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トップハート物語(4795)立志伝敢闘編
18/11/27
2012年(平成24年)6月下旬。
 新管理者から昨夜、
「前管理者からのメールを受け取りました。」
との報告があった。
内容は、現在、大阪市の新事業所には3名の常勤社員がいるが一人今月一杯で退職する。そのようにして欲しいと思っていたが、相手から退職を願い出て来たので直ぐに受けた。
そして、その件について旧管理者が新管理者に
 「2.5人の常勤換算をクリアできなくなり、直ぐに取消されるかも知れない。」
 そう言って来たという。
 いつも言う、法律や通達など何も見ないで勝手に思い込んでああだこうだと騒ぐのは困ると。
 『常勤換算の意味をよく調べなさい』
 と、メールを送った。
 その答えを持って来たが、駄目だ。人に聞いただけだから。本当はもっと調べるように言いたかったが、面倒が先に立ってしまって教えてしまった。
 彼女が1時間ほどして帰った。帰った後に来たいと言った社員と時間が折り合わず、替わりに2カ月ほど前に施設から戻して当社の社員として復帰した彼女が来た
昨年末から付き合い始めて、クリスマス会に彼氏ともども招待した。綺麗になった彼女の顔を見ながら、一段落した話から
 「ところで結婚は?」
 と、いう私の問いにあれこれと結論を言わずに長い話を始めた。だから、こうなったという「だから」の部分を長く説明を始めた。途中で、結婚の話は無くなったと確信した。しかし、別れてしまったとは思いも寄らなかった。
それも数日前で、私が会社では最初に聞いた人間だ。それを、明るく語る彼女の気持ちを量り切れなかった。色々と、理由を言う。
 「結婚よりも、まだ勉強したいようです。」
 というのを、色々と理屈を付ける。
 痛々しくなった。本当にそれだけだろうか。かなりの美人でそんな彼女をあんなへんちくりんな男がどうして振る事が出来るのか不思議だった。
 「それでも、いいお友達でいようという事になって。」
 「そんな綺麗ごとではないだろう。」
 と、余りに明るい顔をしているのでつい口に出してしまった。
 そして、これが本当の理由というような感じで数ヶ月前の事を話し始めた。つまり、本人ではなく家の格式だったのだ。相手はどうやらお坊ちゃんで家族も親戚もいわゆる金持ちでかわいがられて育った。
そして、家というものを守るために結婚するような意味合いだったようだ。そして、数ヶ月前に自分の家、家族の事をあからさまに話をしたようだ。それ以来、連絡が取れなくなったという。会ってもくれなくなった、と。
 「自分の力ではどうしようもないことを理由にされても・・・・」
 そう言って、顔が歪み目の淵から涙がこぼれて来た。
 「俺だって、君よりひどい家に生まれた。親は働かず行方知れずに野垂れ死に。兄弟は色々問題ばかり、借金は増え家族は離散。だから、もう結婚できないし人生は、ただ生きて行くだけの時間。誰にも知れずに死んで行くだけだと諦めていた。人と接しないように、最低限の付き合いで本を読んだりするのが好きで狭い汚い部屋に住んでいた。そんな時に、妻が俺を引き上げてくれた。相手だってすごい家で財産もたくさんあり、本家や分家親族の付き合いが大変だった。それでも、こうやって生きて行けた。きっと、縁があるから諦めずに自分の力を高めるように自分は自分として生きて行くように。」
 そう言って、意味があるかどうか分からないが励ました。
 もう何人かと付き合っているのが分かっているので少し考える。昨日の、涙を流した彼女といい、今日の涙を流した彼女といいどうしてこうも美しい人が悲しい想いをするのだろうかと思ってしまう。
 人は人に言えない何かを背負って生きて行く。何処まで思うか。生きることに諦めてはいけないが、自分ではどうしようもない事を自覚してそれを超えるか、それを考えて自分の位置を思うかだ。私の場合は、自分のハンデを超えられないと思い諦めていた。ところが、妻がそれを救ってくれたのだ。その思いは、私が将来それを乗り越えて違った何かをしてくれるのではないだろうかという思いがあったという。その思いに乗ってしまった感がある。


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