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トップハート物語(5101)立志伝敢闘編
19/05/13
2013年(平成25年)2月中旬。
 今日の予定を決めていた。ところが、朝一番で認知症の妻を持つ夫の子息から電話だ。あの生命保険を巡る金銭の要求で、吐き気を催した電話だ。その数日後、約束していた今日の午前中の面談は相手の都合で中止になったのでホッとしていた。
その矢先の電話だ。出なかった。私の検診で病院に行く積りだったが、その気も無くなり仕事に対する意欲も殺がれてしまった。そうは言っても、ヘルパーさんへの入金があるので銀行に向かった。雨が強く降っていて出掛ける気持ちも無い。
 しかし、この電話で緊急を要する解決が必要なので、顧問弁護士に連絡した。法人と契約しているのは、株式会社とNPO法人と二つの契約をしている。その今日はNPO法人としての相談だ。二人の子供さんが、サービス事業所の面前で私に全部の財産、それほどある訳ではないが
 「佐藤さんに預金、保険などの財産を預けて、母親の為に使って下さい。」
 二人とも、疎遠でどんな状態になっても来ることは無かったし、入院や入所に際しても緊急連絡先として受け入れることも無かった。
 それが認知症を妻に持つ夫の死で駆けつけて来たが、渋々だった。仕事があるので、私に

「全ての対応をして貰えないか。」
などと言っていた。
やっと、葬式などの運びとなった段階で、
「金が無いので用立ててくれ。」
という。
仕方が無く、認知症の妻の預金を取り崩す。その時点では、周りや他の兄弟が居るので最低限の必要限度額を引き出し、それで終わった。
 私が全部預かって留置した段階で、子息からの電話で余りに酷い話なので、吐き気を催した訳だ。そして、キャンセルになった今日の朝に電話があったので、出る気になれなかった。暫くしてから、顧問弁護士に連絡して相談に乗って貰った。電話では埒が明かないという事で、午後一番で会って話をする事になった。
 しかし、概要を聞いて
 「それでは預かっている財産を全部持って来て下さい。弁護士が預かります。」
 そう言われて気が楽になった。
 再び電話が来たのは、10時半頃だった。出なかった。理由づけをするためにだ。11時にこちらから電話を入れた。
 「病院に入って検診を受けていたので、出られなかった。」
 そう言ってから、用件を聞いた。
 とんでもない話になった。
 「親父が借入している事が分かりました。」
 「えっ、誰にですか。」
 「私にです。」
 論外だと思ったが、丁寧に対応した。
 400万円貸してあるという。私は、生前に聞いたのは逆で、その子息に貸すために郵便局に生命保険を担保に借り入れしたと聞いたし、その証書も残っている。また、認知症の妻も常にその
 「子供にお金を貸してうちにはまったくお金無い。」
 貯めていた800万円を貸したと言っている。
 どこまで、・・・・。
 証拠を求めたが、無いという。
 「それだったら無理です。他人でも家族でも、証拠の無いのに預かった財産を使う訳に行きません。」
 そう言って、息子の権利として遺産を受け取れないのかと言うが
 「保険はすべて受取人が奥さんになって居ます。亡くなった御本人の預金は微々たるもので、分けるようなものはありません。娘さんも、すべて母のために使って下さい。誰にも渡さないで下さい。」
 そう言って居ます。
 と、兄弟の名を出した。
 「私だって財産を貰いたいなどと要求している訳じゃ無くて、貸したお金を返して欲しいと言っているだけで。」
 そう言ったが、勿論無理と返事をした。
 「そうしたら、用立ててくれませんか。」
 「誰がですか。」
 「佐藤さんが、私に貸してくれませんか。」
 この意識が分からない。
 亡くなって初めて顔を合わせた時にも、同じように金を貸してくれと言っていた。翌日も、電話で
 「幾らだったら用立てられますか。」
 と、言っている。
 もう麻痺しているのだ。
 弁護士事務所に1時に着いて、説明をして了解を貰い、留置して貰った。遠方の娘さんに連絡して、了解を弁護士が貰う事になった。また、後見人として私にゆだねた子息では今では申立人として無理なので、これも弁護士から娘さんに了解を貰って対応する事になった。2時間後弁護士事務所を出た。仕事がはかどらなかった。


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