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トップハート物語(3813)立志伝敢闘編
17/11/03
2011年(平成23年)3月29日。
『福島第1原子力発電所の事故に伴い避難した人たちが、放射線量を確認するスクリーニング検査で「異常なし」とする証明書を提示しなければ医療機関で受診できないケースがあることが分かった。避難所に入所する際、スクリーニング検査を事実上義務付けられるケースも。専門家は「非科学的な偏見による過剰反応だ」と指摘している。
 原発から半径20~30キロの自主避難促進区域にある福島県南相馬市原町区から福島市に避難してきた会社員、岡村隆之さん(49)は24日、市内の医療機関で8歳の三女の皮膚炎の治療を断られた。理由はスクリーニングの証明書がないこと。市販薬で何とかしのいだが、岡村さんは「ただでさえ不安な避難生活。診察を断られたことが、どれだけショックだったか」と話す。
 福島県は13日、県内13カ所でスクリーニング検査を始めた。17日からは、その結果を記した県災害対策本部名の証明書も発行している。しかし、本来は個人が自らの放射線量を知って安心するために行われる検査の証明書が、避難してきた人が受け入れてもらうためのお墨付きになっている実態がある。
 南相馬市などから約1300人が避難している福島市の「あづま総合運動公園」の避難所では、17日から入所の際にスクリーニングの証明書提示を求め、証明済みの目印にバッジを付けることになった。避難者が一時帰宅した際には再入場時にも検査を求めており、出入り口には説明文が張り出されている。
 避難所の担当者は「他の避難者から不安がる声が多かったため始めた。疑心を事前に摘み取るために必要だと考えている」と説明する。収容人員の多い他の避難所でも同様にスクリーニング検査を求める所がある。
 証明書の使われ方について、県地域医療課は「県内外の受け入れ施設から『証明書が欲しい』と求められた。避難される方の利益を考えると証明書は出さざるをえなかった。混乱を招いたが、証明書で利益を受ける人の方が多く、現状では発行を続けざるをえない」という。
 だが、南相馬市の中心部にある相双保健所の笹原賢司所長は「これまで8000人以上を検査したが、除染を必要とする基準値を超えた人はいなかった。南相馬が汚染地域のように扱われるのはおかしい」と憤る。震災後、福島県に入った広島大病院高度救命救急センター長の谷川攻一教授(救急医学)は「原発での特殊な作業に従事する人を除けば、現時点で基準値を超える放射線量が出る人がいるはずがない。証明書がなければ必要な医療を受けられないなどというのは言語道断。過剰反応は厳に慎んでほしい」と話している。
 泥まみれのランドセルが、整然と並んでいた。津波に児童や教職員の多くがのみ込まれた宮城県石巻市釜谷の市立大川小学校。周辺からは、子供たちの持ち物や文房具が今も見つかる。発生から2週間が過ぎたが、近くの路上に集められた数々の物言わぬ品の中に、わが子の面影を見いだそうと足を運ぶ親の姿が絶えない。
 数十個のランドセル。キャラクターのイラストが入った手提げかばん。クレヨン。卒業証書を入れる筒。スポーツ大会のトロフィー。28日夕には、「2キロぐらい離れた場所にあった」と、消防団員が鍵盤ハーモニカを列に加えた。
 毎日のように訪れていた飲食店員今野洋昭さん(30)は同日、捜し続けていた長女愛菜ちゃん(6)の遺品をようやく見つけた。来月には、新1年生の背中で弾んでいるはずだった真っ赤なランドセル。「赤いランドセルが届いて、うれしそうだったのに」。わずか1カ月前のまな娘の姿を思い出したのか、表情に影が差した。
 同校3年の長男凜君(9)は行方が分からない。傍らに座り込んだ祖父幸一郎さん(61)が「きょうも孫が見つからなくてね」とつぶやいた。ハゼ釣りをした時、「自分で釣ったのはおいしい」と喜んで天ぷらを頬張った幼い笑顔がよみがえる。「もうハゼを釣ることも食べることもできなくなっちゃった」。
 妻愛子さん(30)と次男晴直ちゃん(3)も亡くした今野さんは凜君を捜し、地震翌日から休まず消防団などが行う捜索活動を手伝っている。「息子だけでなく、なるべく多くの小学生を見つけてあげたい。』

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