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トップハート物語(4691)立志伝敢闘編
18/10/04
2012年(平成24年)4月中旬。
ほとんど話しもしない、声も聞こえない利用者がこの同行した市民後見人養成講座受講生との会話にはっきりと反応し、珍しく会話になっていた。驚いた事に、そのうえ、
「寝ていては申し訳ない。」
と起き出した。
お礼を言ったり、労をねぎらったりとやはり人との接触は必要なのだと改めて感じた。同行した実習生はご高齢だし、同性で何と無く親しみを感じたのかもしれない。
 その位置から、繁華街に移動した。ファクタリングの会社の方と待ち合わせだ。昨夜電話があって話しをした。その内容は、
 「済みません、先日の夜の経費領収書の宛先が間違っていないでしょうか。もしかしたら、当社の分の領収書を渡してしまったようです。」
 そう言われても、外出先で確認が出来ない。
 今日の朝、やはり間違っていると確認が出来たので連絡をした。今日当社に来られるというので、
 「実は、市民後見人養成講座の受講生の実習を受け持っていてもし良かったらご紹介したい。実は、県のフィナンシャルプランナー協会の支部長でこれから何かと関係が産まれるかも知れない。」
 そう言うと、会いたいという。
 1時半過ぎに繁華街のホテルで待ち合わせ。近くの高級店が並ぶ飲食街に移動して、あの有名な北陸の「加賀屋」旅館が運営している和食の店に入った。ランチで税込3000円だったが、余りに豪華で驚いたが量も凄いし、全ての料理が美味しい。
思わず写真に収めた。満足したが、問題は会話だ。
 そこで1時間半、喫茶室に行って2時間再び一方的なその高齢の受講生の話しを聞かされる。我々が、事業プランの話しをしようとするとそれを受けて個人的な話しに替えてしまう。
どうしたらいいのか、探っている様子で話題を替えてテーマを替えてと試みるのだが、それに構わず自分の話題に替える。99%の時間はその方の話しを一方的に聞く形になっていた。内容が無いから、誰も内容を覚えていない。時々、自分でも一方的に話しをすると他の人からも言われるというのだが、話し始めると止まらない。例えば、
 「認知症の方に法定後見を必要とする事が段々とこれからみなさんが認識して来ます。」
 「私の孫の一人が発達障害でIQが70だったのですが、急に90に上がって大学の研究室や総合病院では異例だということで・・・・・」
 延々と続く。
 「これからはこの制度を全国的に広めるには政治の力も必要となります。」
 「私の実の弟がIT事業のオーナー社長で、政治家の方とも懇意にしていて、今度21日に東京に行き・・・・・・」
 延々と続く。
 「これからは、高齢でなくても独居の方が多くなるので後見人が必要な対象者も増えると思う。」
 「私がお世話している方は、財産が5000万円もあって・・・・・」
 延々と続く。
 「お宅様は、事務所と自宅は別にあるんですね。」
 「私は何も知ら無かったのですが、他の人から言われて初めて見たんですが、私の名前をPCで検索すると沢山データが出て来ます。個人情報がどこから流れているのか・・・・」
 延々と続く。
 自分が銀行に勤めていたことやフィナンシャルプランナーの資格を取得した時のことなど、延々と続く。
 結局、会わせた目的がどこかに飛んで行って、将来性のある話しがほとんど出来なかった。
 そのうちに、ファクタリング会社の社員が帰社する時間が来て、席を立った。その時に、嫌味か意地わるか
 「どうぞ、まだお話し下さい。私は会社に帰らないと行けないので。」
 そう言って、挨拶もそこそこに帰って行った。
 「済みません、私ばかりがおしゃべりをして。」
 との、言葉があったが事前にそれを認識して頂ければもっと有意義な会話が産まれただろう。
 それを機に、私たちも席を立った。
 帰り道NPO法人常勤理事の智子さんが言った。
 「もう、眠くて、眠くて、どうしようかと思った。ファクタリング会社の方は、何度も佐藤さんの顔を見て止めさせてくれと合図を送りたかったみたい。私の顔を何度も見て、何度も腕時計を見て合図していた。佐藤さんを見るとうなずいて真剣に聞いているようだったけれど、また、聞いているふりをして他の事を考えていたんでしょう。」
 その通り。
 私の特技は、目を開けて相手を見ているが頭の中は他の事。そのうえ、いつも相手には
 「焦点が合っていないけれど何を考えている。」
 と、詰問される。
 まだ、実習は続く。

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