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トップハート物語(4666)立志伝敢闘編
18/09/22
2012年(平成24年)4月上旬。
「俺が言いたかったのはそんな事では無く、そこに出て来た家電量販店の店員や多くの商品を運んでいる運送会社の社員など。みんな、年収が200万円程度と言っていた。その中から、使わない家電製品を買って箱ごと家に置いてある、携帯電話機を沢山袋ごと持っていた人もいた。また、荷主の通販商品を買い続けていて友人などに上げて貰っている人もいたが、みんな男性で年収200万円前後だった。近い将来の日本が危ういと思っていたが、今まさにこんな少ない賃金で過ごしている。平均の年収は統計上420万円位だが、それは正社員だ。派遣やニートやアルバイターなどは入っていない。」
 「私は本当に友達にも言われますが、恵まれていると。こうして、好きな事をさせて貰って、ゆったりとした働きをして多くのお給与を頂いている。」
 彼女は、そのテレビに出た人の3倍の年収を得ている。
 「俺が言いたいのは、そんな世の中を俺自体が認識していなかった。衝撃だったということと、自分の息子や兄弟はそのような中に入って居なかった。自分の身内だけのことを考えている訳ではないが、とにかく思いがどういう表現していいのか分からないが、ショックであの場面が頭を離れない。」
 朝10時から、当社就職支援事業の第7期生、11月卒業生が相談したい事があると連絡して来た。先週の事だった。この日の10時に約束して、隣のSC喫茶店に入っていた。
その前に、1階のATMに立ち寄って研修会場費と受講料の入金確認の為に打ち込みをした。会場費は半年分ひと教室100万円を超える。当社の借りているビルの2室だけでは不足して方々の公共施設を借りている。
そのうちの1か所で4月から半年分だ。入金の方は、介護福祉士制度改正を見込んで、介護職員基礎研修受講生が大幅に増加して教室を4か所にした。それでも不足していてもう1か所増やした。定員30名で6月コースまで120名枠だったのだが、まだ増える様相だ。
 人材が居れば大幅増加も可能だが、まだ近隣地域に限られている。他の事業者は介護職員基礎研修2級ヘルパー実務経験1年以上の対象者で150時間10万円を優に超える受講料だ。当社は7万円で行っているので近県の方も越境して受けに来る。
大東本社のある教室は既に定員枠を超えてしまっているので、2教室同時に開催することにした。問題は、研修センターの専任講師だ。退職してしまったので、人員をどう確保するかを検討した。しかし、うまく行かない。人員配置を変更しようとしても、ダメだ。動かす人間の能力が不足しているのだ。
 そんな中、10時から面接を行った。基本的な相談は独立開業なのだが、中々本題に進まない。卒業時にも同じ話があったが、何を言いたいのか分からない。取りとめも無い話をしている最中に、連絡が介護管理者からあった。
 「訪問看護から認知症を持つ夫の件で連絡がありましたか。」
 「いえ、ありません。」
 「実は、介護支援をしている最中に苦しいと言い出して、本人が訪問看護に連絡しました。不整脈と熱があるという事で病院に連れて行ってくれと言われました。主治医に往診して紹介状を書いてくれました。しかし、今日は常勤の半数がお子さんの入学式で休んで居ます。間が悪い事に、体調を崩したと通院依頼が2ケース重なって、介護タクシーを運転する者が居なくて。車も本社に貸して、不足している。佐藤さんが使用している車両を貸して貰っていいですか。」
 「悪い、間が悪いのが続いて申し訳ないが、その車両もNPO法人常勤理事の智子さんが援助の為に遠方に行くのに使用中だ。」
 「人もいない、車両も無い。私も体一つだし、どうしていいのか分かりません。初めてです、こんなにマイナスが重なったのは。」
 「それじゃ、NPO法人に居る育児休業から復帰した彼女を運転させて通院に同行。もう一人のヘルパーさんを、認知症を妻に持つ夫が通院中の妻の面倒を見させて下さい。」
 「分かりました、取り敢えず対応してみます。」
 あとから分かったが、大東本社から介護タクシーを回送させようと思ったが、常勤のひとりが腸内の感染症で嘔吐と下痢で急きょ休みでてんてこ舞い。
 そんな中でも、まだ、私は喫茶店で面談していた。
 「経営を学ばせて下さい。ここ1年以内に起業したいのです。」
 「経営など、何も無い。ただ、実践してみないと肌に感じない。言葉だけでは何もならない。それだったら、実務をしてみるか。今何をしているんだ。」
 「仕事はしていますが、一段落して時間は取れます。それをお願いに上がったんです。実際、働かして下さい。」
 「それだったら、当社で今一番忙しい研修センターで働いてみるか。そして、その合間に介護や障害の仕事をしてみる。また、新規事業所が大忙しだ。その事業所の手伝いをしてみるのもいいだろう。始めたばかりで、既に100万円を超える契約がスタートしている。そのノウハウを学べばいい。あなたと同じ教室で学んだ、愛ちゃんが管理者兼サービス提供責任者だ。」
 「愛ちゃんが、管理者でそんなに実績を上げているんですか。信じられない。大人しくてかわいらしくて、そんなイメージでは無いのに。」
 「イメージで仕事をするんじゃない。他の人間が出来た者は誰でも出来る。その潜在能力がある。それを、与えられたポストで一生懸命に誠実にやるかどうかだ。経験が無いからとか実績が無いからと言って、仕事をさせないのはおかしいのだ。ポストが人材を作るという。サポートだけしっかりしてあげれば、必ず実績が挙げられて能力を発揮する。その人材をいかに見つけるかだ。」

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