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トップハート物語(4642)立志伝敢闘編
18/09/04
2012年(平成24年)3月中旬。
 加算届の書類提出履行が通知されて来た。処遇改善関係の法律が変わるのでその為に、またなにやら書類を提出しないと行けない。新たな事業所でも貰いたいのだが、まだ社員がいないので出せない。
現在は3名が出向だ。4月から収益が確定して来るので、1名常勤社員を入社させる。出向者のうちの一人だ。
 午後から東京大学の市民後見人養成を受講している同級生の生徒に会った。この大阪から上京して東京大学で受けているのは私一人だと思っていた。しかし、日程にはAとBがあり、私はAその方はBだったのだ。
講座の後半に入ったが、実習が課せられている。幸い、私は自分の利用者、つまり依頼されている認知症の妻と夫を実習としてお願いした。終わったら、私が後見人として申し立てしようと思っている。
 学校からの実習要請があったその方の東大阪市にある家の近くまで40分程度車で向かった。待ち合わせ場所はイオンSCの1階喫茶店だった。当社に隣接して同じSCがあるが、比較して古い地方のスーパーという感じで雑然とした店内だった。
喫茶店も、入るとタバコの臭いが強くて普段だったら入らないのだが、待ち合わせでは仕方が無い。待ち合わせ時間より30分早く入った。雑然とした喫茶店内、横柄で態度が悪い太ったおばさんの店員。べたつくシュガーケースやミルクピッチャー。
 ブレンド珈琲を注文したが、如何にも不味いという感じの真黒な珈琲。ミルクを注いだが、珠になって固まっていた。全く口を付けなかった。10分もすると、相当年齢の行った小柄な女性が現れた。直ぐに挨拶をした。
 自己紹介をしてくれその歳でというと失礼だが、FPの資格を所持している。そのほか、NPO副理事長や個人事務所などの名刺をくれた。
 「FPって、凄いですね。」
 「私は、任意後見は既に何人かしているんです。」
 そう話しを始める。
 中々本題に入らないが、それでもいいやと思って聞き始める。段々と、この地方独特のおばちゃんの本性が出て来て留まるところを知らない。個人的な話になって来る。現在担当している被後見人の話しが尽きると、自分のプライバシーの話しになる。
苦労して育ち、早く旦那さんと死に別れて、子供3人がいるが、男の子2人はいい年して結婚しない。家は幾つか持っていて、子供たちに分けてあげている。50歳になってから大学に行った。それまでの話でも、まだ1時間。終わるかなと思ってもなかなか終わらない。
 遮って、本題や地域のネットワーク作りをしたいと話しをしてその方向に行くかなと思うと、また自分の話し。兄弟が上場会社を創設して今は会長となっている。その子は東京の麻布十番に住んで居て、田園調布にも家がある。
小さい頃経済的面倒を見た、これまでの任意後見で対した金銭を得られなかった。PFを持っていても、仕事がそれほどない。それを強調したかと思うと
 「学校で勉強している内容を見ると半分程度が介護の知識を必要とする案件です。だから、介護以外の方にはその方面の勉強をするべきです。また、介護関係の人は貴方のような金融の知識を会得する必要があります。」
 と、いう私の言葉に即座に反応して
 「介護の方だって、本職は介護で、後見は片手間でやっているだけで、片手間だったら仕事ではないでしょう。」
 と、反論する元気さ。
 利用者の情報を持参したが、余りの個人情報流出話しに虞をなして、出さなかった。
 大半の2時間を、その方がお話しついに私はいつもの通りほとんど聞いて居なかった。
 やっと終わったのが4時過ぎ。少し遠くの高槻市で行っている宮城県物産展に向かった。到着が5時半過ぎになって仕舞った。遅くなったが、余りに人の入りが悪かったらまとめ買いしようと思っていた。
しかし、思ったより多くの入場者が居て安心して、イートインの牛タンの「利久」に入った。最高級の「極み」は午前中に売り切れ、次のレベルも売れ切れ。嬉しいやら残念やらで、通常の牛タン定食を食べた。席に座って同行のNPO法人常勤理事の智子さんに話しをした。
 「若い女の子が一人で来るとか、食べながら泣いている人がいたら宮城県の人だよ。」
 しばらくすると、若い20代の女性が一人で入って来た。同じ定食を頼んで、食べ始めて直ぐに
 「隣の人泣いているよ。」
 そう、NPO法人常勤理事の智子さんが言った。
 見つからないように盗み見をしていると、確かにハンカチを出して顔を拭っていた。よく見ると、瞼は真っ赤で確かに涙を何度も何度も拭いていた。今回の大震災で誰か犠牲になったのだろうか、遠く離れて懐かしい味に触れて思い出す事があり、泣いているのだろうかと思うと切なくなり、私も瞼が濡れて来る気配を感じた。
隣のNPO法人常勤理事の智子さんに見つからないように、おどけて泣いたふりをして本当の涙をぬぐった。

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