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トップハート物語(3886)立志伝敢闘編
17/12/11
2011年(平成23年)4月下旬。
 比較的穏やかに過ぎた日だったが、夜になってどうにもできないもどかしさに、困惑感が頭一杯になった。
 昨夜、携帯電話を変更するので約束していたヘルパーさん。その約束を、1時間前まで覚えていたのに、NPO法人常勤理事の智子さんの誕生会ですっかり忘れてしまったのだ。約束の6時に、今から事務所に向かうとの連絡をホテルで受けて、すっかり忘れていた事を謝罪した。
そして、代わりに今日の9時半頃に約束をした。ところが、そのヘルパーさんが来た時にはまたすっかり忘れていた。それでも、事務所に居たので問題が起こらなかった。彼女は、私がこの地域で介護を始めた時からのヘルパーさんで、苦境の時に助けてくれた。
当社訪問介護員養成講座第1期生の卒業生だった。
 家族との問題で、外に出る事で何かと有益だったのだが、それをみて姑が同じ講座を受けて資格を取得するや、そのお嫁さんを家に閉じ込めて自分が外に出るようになった。苦難の11年を私と違った形で過ごした。
何度か常勤や社員との話をしたが、家族の特に姑との軋轢で実現しなかった。その話をする時には、泣き出した事が度々だった。
 携帯電話を交換したのだが、本体に内蔵されているデータを移し替えるのにソフトバンクの店に行った。しかし、充電器が異なるということで立て替えて支払い購入して貰った。最初来た時に、先日届いた津軽から取り寄せたリンゴを家族4人に二個ずつ計8個を渡した。
 「最初来た時に食べたらすごく美味しくて、他の方も本物の味に感激していた。しかし、そのまま事務所に箱ごと置いて東京へOB会に行った。24時間置いて、戻って来て食べたら味が完全に落ちていた。NPO法人常勤理事の智子さんが食べて、期待ほどではないと言っていた。」
 そう言って、持って行って貰った。
 戻って来た彼女は、
 「子供に食べさせたら、凄く美味しいと驚いていました。」
 「本当に、悪くなったモノを申し訳ないと思って。」 
 「子供が、そのもぎたての冷蔵されて運ばれたリンゴを食べたいと言っているので、もし注文する事があったら買い取りますので教えて下さい。」
 「そんなお世話になっている方から、申し訳ない。今度注文したら連絡します。」
 「いつも私の家は、リンゴが好きだから買って来てそのまま置いて食べていた。それがリンゴだと思っていた。」
 「寒い地方のモノだから、冷蔵保存が原則なんですが、もぎたては本当にパリパリ音がして、美味しい。ここら辺で売っているものは、去年あたり収穫して冷蔵保存していたものが出回っている。それが普通だとみんな思っている。本物を一度味わって下さい。」
 そう言ってから、話が始まった。
 2時間話し込んだ。11年という多くの時間を一緒に過ごして来た割には、あんまり時間を取って話す事も無かった11年間。
 「ここは遠いから、十年に一度しか来れない。」
 そんな事を何度も言っていたが、近所で徒歩でも数分。介護事務所には度々見える。
 「介護事務所と目と鼻の先だから、いつでも来て下さい。」
 と、言いながら、また話を始める。
 震災で被害を受けた事や、母親の事。
 「お母さんはいくつなの。」
 無事を確認してから、そう聞いて来た。
 「77歳、古希ですよ。」
 「本当???私の父親とおんなじ。」
 「それじゃ、私と貴女は同じ年くらいですか。」
 「何を言っているの、一回り以上も違うわ。」
 あの当時、まだ30代後半だった彼女ももう40代後半になった。
 「それでも、まだ若いし元気だからこうして落ち着いて仕事が出来るんです。連絡もつかない、被災に遭ったのに交通機関が麻痺していて動かないなどという事だったら、気が気でなかったです。」
 そう言って、心配してくれたお礼を述べた。その被災したことと違っているが、必要な荷物を準備して送る手間は大変だと、自分の夫が中国に長年出張したままでいる事を事例に説明して、
 「奥さんが送って来るのは、何であれ有難いと思わないと。」
 と、いつも余計なモノ、不要なモノを送って来ると嘆いている私を知っているので、たしなめられた。

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