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トップハート物語(4622)立志伝敢闘編
18/08/25
2012年(平成24年)3月上旬。
 朝一番で、先日離婚をしたと報告があった新人社員が来た。実家に帰るのに伴って、必要な手続き書類を持って来た。代表者印などを押した後に
 「いいか、決断をする時に誤った決断をしないように熟慮を重ねてな。後から振り返って、あの時こうしたら良かったと後悔しないように。俺は、これまでその時は後悔することがあっても、振り返って後悔した記憶が無い。あの時の決断が今こうしていられる分岐点だったと思う事が多い。経験を積んでこれからの将来に備えるように。」
 「私は、全く働いた事が無く学校を卒業してそのまま結婚したので、何も分からないのです。この会社で初めてのお仕事をするんです。」
 「本当か、お嬢さんだな。」
 「何も分からない、書類一つ分からないので宜しくお願いします。」
 「自分の人生も大事だけれど、子供の教育も間違いのないようにな。幾つだっけ。」
 「今年30になります。」
 30分ほど話をした。
 何も分からないので一生懸命に働き、入社した当初からだが、既に3か月経過しても内外とも評価が高い。
 10時半に社会保険労務士が来た。昨日の、頸椎損傷を抱えている1日に契約したばかりの社員の件だ。1日から働き始めて、5日の月曜日にトライアル雇用契約なので、3か月が原則でその後の雇用は保証しない旨を話しした。
そのうえで、
 「当社は訪問介護事業所なのでケアをしないと収入が無いのでそれが出来なければ、3か月で終わりだと判断して下さい。契約期間中でも退職してもいいし、自分で他の事業所を見つけても結構です。」
 そんな話をした。
 その翌日の朝にメールがあり、会いたいという。内容は、
 「以前の話ししたように、事故で頸椎損傷があり、昨夜子供が転倒するのを支えようとして麻痺が発生しました。」
 そんな感じだった。
 メールの出だしが、異様に感じた。以前も何も、話しを聞いていない。常識でも非常識でも、頸椎損傷を患っていたら介護のどんなサービス事業所も採用しない。それを、以前に言ったといかにも事実のように文面に残すのは異様だ。
それと、彼女の面接段階から異常があるかも知れないと感覚的に感じて、健康診断書を出すように何度も要求していた。半月以上前だ。しかし、出されなかった。今になってそのような事を言い出すとは。
 面接すると、左手が動かず指は握ったままだった。余りの状態に声も出なかった。思考が混乱して正常では無かった。淡々と説明をし始めると、突然、
 「誰にも黙っていて下さい。実は、利用者の援助中にこうなったんです。」 
 「何が黙っていて呉れだ。俺にも管理者にもメールで子供の転倒を支えてこうなった、とメールして来たろう。」
 「会社に迷惑を掛けても悪いと思って。」
 「何を言っているんだ。そのあと、要介護5の利用者を2名担当しているだろう。」
 「その時は雑巾も絞れたり、大丈夫だったんです。」
 「帰りのバイクは片手では無理だろう。」
 「私は片手でも運転出来るんです。」
 「それで、これからはどうするんだ。それじゃ、障害が残るぞ。」
 「事務関係は出来ます。片手でもパソコンは出来ますから。」
 「何を言っている。頸椎損傷の人間を通勤させて仕事をせる訳に行かないだろう。無理だ。診断書を持って来てくれ。それが無いと何も前に進まない。」
 「今日CT検査の結果が出るので、夜にファックスします。」
 そうなっていたのだが、FAXは来ない。
 社会保険労務士にその報告をした。
 結論は、診断書を貰ってからと本人が何を求めているのか分からないので、それが有ったらという事になった。他の介護の者が来たが、
「子供が階段から落ちそうになったので下で受け止めて、そのような症状が出て来たとしか聞いていない。」
と言う。
社会保険労務士からも、
「本当に治療は受けているんですか。」
と聞かれたが、それは私も提出物が何も出ていないので、確認しようが無い。
確かに、麻痺したという手側は釣っている訳でもなく包帯すら見えないし、保険をどうしたのかと聞かれても彼女も言って来ないので何も分からない。労災も健康保険も本人が申請する行為なので、当社は今のところ静観しか方法が無い。
当社が指示をすると、また何か不利益があるかも知れないのだ。
 外出後、スーパー銭湯に行った。その間、メールが数本着ていた。その中には、大阪市の新規事業所の管理者からのものがあった。新規依頼が2ケース来て居るという。これで、今月に入って7ケースになった。
毎日1ケースずつ依頼が来ている計算になる。立ち上げは順調にスタートしたようだ。人員配置を考え始めている。主力となる人員を昨日面接した施設から戻って来る介護福祉士と新たにケアマネジャーを取得した意欲のある彼女を。

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