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トップハート物語(4645)立志伝敢闘編
18/09/06
2012年(平成24年)3月下旬。
 断る訳にも行かないし、それでも今まで遣った事も無い。移乗も100キロを持ち挙げた事も無いので、不安がよぎる顔になっていた。同行して、出来ないのを自覚すればいい。管理者がその業務の説明の中で
 「C型肝炎を持っています。口腔ケアをしますが、出血がひどくて十分な注意が必要としますので、ゴム手袋を使用します。」
 「どうだ、C型肝炎の知識があるのか。傷口から感染したら、長期間潜伏後に必ず発症してがんになる。お前はまだ20代だろう。子供が3人もいて、どうするんだ。もうひとり、お前が得意だという調理の業務がある。ただし、精神の病を抱えている娘さんとの相性が問題となる。調理のメニューを娘さんが考えてレシピを作っている。そのレシピに忠実に創る。相当本格的だという。それを作っても、要介護の両親はほとんど口にしない。プラス身体介護など。同行させるから、遣ってみて下さい。」
 「分かりました。」
 ますます、顔が硬直して来る。
 「いいか、俺はお前に意地悪して出さない訳じゃない。お前は社員だ。社員がケアに入れば、登録さんを使って報酬の支払いをしなくていいから、会社はその方が良い。どこに行っても直ぐに現場に出されてそう使われるだろう。しかし、うちは違う。みんなが高いレベルになって、仕事をしている。利用者には最高の援助をする。その為には時間が掛かる。あんたの能力に合った教育をして、どこでも通用する人材になって欲しいと思っている。ヘルパーレベルでは無く経営レベルの力を持って欲しいと思っている。長い時間が掛かる第一歩だ。そんなに焦ってどうする。うちから独立した者が10人以上いる。資格を取得して力のある者は、社内独立もさせている。たかがヘルパー2級で何でも出来るような事は言うな。何時もみんなに言っているが、自分の力や能力が世間でどの程度に評価されているのか自覚しなさい。」
 段々と分かって来たようだが、彼女としては意気込んでしまった手前、もう後戻りは出来ない。
 2時間近く話しをしたが、考えは変わったようだ。ただ、彼女は20代でシングルであり3人の子持ちだ。働いて残業代を稼いで金を得る職場に行きたいのだ。それは分かっている。
 「辞めて、これから行く処が決まっているの。」
 「いや、決めていません。」
 「2級ヘルパーを持っていれば、どこでも雇ってくれるだろう。ただ、駒としてな。今社員として健康保険など加入しているが、それは無理だろう。それでいいのなら、どうぞ。本当に馬鹿だな。」
 「何がですか、次が決まっていないのに辞めるという事がですか。」 
 「そうだ、次が決まったら辞めればいい。」
 そう言って、大体の結論を得た。
 続いて、管理者兼サービス提供責任者から申し出があった。
 「私は何も知らないし、出来ればそれが出来る人を入れて貰って私はその下で結構です。」
 「何を言っている。最初は誰も何も知らない。俺だって、レンタル事業所だって、居宅介護支援だってみんな何も知らずに時間を掛けて覚えて行った。みんなが協力してくれるのに甘えて、立ち上げのノウハウや、最初から遣って行けば実習で覚えられる。覚えたら、次に立ち上げする時に力になって貰える。」
 今、ヘルパーさんを今の事業所から借りている状態で、もう貸せないと言われているし、ヘルパーさんからは何も知らないのに管理者かみたいなことを言われるし。」
 「それは、仕方が無い。事実だから。でも、ちゃんとヘルパーさんは穴を開けずに派遣しているだろう。余りに多くの利用者が来たので、既存の事業所がやっかんでんだから。また、ヘルパーさんだって、一生懸命にケアを提供しているのに、何も知らない奴が指示者だったら、頭に来る。それは、理解して我慢しないと。それを乗り越えて、色んな事を覚えて行く。」
 「それでも、誰か人がいたらお願いします。」
 「それは駄目だ。折角ここまで築いて来たのに、それが全部無くなって仕舞う。そのうえ、君の上に来たら、君はただのヘルパーになって仕舞って、その小さい体ではヘルパーも出来なくなる。俺は言っているだろう、自分のハンデを自覚しろと。体格的に、ケアは無理だ。後は管理しか無い。その方面の仕事をマスターして、これからの自分の将来を考える事だ。」
 理解してくれただろうが、それは一時的なもので一旦その考えに至った者は、また同じ考えに到達する。それを考えて、次の展開を想定しなしと。
 夜、介護管理者とサービス提供責任者3人を加えて報酬改正に向けて話しをした。家事援助3に付いてヘルパーの受け取る金額を減らすことなく、また、1時間半での依頼があったら受けるように指示した。

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