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トップハート物語(4005)立志伝敢闘編
18/03/11
2011年(平成23年)7月中旬。
 雨模様だった。今日は6時過ぎから全身性障害者の彼女と私の合同誕生会。毎年行っているのだが、今年は数多くのしかも初めての参加者が多く13名を数えていた。その準備は甚だ質素で、彼女が欲しい物を準備するだけだ。
いつも大体同じで、食料品が多い。それに、好き嫌いが激しく肉は駄目、甘いものは駄目など多くの制限があり、逆に焼き鳥はカンズメで塩味など数多くの制限がある。しかし、もう5年以上続いているので大体の感じは分かる。
いつも援助に行っている嘘つきせんと君がお気に入りで、彼がそのような準備の担当だ。
 彼は、会社の業務に堪え切れずに退職をして貰った。しかし、彼の登山部の経験を生かす事がここでは出来たのだ。
彼女は全身性障害だが、手は動く。住まいはエレベータの無い団地の5階だ。上り下りは、背負って行う。その背負い方が、彼が一番安心だというのだ。
 「他の人は痛くて我慢しています。背中の曲がり具合が、嘘つきせんと君が一番です。」
 そう言う訳で、彼の首は彼女の外出専門となり繋がった。
登録ヘルパーとして名を残したのだ。その移動介護だけで彼は月7万円以上の収入を上げる。そのほかの利用者への援助は厳しいので、特化している。その彼が準備したものに加えて、何かを買おうとNPO法人常勤理事の智子さんと一緒にCSへ行った。
記憶を呼び起こして食べた物食べない物を判断しながら、ゼリー各種・甘くないポテトチップなどの菓子を買い事務所に戻った。
 午前中、何やら相談があると新人ケアマネジャーの宏美さんが言って来た。話しを聞くと、
 「利用者が複雑骨折で入院しました。その原因は、デイサービスで送迎の際、ベットに降ろす際に床下に落としてしまった事によります。しかし、以前のサービス担当者会議の記録を見ると、スロープをレンタルしているのですがその旨デイサービスの担当者に言っていない事が判明しました。私の責任が問われると思って、ちょっと気にしています。」
 そんな感じで、話しがされた。
 「スロープは、段差解消の為に借りたものだろう。利用者の外出時に、玄関の段差を越えて利用者を乗せたまま車いすで移動できないので、借りたんじゃなかったか。外に車いすを置いておき利用者を支えて段差越えをしたくても、一人では支えきれずに出来なかった。ボランティアで、その時だけもう一人派遣していた。その解消の為だし、デイサービス職員がおぶってベットまで運んで部屋の仲間で入っているのだから、段差解消のスロープとは何の関係もない。複雑骨折は、そのデイサービス職員のミスによるものだからその点をデイサービスの方に連絡して置くようにしないと。その後の問題は、今日の診断書だけではなく後日医師の意見を聞きながら進めた方がいいんじゃないか。」
 「それを聞いて、ホッとしました。訪問看護もデイサービスも、訪問介護もみんな入院した方がいいと言っていましたので、入院の連絡をするとデイサービスや訪問介護も訪問看護も『良かった』と言っていました。普通なら、利用者が居なくなったので収益が減る訳ですから、そんな利用者初めてです。」
一息ついて
 「もう一つあります。掃除の時に、利用者の息子が自分の歯ブラシを使ったと因縁をつけた事件を報告しましたよね。その後も、犬を飼っているのでノミをヘルパーさんが持ち帰って、家族中問題になった利用者がいました。それも、息子から電話があり、他に替えてくれと言って来たので悪いけれど懇意にしている事業所を紹介しました。」
 等と、報告があった。
 ヘルパーの給与計算などをしながら、時が来るのを待った。夕方6時頃に部屋を出て、彼女が住んでいる団地に向かった。6時に団地前到着したが、誰も居なかった。なんと、みんな彼女の家に行ってしまっているようだった。
暫く待って、数人が遅れて来て部屋に入った。1時間13人が入っていたが、いやに静かだった。顔を合わせる人が初めての人が多く、日頃も話題が豊富な人が多い訳ではなかった。
だから、質素な宴席となった。単発で、あれこれと話題が提供されるのだが、それも続かない。ただ、じっと黙っている時間が多くて難儀した。
 いつもだったら、ゲームをしようとしたりするのだが、何しろ人数が多くてゲームどころではない。それに、みんなはこの後の懇親会があるので食べ物は何も無い。暗い空白の1時間を過ごす頃に、彼女はタバコが我慢できなくて
 「皆さん、食事をして来たんですか?」
 と、問いかけがあったので、丁度いいタイミングなので
 「これからです。」
 「それじゃ、このくらいで皆さん本当にありがとうございます。」
 そう言って、お開きになった。
 近くの本格的な中華料理店で一人5000円のコース料理を頼んでいた。しかし、料理と反比例するように、みんな初めて顔を合わす者が多く盛り上がりに欠ける宴会となった。

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