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トップハート物語(4790)立志伝敢闘編
18/11/24
2012年(平成24年)6月下旬。
 朝一番で、介護管理者が来た。ヘルパーさんから時給の件でクレームが来ているという。生活援助の報酬が下がった。その下がったままスライドして時給も下げた。
 「みんなこれで生活しているので、これでは生活が出来ない。契約したのですが、これが続くと辞めて他を探さないといけない、そのように言っています。」
 そう言われて、だれがそんなことを言っているのか聞くと先日から他の事業所に代わる事を申し出ているヘルパーだった。
 「別に辞めて自分の希望に合う事業所に行けばいい。大体、先日から他の事業所に替わると言っている奴だろう。」
 「ほかの事業所と話がうまく行っていないようで。」
 そんなことを言ったが、管理者はどうしてもそのヘルパーが居て欲しいようで
 「これが多くのヘルパーに波及して大騒ぎになったら収集が付かない。」
 「そんなことはどうでもいい。収入に対して支出がある。たかだか2級ヘルパーで何を言う。どうしろというのだ。」
 「前の時給に戻して欲しいと言っています。」
 「アホか。別に構わないけれど、それなら社員の給与を下げるとか営業して収入を増やすとか、常勤がもっとたくさんケアに入るとかするか。」
 「・・・・」
 「ただ単に、言われたからと言ってそのまま受け入れたらどうする。他の会社の時給表を持って来たが、うちは介護福祉士や介護職員基礎研修の資格者に支給額の10%上乗せしている。それはどうするんだ。そいつは2級しかもっていないから安いと言っているが、介護福祉士を持っている者は別にそんなことは言っていない。そいつの言う事を聞いて、加算を止めて時給だけ上げようか。みんな賛成するか。いいとこだけ取って自分だけうまみを得ようとしてもそれはうまく行かない。」
 「介護福祉士のFさんも時給がおかしいと言っているんです。」
 「それだったら、他の会社で何万円もプラスしていない介護福祉士の加算をどう思っているのか聞いてくれ。自分の金額は高い加算になっているでおかしいと言わないだろう。それを無くそうか。介護福祉士がケアをしようが2級ヘルパーがしようが貰える金額は同じだ。」
 そう言って、なんでも言いなりになる傾向の強い介護管理者に少しプレッシャーを掛けた。
 直ぐに、同じ事務所の綺麗ナンバーワンのサービス提供責任者が来た。色白で病気を持っているのではないかといつも心配している。その彼女が勤務実績票を持って来た。
 「今月はいつものより勤務時間が長く超過勤務がたくさんあるんです。あまり多かったら削って下さい。」
 「そんなことはどうでもいい。ちょっと座りなさい。健康診断は受けたか。うちに来て痩せたのは君だけだ。段々と骨と皮ばかりになり、頬がこけて来た。健康診断では何も悪いところがない。一体どういう事なんだ。」
 暫く、彼女の顔を見ると陰がある。
 「何か言えない事があるんじゃないか。ストレスがあるんじゃないか。何か辛いことがあるのか。」
 そう言った途端、顔が歪んだ。そして、涙を流し始めた。
 「泣いちゃ駄目ですよね。我慢しないと。」
 そう言って無理に笑って、
 「ティッシュ1枚頂きます。」
 そう言って、涙を拭いた。
 その涙の訳を聞かなかった。聞けば、もっと泣き始めることが分かったからだ。それから、親は元気かと聞くと余り語りたくなかったようでその話題は続かない。別に住んでいるので、そこに涙の原因があるのか。そんな思いをした。そのあと、結婚、出産などの話になった。
 「私はたぶん一人で生きて行くことになると思います。将来が不安です。どうやって生きて行くのか、不安です。」
 「同じようにNPO法人常勤理事の智子さんも一人で生きて行く、などと言っている。」
 そう話をしながら、この社員たちの将来を何とかして安定したものにしたいと思うようになった。基金のようなものが出来ないだろうか漠然とそんな思いに駆られた。

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