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トップハート物語(3783)立志伝敢闘編
17/10/17
2011年(平成23年)3月21日。
『東京電力福島第1原発の事故の影響で、福島県は県内全域の農家に牛の原乳と露地物野菜の出荷を自粛するよう要請した。一夜明けた21日には、露地物野菜の自粛対象を一部撤回するなど行政と農業関係者の間で混乱した。
 「背筋が凍った」。20日午後9時ごろ、佐藤雄平知事からの要請を受け入れた県農協中央会の庄条徳一会長は衝撃の大きさをこう表現した。形こそ要請だったが、命令に近い強い意志が感じられたという。
 中央会は深夜までに県内全17農協の組合長、経営管理委員会会長に連絡。各地の直売所には農協職員が21日朝から出向き、露地物野菜を扱う農家への説明に追われた。
 須賀川市吉美根の専業農家の女性(50)に、すかがわ岩瀬農協からメールで連絡があったのは早朝、露地物のホウレンソウ1000束を出荷しようとする矢先だった。
 「被災地ではものが足りないというのに廃棄処分しなければならない。原発への怒りでいっぱいだ」とやりきれない様子。さらに心配なのは「岩瀬キュウリ」の名で知られ、全国有数の出荷量を誇る主力の露地物キュウリへの影響だ。「出荷は夏だが、影響が出たら生活できない」と不安がる。
 原発から100キロ前後離れた会津地方は雪解け前で露地物の出荷はほとんどないが、酪農家が窮地に追い込まれている。
 喜多方市上三宮の沢田喜実さん(71)は原乳の出荷停止で、収入が激減するのは確実となった。「牛は生き物だから餌や搾乳が毎日必要なのに、どうすればいいのか。自分の不注意なら仕方ないが、これでは納得がいかない」と憤る。
 県農協中央会は22日、緊急組合長・経営管理委員会会長会議を開き、今後の対応を検討する。長島俊一常務理事は「避難指示区域内で農地に入れない農家が大勢いる。風評被害も心配だ。福島の農業を守るため、東電にはきちんと損害賠償してもらう」と話す。
◎福島の露地物出荷/全般自粛県が解除、部分撤回に混乱
 福島県は21日夜、県内全域の農家に要請していた露地物野菜全般の出荷自粛を解除し、ホウレンソウとカキナ、牛の原乳は出荷を制限するよう市町村と農業団体に連絡した。
 政府の原子力災害対策本部が同日、県に指示した出荷制限の範囲がホウレンソウとカキナ、牛の原乳だったのを受けての変更という。
 前日の自粛要請を1日後に部分撤回したことについて、県農産物安全流通課の小桧山均課長は「県としては20日、やむを得ず、露地野菜すべての出荷自粛を選択したが、国の指示を受けて対象を変えた」と釈明した。ホウレンソウとカキナを除く露地物野菜に対する県としての「安全宣言」については言及しなかった。
 生産者と消費者に混乱を招く県の対応について、県内の農協幹部は「県は撤回した部分についての安全性のお墨付きを出す必要がある。各農家に伝える時間がないので、22日は出荷自粛を継続するしかない」と話した。
 福島との県境にある宮城県山元町坂元地区は、海岸の約2キロ西側を南北に走る国道6号を越えて津波が押し寄せ、民家などに壊滅的な被害が出た。
 町北部は常磐自動車道が堤防となったのに対し、常磐道が延伸していない町南部の坂元地区は被害が広範囲に及んだ。JR常磐線坂元駅は駅舎を失い、線路がホームの先でひしゃげていた。
 漁業大石梅雄さん(68)は坂元地区内の磯浜漁港で地震に遭った。引き潮の大きさから、沖に出るよりも近くの建物の屋上に逃げようと決めた。
 大石さんは「波は先に相馬の方から、続いて三陸の方からきた。高さは20メートルはあったはず。1隻だけ沖に向かった船は駄目だった」と振り返る。
 坂元地区はほぼ全員が住宅を失い避難所生活を送る。副区長磯部正一さん(69)は「今後この地区に人が残ってくれるのだろうか」と心配する。
 山元町は東日本大震災で350人近くが死亡、約500人が行方不明。
 「三陸の被害ばかり注目されているが、山元もひどい被害だ。見捨てないでくれ」。避難所となっている坂元中で、男性が悲痛な声で訴えた。』

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