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トップハート物語(3811)立志伝敢闘編
17/11/02
2011年(平成23年)3月29日。
 避難所で寒さに、出荷制限で畑に死す人があり。ところが、この私の居る場所は何も変わらない。僅かに、お見舞いの言葉が行き交うだけだった。
 朝から、社員が来る。
 「東京の方はどうでした。」
 と、異口同音に聞く。
 そのたびに、東京や埼玉で見聞きした情景を話す。
 その話に付け加える事は、 
 「国は情報を正確に報道しないが、多分原子力発電所は大変な事になっている。農産物などの出荷制限を市町村単位ではなく、県単位にひと括りになっている。そこにからくりがある。きっと、今に大変な発表があると思う。それも、世界からの圧力に負けて。問題は、日本の国がどうなるかだ。俺が生きているうちは、どうにかこうにか持つと思っていたが。これは、駄目になる。」
 そう言っていた。
 不安を煽っているのではない。準備、特に心の準備を促しているのだ。やっと勤務実績を提出して来た者の給与計算を終えて、隣のSCに行った。休み明けとあって、人は多かった。入金を済ませて、ひと歩きしようと思ったが社員から電話があり戻る。
新人ケアマネジャー宏美さんが来て、困難事例の相談があった。その相談を受けている最中に、その当事者であるもう一つの大東市にある居宅介護支援事業所「エスパル」管理者菊ちゃんから
「行っても良いか。」
という連絡。
 彼女の親族を新人ケアマネジャー宏美さんが担当している。親族とはいえ事業所を別にして、独立して対応しているような姿勢を示しているが、キーパーソンンは親族の彼女になる。
勝手知ったる手続きや制度運営なので、どうしても彼女のお伺いを立てて対応しないと行けない。特に、認知症でトラブル内容が警察や市役所を巻き込んだと成ると、親族などの関係を考慮せずに対応しないと危なくなる。
 特に金銭関係が絡んで来ると、いよいよ怪しくなる。金銭管理をその親族が行っているが、その事に対してピンはねしているのではないかと利用者は疑っている。
 「何で通帳などを本人に返さない。本人が管理にして置けば、問題は無いだろう。いつまでも自分達が持っていると、使っていると疑いは無く成らない。」
 「それでも、使ってしまったり足りなくなったりしたら、私たちが負担しなければ無くなる。」
 「そんな事は無い。後見人でも保証人でもない。その責めは本人が受けて、事業者との契約で行っているサービスについての負担は、当事者同士ですればいい。自分達で勝手に判断して、利用者の所有物、特に金銭関係を利用者の同意も得ないで管理しているのは問題だ。」
 私の何度も言う説得に、ある程度納得はしたが、彼女の性格上難しいかもしれない。
 再び外に出る。複数の市に届ける予定の書類を、郵送に切り替えた。ワザと遠くの郵便局に行って、歩数を稼いだ。コンビニで支払いをして、再び事務所に戻った。
平時の仕事をしながらも、思うは仙台やその周辺で行方不明になった人たちだ。被害に遭ったと思われる人達を、行方不明検索をして情報を収集する。変わりの無い情報だ。
 午後に、本社新人の70歳社員が訪問して来た。これから採用する、働きながら学び介護福祉士養成校に通って資格を取得する制度を運用するための手続きを話し合った。
彼は、一流企業で長い間事務職を中心として役員まで勤め上げた立派な意識と知識を持った社員で、頼りにしている。
 「もう少し、私もケアに入って行こうと思っています。」 
 「その必要はありません。今のままで結構です。貴方には、もっとして貰いたい事があるんです。例えば、研修を担当して貰って居ますが、受講生が居て始めて研修が成り立ちます。その募集をどうしたら集まるのかを企画立案と試行をお願いしたいのです。」
 そう言って、特命を与えた。
 それが終わってから、事務所を出てレンタル事業所に買って来た東京のお土産と書類を届けた。百貨店のいつもの珈琲店に行って、しばしこの時間を噛みしめた。

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