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トップハート物語(3889)立志伝敢闘編
17/12/13
2011年(平成23年)4月下旬。
 最初の20分位は、大人しく我儘な話を聞いていたが段々と腹が立って来た。何度も同じことを説明している。特別養護老人ホームは待機者が多く現実的ではないので、老人保健施設にお願いした。
ところが親族の面談が必要であるが、対応する親族が居ない。夫は寝たきりで有り、全く動けない状態だ。自宅に戻って来た時には、まだ動けたのだがベット上で動こうとしない。既に3か月になる。
色んなサービスを準備して、プランを話し合った。自分からこれしたいあれしたいと言うので、それに沿ったサービスを考えたが、全く動こうとしない。
 「車で連れて行ってくれ。佐藤さんも一緒に行って推薦して下さい。」
 「それはお断りします。何度も言っているように、緊急時に対応出来る人、利用料が支払えなくなったら代わりに払ってくれる人などの親族が面談されます。その方は誰ですか。」
 「佐藤さんになって貰って。」
 「だから、何度も言っているように私はそう申し出ていますが、親族じゃないと駄目ですと言われているんです。」
 「息子は全く電話に出てくれない。娘は遠くで来られない。佐藤さんに保証人になって貰う外ない。」
 「それは無理ですよ。何度も言っています。私はあなたの親族でも家族でもありません。ですから無理なんです。」
 「息子は薄情だ。親がこんな風に困っているに、何度電話しても出てくれない。」 
 「良いですか、息子さんを小さい頃から虐待して追い出したのは自分ですよ。苦労してやっと生活を掴んだのに、どうしてそんな親の犠牲に成らないと行けないですか。子供はいつまでも小さいままじゃありません。段々と大きくなって、親は段々と年老いて行きます。力で抑えるのは無理なんです。どういった育て方をしたか、それが今跳ね返って来ています。私は、何度も隣の県に住んでいる息子さんと会って話をしています。息子さんの事は諦めて下さい。」
 そう言っても、理解しようとしない。
 いつも話をはぐらかせて、
 「とにかく妻がうるさくて眠れないので、一月でも2週間でもどこかに入れてくれませんか。」
 「それが認知症という病気なんです。自分が面倒を見るから、家に連れて来てくれと言ったんですよ。煩いからと言って、薬をやっと調合して貰って合う薬を飲んで居たのに、人形みたに大人しいのは嫌だと言って止めさせたのは、自分ですよ。今度は元に戻してくれと言っても、誰も相手にしません。もう多くの医師が、担当する事を拒んで居ます。折角親身になって考えてくれているのに、勝手に他の病院に連れて行ったり、申し込んだり。誰がそんな人の主治医をしますか。前の先生も、断って来たから探して替えたんですよ。」
 段々と声が大きくなって来たのが、自分でも分かる。
 「足が動かなくなったので、マッサージに連れて行ってくれ。」
 「保険が効かないかもしれないから、確認してから行きましょう。」
 「3年前に行った時には、保険が利いて500円位だった。」
 「今は厳しい時代なので、医師の指示所か診断書が無いと駄目ですよ。」
 「保険が利いていたから、大丈夫だと思うので連れ行ってくれ。」
 何度説明しても、同じ言葉を繰り返す。
 「分かりました、それでは介護タクシーで連れて行って貰いますか。」
 「電話してくれませんか。」
 「何で私が電話するんですか、自分が申し込んで下さい。電話も掛けられますし、以前掛かっていたならその話をして下さい。」
 その言葉を無視して、電話帳を探し出した。
 忙しいからあとからにしてくれと言っても、止めずに探し続ける。それに掛けて、私に電話を渡して話しをさせようとしているのだ。こんな事が続いている。自分では絶対に何も言わない。
いつも勝手に電話を掛けて、ヘルパーさんや看護師さんに渡して話しをさせる。しかし、私はそんな電話は絶対に出ない。
 「それでは、一時デイサービスの宿泊を利用しますか。一度行っているから大丈夫だと思います。」
 そう言うと、喜んで同意した。
 「本来は、お父さんが入所する必要があるんですよ。奥さんは、ヘルパーさんが入れれば自宅で生活出来ます。それを、邪魔だとか言って自分はベットから一度も下りずに、上げ善据え膳で、マッサージなどしても自分で歩く練習をする気が無ければ、何も出来ません。ベット上で脚を動かす事も出来る筈ですよ。」
 そう言うと、慌てて
 「私はこの家を守る義務があるから、ここから出る訳に行かない。死ぬまでここに居る必要がある。」
 そう言って、何度も何度も入所を拒否する言葉を吐いた。
 借家だし、子供はみんな寄りつかず、妻もついに追い出そうとする。守るものは何も無い筈だ。

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