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- トップハート物語(3998)立志伝敢闘編
- 18/03/07
- 2011年(平成23年)7月上旬。
そういえば、昼間社員から電話があり
「ハローワークの募集を見て、電話を掛けて来た方が居ます。どのように返事したらいいでしょうか。」
そう言って、名前と年齢住所などを言った。
何と、以前、その議員を介して面接をした男性だった。その時には、福祉用具レンタル会社の社員だったのだが、定年退職をするので次の職場を探していた。
驚いた事に、仕事の内容を聞くと営業を数カ月しただけで内勤に移動して長期間勤務していた。
「レンタル事業を任せたらどの程度の営業が出来るか。」
と、聞くと、
「毎月10ケ-スは確保出来る。」
と言っていた。
そんなバカな事はない。営業方法を聞くと何も秘訣は無い。
「完全歩合制だったら採用する。」
と言うと、
「その方がやりがいがある。」
と言うので、
「次の面談時に契約書を作るので連絡をくれ。」
と言ったが、数年来ていない。
そんな男が、どうして。当社の事をしならないのか。その面談時に同席したNPO法人常勤理事の智子さんに話をした。
「俺はその時に名刺を渡したよね。」
「渡したけれど、どの名前だったか。」
訪問介護やレンタル、居宅介護など名前が異なるので、同じ会社だと分からなかったかもしれない。その電話を受けた社員に、
「ハローワークを通して応募して下さい、と言って下さい。」
そう言った。
暫く仕事をしていると、NPO法人常勤理事の智子さんが
「えっ!!」
と、掛かって来たメールを見て声を出した。
「どうした。」
「本当は黙っていないと行けないのですが。」
そう言って、メールを見せてくれたが、最近メールを読むのに目が厳しい。
「佐藤さんの誕生祝いと創立10周年のお祝いを企画しているという事です。その日にちが23日。会費〇〇〇円。」
「何をそんな事を考えているんだ。それに、会費が高過ぎる。それは駄目だ。みんなの負担が大き過ぎるし、俺は出ないよ。23日は埼玉に帰る。お断りする。そんな事でお金を使っちゃ駄目だ。」
そう言って、断る事を話した。
「少し高過ぎますよね。私もそう思います。」
傍に居る彼女だから、そうはっきり言ってくれる。
嬉しいが、それほど嬉しくない。
「誕生日は生きていればだれでも来る。創立何周年かは、続けていれば必ず来る。それほど祝いたいと思わないし、10周年記念はその人達には関係ないだろう。対象者は、先日の研修旅行で祝ったから終わった筈だ。」
そう言って、冷めた返事をした。
「これから、参加者を募るそうです。」
「そんな事をしなくても良いから。」
「明日朝、企画した代表が時間を貰おうとこの部屋に来ます。」
そんな事を言われても、受ける訳に行かない。
社員に負担掛けてまで、そんな気持ちを受けられない。いや、気持ちだけでいいと思っている。
もう、10周年記念の時期は過ぎた。先月に行う筈だったのもが、一部の反対で潰えてしまった。
その浮いたお金で、一生懸命に節税対策をした。その金額が、幾らだか分らなかったのだが、時間が空いたので計算した。なんと、その金額は、5月には900万円程度だったのだが、6月決算期には3300万円を超えていた。
信じられない金額だが、その金額が将来の為に使われたのだ。
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