭くなって自費が多くなるので、対応できるようにしてください。」
 そのほか、自費が50万円近い数字を出し始めている。ただ、昨年との比較において、基本昨年は処遇改善交付金が外付けだったのに対して、今は中に入っている。つまり、売り上げの中に処遇改善加算金が入っているのが今年で、昨年は入っていない。だから基本ベースが低く出しているので、その訂正をさせないといけない。
追いつめていたので、逃げるかなと思っていたらそうではなかった。安心した。
「いいですか、これからが皆さんの大変な時期に差し掛かる。若いうちはどんな仕事でも、どんな会社でも受け入れてくれた。しかし、これから皆さんの年齢からだんだんと採用される職場の範囲が狭くなり、介護事業も厳しくなる。現実を皆さんは見ているから、お金がない高齢者がどんな生活をしているかわかるでしょう。これからは、皆さんがその位置に立つ可能性があるのです。会社の為に働くのではなく、自分の為に働くのです。」
「私も今日出勤するときに考えていたのですが、これからまだ倍の人生があるのだと思うと心配になって来ます。」
「俺の時代は、時間とともに経済的に豊かになると分かっていたので一生懸命に安心して働いていた。ところが、今は違う。だんだんと悪化して行くし、努力してもダメかも知れない。それでも、努力しないと終わりだ。誰も面倒を見てくれない。自分の力で生きて行かないといけない。結婚したら男が面倒見た時代は終わった。今、この会社を見ても女性がみんな面倒を見ているし男は女性におんぶにだっこで、もたれかかっている。自分の努力は結果的に会社に繋がる。数字だけ追いかけるのではなく、最低限の数字を継続的に掲げて、余力を残して自分のステップアップに使いなさい。」
そのような話を1時間ほどして帰った。
 夜、NPO法人常勤理事と話をした。正念場だ。大台に上ってしまった日に社員6人で祝った。その席に、当社に入社予定の男性を呼んだ。彼女より5歳下だが、真面目一方で堅物で、融通が利かない意地っ張りであるにも関わらず結果が悪い。問題ばかり起こしていたが、無責任極まりなく退職した。
数年後、電話が突然あり交流が始まった。ついにケアマネジャーの資格を取得して今現在他の事業所の責任者として、実務者講習を受けている。終わった段階で退職して当社に来る約束になっている。それは、その事業所も了解済みだ。
その彼を呼んだのは、彼女との縁を結ぶのが目的だった。それまでグループで一緒に飲みに行ったり発破を掛けたり。何しろ、二人とも異性と全く付き合った経験がない。そのために、周りが動いているのだが、彼女はやはりこれまでも拒否的な思いが強く、
「みんなが言うから彼も言って来ているだけであって・・・」
などと、否定的な気持ちがあったので、今日は意を決して強く言った。
「みんなが切っ掛けを作ってくれたっていいじゃない。悪意があってやっている訳じゃない。みんな心配しているんだ。ありがたく、素直に思わないと。いいか、これからの社会はどうなるかわからない。女性一人で生きて行くには大変な時代になる。」
という、言葉に始まっていつもの持論を展開した。
昼に、由紀子さんに話をしたのと大きな違いはない。
「だって、彼は頼りない。」
「それはこれまでそう俺も思って来た。しかし、退職してから免許を取ったり介護福祉士になったり、ケアマネジャーの資格を取ったり、努力してあれほど明るくなった。」
少し盛って褒めた。
「いいか、今まで色んな奴が相談所や周りから紹介があった。しかし、どんな奴かも知れないし、踏ん切りがつかない。しかし、彼だったら人間的にも悪くないし性格も知っている。顔だってみんながカッコいいと言っているし、野球部のピッチャーだったし、スポーツマンだ。何が不足なんだ。あれほど、熱心になって真剣になっている。」
「私を好きなのかな。」
「それは、当たり前だ。あんなに熱心じゃないか。」
「実は、メールで19日のアミューズメントのほかに付き合って下さいと言って来ている。まだ、返事を出していないけれど。」
「なんで出さない。」
「どうせ、みんなから言われてメールしているんじゃないかと。毎日何度も来るので返事をするのが面倒です。」
「馬鹿なことを言っているんじゃない。ちゃんと断る気持ちがないなら、それじゃどこかに連れて行ってくれますか、と返事を出しなさい。あいつのことだから、一生懸命考えてくれるから。大事にしないと。」
 「母にも話をしたんですが、『そんな年になって相手をしてくれるなら、頭をこすり付けて頼みなさい』と言われて。」
 「何を言っている。相手がそうして頼んでいるんだから、ちゃんと応えてあげないと。」
 「友達にも、写真を見せてみんなが心配してデートのおぜん立てをしてくれたと言ったら、いい人だって。」
 「あとは経済的なものだ。」
 「それは大丈夫かな。」
 「今はダメでしょう。ただ、うちに来た時にはケアマネジャーとしての最低の金額を示す積りだ。あとは、実力だ。」
 「大丈夫ですか。」
 「大丈夫、根性があるから。」
 「恥ずかしいんです。みんな知っている人だから。みんなにお膳立てしてくれて貰って。」
 「大丈夫、隠れて付き合うよりもみんなに分かってもらった方が気が楽。それまでは別に公表しなくていいけれど、自然にわかるようになるから。さけたり隠れたりしないで。」
 これから、どのように変わっていくか楽しみだ。
 彼女の方は、私がまだ立ち上げる前からの社員で、ずっと一緒だった。既に丸12年。ほとんど遊びもせず、精々お友達と年数回旅行に行く程度。あとはエステのVIP待遇だという程度しか金銭を使っていないので、3000万円から4000万円は貯蓄があるだろうと、勝手に想像している。
彼の方は、ほとんどないと思う。金銭的に出せということもないので、一生懸命に働くと思う。根が真面目だから。
 16日は京都で後見関係の会議がある。20日は横浜で営業関係のセミナーを受ける。22日は東京にて、葬儀関係の全国組織の代表と会い事業展開に協力を頂く。


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