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トップハート物語(4619)立志伝敢闘編
18/08/24
2012年(平成24年)3月初旬。
 まずは怒の話しから。
 部屋で昼食を摂っていると、メールが入った。今月1日からトライアル雇用で入社した奴だ。高校時代に、卒業時には出産したいと言って本当に卒業後2カ月後には出産したという。
しかし、結婚生活はうまく行かずに出産直後から夫婦のトラブルが絶えず破たんしたという。それからの人生は不明だが、縁あって採用の運びとなった。まだ、20代前半だという。
その彼女から、「1時間後に会いたい。」
とあったが予定が入っているので断った。
ところが、今度はメールで驚愕な事を報告して来た。
 「以前お話ししていましたが、頸椎損傷があり昨夜子供が転倒しそうになった時に支えて、・・・・・」
 と、続くのだが、手が動かなくなったというのだ。
 最初からおかしいと思ったのが、以前の話ししていた頸椎損傷があったという事。全くその言葉は聞いていない。もし、本当にその言葉を聞いていたら、介護の仕事は出来ないし危険な事なので採用などしない。
ただ、面談時の話しに不審な点があったので、何度か健康問題を問い質した。その時に、気管支が異常に細い、婦人病がある等の話しは聞いた。しかし、それでも、不審なので診断書を提出するように指示した。
ところが、指示して数週間過ぎても出されていない。面接から採用までひと月近く掛けた。
 これまで新人採用で、健康診断書を出すように言った事は無かった。しかし、彼女だけは出すように言ったのだ。彼女の意欲や能力を買ったのだ。それでも、メールの最初から言ってもいない事を突き付けて来るのは何か目的があるからだ。それを受けて、2時からの時間を空けた。直ぐに社会保険労務士に連絡した。相談した。
 「相手の出方が分からないので、それを確認してから対応を考えましょう。」
 1時から、新入社員の面接をした。
元々当社の人間だが、施設に出していた。それを、呼び戻す格好になった。25歳から6年も在籍していたので、技術的に物凄い成長を遂げた。その為に、今日は4月から勤務する待遇を提示して納得して貰うことになっていた。
源泉徴収票を出して貰ってその年収を上回る金額を提示した。週休2日制、労働時間31日基準で176時間のシフト勤務制。彼女が入って来るお陰で、NPOが新たに大阪市に設置した事務所の業務がうまく回転する。
これまで、何もしない70歳爺さん社員から、入れ替わるように今月で退職させる。その差額10万円増える。しかし、彼女はケアにフル回転できるので想定で月50万円の業務に携わってくれるとしたらその差額は月額40万円のプラスになる。
 その彼女との話が弾んで予定より1時間オーバーした。3時に新人の彼女と面接した。入って来た新人の彼女の左腕は動かない。異様な感じだったので、
 「どんな具合だ。」 
 「こんな感じで、全く動きません。感覚もありません。」
 右手で左手の指を開こうとしても全く動かない。
 声も出なかった。経緯を問い質した。そうすると、
 「内緒にして下さい。じつは、ケア中になったんです。」
 「何が内緒だ。お前は、俺にも介護管理者にも自宅で昨夜子供の転倒を防ぐために取った体制で転倒してと言ったろう。どうして急にそんな事を言い出すんだ。誰のケア中だ。」
 「Yさんです。転倒を防ぐ体制で異常を感じたのですが、その時はまだ雑巾を絞れたので、次のKさんとYgさんを援助して戻りました。」
 「片手では運転出来ないだろう。」
 「私は片手でも運転出来るんです。夜になったら、段々と動かなくなってきて。今日病院に行ってみて貰ってCTを撮ってここに来ました。」
 「それに、俺は頸椎損傷などと聞いていないぞ。」
 「いや、バイク事故で頸椎損傷をしてその為に薬を飲んで居ると言ったと思います。」
 「いいか、事故を引き起こしたとは聞いた。薬も聞いた。しかし、その薬の内容を言わないので、診断書を出すように言った。それが、いまだに出ていない。そのうえ、どうしてケア中に遭ったのならそれを報告しないんだ。最初は自宅でと言って置きながら、急に実はケア中にというのは何故だ。それで、どうするというんだ。」
 「社員の方の親なので言えなかったんです。自分が悪いのは承知しています。出来れば、事務だけでもさせて貰いたいのですが。」



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