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トップハート物語(5107)立志伝敢闘編
19/05/16
2013年(平成25年)2月下旬。
 利用者の近所に住んでいる住人が支援と称して入り込み金銭を搾取していたという。そして、その者の紹介で、全国展開している高齢者住宅に入居する事になった。しかし、段々と怪しくなってその高齢者住宅の職員が、
「持っている不動産を売買する代行をしてあげる。」
とか、
「財産や金庫を高齢者住宅で預かる。」
とか、
「遺言書を作成して上げると。」
か、言って来たという。
遠方に親族が居て末期の病に倒れて居て、後見の相談があり先日訪問した。しかし、後見がつくまでに処理しようとあれこれとまるで認知症の方を騙すようにせかして急展開があり、まだ、後見手続きに至っていない私たちを見て、親族が病をおして遠方から出て来て、決まっていた施設への入居も取り消すかも知れないというのだ。
 慌てて、報告も言葉足らずで、数時間前から電話で興奮気味に報告は受けていた。世の中に、こういった話が五万とある。そう思いながら、その話を終わるのを待っていたビジュアル系の彼女に向き合った。
小顔で目が大きくアイドルと言っても通用するような彼女だ。茶髪でいつも制服も綺麗に着こなしている。
 「どうぞ、座って下さい。どんな話でしょうか。」
 「もう、御存じだと思いますが、現在ケアマネジャーの研修を受けて登録までにはまだ時間があるのですが、終わったらどうしたらいいのか御相談をしたいと思って。」
 「はい、講習を受けているのは知って居ます。相談というのは、どういう相談ですか。」
 「登録が終わったら、どうしたらいいのかと思って。」
 「それは自分が決める事です。いいですか、私はこれまで社員にこうして下さいとか、資格を取得したからどうのこうのと言った事は無い。それぞれの、人生だからそれぞれが選択して決めればいいと思っている。俺も、自分勝手で会社の思うような歩みをして来なかった。そのかわり、自分で自分の道を決めて切り開いて来た。」
 「私はケアマネジャーをしたいのです。やってみたいのです。」
 「それは、分かります。やってみたいのとやれるのとは違います。それを、まず意識しないと。それでもやると思えばやればいい。その機会はあると思う。新たな高齢者住宅とかグループホームとか経験が無くても採用するところはあると思う。ただ、当社でやりたいと思っても今は無理だ。まず、その人件費はどうする。どこからねん出する。今の3か所の居宅支援事業所はそれぞれの独立した事務所でそれぞれがその経費に見合う売り上げを上げながら動いて居る。君はそれだけのものをどうやって生みだす。」
 「一生懸命にやります。」
 「言葉は結構だ。今まで、一生懸命にやると言って実績を上げた者は居ないし、君では無理だ。もし、本当に出来るというなら歩合でしたらいい。」
 「1ケース何円と言う事ですか。」
 「いや、全額上げるよ。君が働いたケースでの収入全額上げる。これまで、レンタルで7年もやって来て、何度か営業するように言ったのに1件も実績を上げた事が無い。その者が、どうしてケアマネジャーになったからと言って仕事を得る事が出来るのか理由が分からない。」
 「今からでもケアマネジャーの仕事を持って来るのに一生懸命にやります。」
 「いや、ケアマネジャーの仕事はまだ先の事だから、レンタルで実績を上げて下さい。いいですか、努力した者の実績はちゃんと上がっている。本社は1年間に2000万円の増収になった。新規事業所も1年も経たずに月200万近くになった。今年は2000万円を超えるだろう。また、いま来たケアマネジャーも成年後見の勉強をして動き出して、仕事を得る喜びを知った。君は、どうだ。今ここの守口の介護は全く話にならないような数字になって、数千万円の減少を見込まないと行けない状態になった。事務所を覗いてみな。」
 「ここに来る前に寄って来ました。」
 「どうだ、社員がみんな席に居ただろう。」
 「居ました。」
 「10人以上の社員が席に居ること自体、この時間だぞ。おかしいと思わないか。煙草はすぱすぱ吸って、一本吸うのに何分かかる。1日10本吸ったら何分だ。それもみんなで。」
 「ひとり分の人件費が出ますね。」
 「そう言う事だ。それで、君はどうやって自分の人件費を稼ぐんだ。一生懸命など言葉などどうでもいい。具体的に聞いて居るんだ。」
 そう言うと、泣き出した。
 声を上げないが、大きな目から涙が次々とこぼれて来た。


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