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トップハート物語(5108)立志伝敢闘編
19/05/17
2013年(平成25年)2月下旬。
 「私のこのケアマネジャーをしたいという思いは、駄目なんですね。」
 「どうして泣くんだ。卑怯だぞ。いいか、駄目だと言っているんじゃないんだ。チャンスとか時を待てと言っているんだ。菊ちゃんは、前任者が丁度問題を引き起こして解雇する時にうまい具合に当たった。宏美さんは、俺が忙しくなってケアマネジャーを非常勤になるときに取得した。シバは、新規事業所の責任者がどうしても必要になり、居宅支援事業所を併設する事になった。俺は、居宅支援事業所が無かったので初めて作る事になり、出来た。みんな4人ともうまい具合にチャンスに当たった。しかし、君の場合はどうだ。独立して運営する技量が無い。経験が全くと言っていいほどない。みんな、管理者やサービス提供責任者を長い間して来た。だから、ある程度の能力はあるし顔も広い。しかし、君の場合はほとんどそのような経験が無くて、サービス事業所にどうやってサービスの提案が出来て理解させる事が出来るのか。日頃、何だあのケアマネジャーはおかしんじゃないのという言葉を聞くだろう。君はそれだ。能力も無い者が、そのような立場になったらどうなる。うちの既存の居宅介護支援事業所に居て、よりかかろうという考えは捨てたほうがいい。自分の目の前にチャンスが来た時にそれを生かす事が出来る、掴む事が出来るのは実力がある者だけだ。その蓄積をしようとした方が近道だと思う。そう言っているんだ。」
 「泣きたく無くても、自然と涙が流れて来るんです。済みません。よく分かりました。これからも努力して行きます。」
 それから、再度、我慢することも人生の大切なことだと言い
 「遅い、君は遅い、分かるか。」
 「とろいと言う事ですか。」
 「違う、この世界に入ったのが遅いということだ。これは、あせってもどうしようもない。俺だって、50歳でこの世界にヘルパーとして入った。5年間はヘルパーだ。その間、介護福祉士など受験せずに、ケアマネジャーを直接受けて、3年で非常勤になりNPO法人を作ったり成年後見を勉強したり、追いついて追い越して行く事が出来る。いまは、おくれているが努力と先を見る力で追い越す事が出来る。これから、ケアマネジャーだってどうなるか分からない。その時代に取ったから遅いのだ。でも、どうなっても生き残るには先見性があれば出来る。いま、ケマネジャーをするかどうかなど君のような若い年代では余り関係の無いことだ。」
 そんな事を言って、涙が乾くのを待った。 
 1時間以上話をして戻って行った。
 彼女の上司に1時間後メールを送った。励ましてくれと。上司の彼女から電話があった。
 「佐藤さんの言葉は良く理解できました。その通りだと思いますと言っていました。チャンスがあるときに、受けられるように努力しますと。今は、レンタル事業で頑張りますと言っていました。泣いていました。」
 「申し訳ないと思う。しかし、これまでの発言や判断力に信用して居ない。」
 「一生懸命に頑張りますと言っていました。」
 「一生懸命などという言葉は簡単に言うべきじゃない。自分で言うのではなく、他者が『一生懸命に頑張っている』と言うならよく分かるが、自分から言うのは信用しない。」
 「今までの4人は、取得してすぐにケアマネジャーになれたから自分もと思ったんでしょう。」
 「これまでの実績が違い過ぎる。実力や能力も違い過ぎる。考えも違い過ぎる。資格を取るのは、誰でも出来る。問題は、それをどう生かすかだ。」
 「話は違いますが、利用者のMさん覚えていますか。」
 「どうした。」
 「殺人事件を引き起こして、逮捕されました。隣の物音がうるさいと、包丁を持って刺しました。ニュースにものって居ます。」
 驚いたが、それにとどまらず
 「もうひとつショックな事があります。佐藤さんから引き継いだKさんですが、精神病院に入院して居ます。」
 亡くなったかと思ったが、
 「実は、入院する前に分かったのですが、近所のおじさん数人に体を触らせて金銭を受け取っていたようなんです。隠語があって、たちまちとか言ってそれを合図に訪問して、ショックです。周りの人たちがみんなで一生懸命になって支えて居たのに。」
 「そういう困った人に限って、みんなが支えるのに一生懸命になる。残念だ。」

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