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トップハート物語(4908)立志伝敢闘編
19/02/02
2012年(平成24年)9月中旬。
 今度は、期待の『神田川』

 貴男はもう忘れたかしら
赤い手拭い マフラーにして
二人で行った 横丁の風呂屋
一緒に出ようねって 言ったのに
いつも私が待たされた
洗い髪がしんまで冷えて
小さな石鹸 カタカタ鳴った
貴男は私の体を抱いて
冷たいねって 言ったのよ
若かったあの頃 何も恐くなかった
ただ貴男のやさしさが 恐かった

貴男はもうすてたのかしら
24色のクレパス買って
貴男が描いた 私の似顔絵
うまく描いてねって 言ったのに
いつも一寸も 似てないの
窓の下には神田川
三畳一間の小さな下宿
貴男は私の指先見つめ
悲しいかいって 聞いたのよ
若かったあの頃 何も恐くなかった
ただ貴男のやさしさが 恐かった
 
 この歌を聞きながら、涙が少し流れた。丁度この曲が流れ出したころに、結婚し、丁度4畳半一間の生活が始まった。お風呂も無く、近所のお風呂に行ったのがこの曲と同じで、思い出したのだ。
私の原点はここにあったのだ。このまま、このような底辺の世界から抜け出せずじっと耐えて死を迎えるのだろうなと思っていたのだ。
 妻の力で私は引き上げられて、この年になって経済的な苦労も無く子供にも恵まれて、そして、周りの方にも恵まれて生き生きして生活している。その原点がそこにあった。懐かしい風景が次々浮かんで、本当にあの時の事が有って良かったと思う時間だった。辛くなかったので、良い思い出として残っているのだ。
 その時点で始まってから3時間。7時になっていた。その他の曲はどうでもよかったが、アンコールがあった。イルカが歌い出す。
 1 汽車を待つ君の横で僕は時計を気にしてる
  季節はずれの雪が降ってる東京で見る雪はこれが最後ねと
  さみしそうに君がつぶやくなごり雪も降るときを知り
  ふざけすぎた季節のあとで今春が来て君はきれいになった
  去年よりずっときれいになった

2 動き始めた汽車の窓に顔をつけて君は何か言おうとしている
  君のくちびるがさようならと動くことがこわくて下をむいてた
  時がゆけば幼ない君も大人になると気づかないまま
  今春が来て君はきれいになった去年よりずっときれいになった

  君が去ったホームにのこり落ちてはとける雪を見ていた
  今春が来て君はきれいになった去年よりずっときれいになった
  去年よりずっときれいになった
 
 みんなで、立ちあがって歌った。この風景が欲しかった。写真撮影は駄目だと言われていたのだが、見えないように持参したipadで何枚も写した。感動のフィナーレを迎えるのかと思ったら、本当に嬉しいサプライズ。私がこの世で一番好きな曲が流れて来た。
 命かけてと 誓った日から
すてきな想い出 残してきたのに
あの時 同じ花を見て
美しいと言った二人の
心と心が 今はもう通わない
あの素晴らしい愛をもう一度
あの素晴らしい愛をもう一度

赤トンボの唄を 歌った空は
なんにも変わって いないけれど
あの時 ずっと夕焼けを
追いかけていった二人の
心と心が 今はもう通わない
あの素晴らしい愛をもう一度
あの素晴らしい愛をもう一度

広い荒野に ぽつんといるよで
涙が知らずに あふれてくるのさ
あの時 風が流れても
変わらないと言った二人の
心と心が 今はもう通わない
あの素晴らしい愛をもう一度
あの素晴らしい愛をもう一度

 本当に北山修は素晴らしい感性の持ち主だ。
 わたしのためにこの日が有るように思える時間だった。
 昨年と同じように、天井を見上げた。昨年は、この会場で、大震災で無くなった同級生を思っていた。
 『どうして死んだ。生きていればこのように素晴らしい時間を得る事が出来たのに』 
 そう、天井を見上げて語り掛けていた。同じように、同じ語りかけだったが、段々と近づく自分と彼の距離で昨年ほどの感情は無かった。

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