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トップハート物語(4604)立志伝敢闘編
18/08/16
2012年(平成24年)2月下旬。
 朝起きて、最終の日を迎えた主任ケアマネ会場に向かった。いつもの通り、開始30分前に入室した。最終グループは11班だった。毎回異なり、前回は1班だった。席に既に男性が座っていた。
あの男だ。毒蝮三太夫とそっくりな男で、いつもグループのリーダー的なスタンスで発表などをしていた奴だ。瞑想して、挨拶しても返事をしない。こっちだって型どおりに仕方が無く挨拶しただけだ。何を気取っているんだと思って座り掛けると、挨拶を返して来た。アホか。
 等と何と無く嫌な気持ちになって席に座る。いつもの通り、グループ席の一番端で全体を見通せる位置に座った。暫くすると、今度は比較的若い楽しそうな今風の長い髪の毛を僅かに染めている女性が来た。
同じグループだが、沢山空いている席に座らず私の目の前の席に座った。前回もそうだったが、どうして人の目の前じゃなくても空いている席が沢山あるのにそこに座らず、わざわざ私の前の席に座るのか。
私は、本当は人と顔を合わせない処が一番いい。気が重くなった。話しをする事が苦手なので、本当に一人でいるのが一番なのだ。
 次に来たのが、何とまた同じグループになった方だ。何しろ、6人から8人のグループが毎回変わる。同じグループになるのが稀なのに、いつも変わらず居るような、運命の女性だ。
最初から隣に座り、ずっと同じグループに居る気がする。40代の痩身な、大勢の中に居ても一際目立つ方だった。しっかりした気持ちを持って割り切った考えと情が深いプランを建てる方だった。
「また同じになったね。」
と挨拶を交わす。
ここ数回、きりりとした顔立ちが一層際立っている。向かい側に座った女性とは好対照な感じがした。
 今日最終日のカリキュラムはグループワークで事例検討だったが、あまり真剣に取り組んで居なかった。勿論、他のメンバーはカンカンガクガクでいい雰囲気だった。私はいつもの通り意見を求められれば私なりの意見を言うのだが、それ以外は言わない。
ただ言い出すと、長くなりくどくなる傾向にあるので、余り言わないように言わせないようにと願っていた。
 あれほど、会場に向かうのが嫌な気持ちになっていたのだが、何とここ数回皆さんの優しい気持ちが伝わって来て、段々と楽しくなって来たのだ。私の孤児根性を癒してくれる雰囲気が出来ていた。
自己紹介の時に、私の目の前の若い女性が遠くから来て居たのが分かったのだが、その住所が私が懇意にしていた奴の近くだと知った。ケアマネジャーでも担当して奴の事業所に依頼していたり、奴は勿論親も当社に所属していた時期があった。家族ぐるみで付き合い、奴の結婚式では主賓として挨拶した経緯がある。
 そんな事を思い出して、その事業所を
「知っていますか。」
と聞くと
「隣です。」
と言う。意外な関係が生まれて、色々と話しをしてまたこれが楽しいひと時だった。研修以外のことで話しが出来る事が私の願いだった。休みに入ると、他のメンバーが
 「先日の人権の授業で、この大阪の人権問題に発言をしたのは佐藤さんじゃないですか。」
 と、唐突に言った。
 返事が出来なかった。どうやらそれだけで目立っているようだが、変人で目立っていては本意ではないと思ったし、そんな事もう終わった事だしと思っていると、あのいつも同じグループになっていた彼女が
 「そうですよ、佐藤さんです。」
 と、言う。
 それに対して、最初口火を切った彼女が
 「あれだけ言うのは立派だと思います。私たちは全国民同じだと思っていました。人権教育がどこでもやっていると思っていました。」


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