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トップハート物語(3766)立志伝敢闘編
17/10/08
2011年(平成23年)3月19日。
 いつも忙しく、動いていて、あれもこれも出来る社員。美し過ぎるヘルパーさんが来た。これまでも、ユニフォームなどの注文を纏めるのは彼女だった。その彼女に、またお願いしようと思って管理者にその旨を伝えたが、忙しい最中、やはり負担が大きいので自分が遣ろうと、パソコンに向かって個人個人の注文票をレイアウトし始めた。
すると、見ているかのように事務所に彼女が来た。
 「忙しいところ、申し訳ない。もし、大変だったら俺がしようか。」
 「もし、進んで居るんだったらお願い出来ますか。」
 「いや、始めたところだ。申し訳ないが、頼んでいい。」
 そう言って、打ち合わせが始まった。
 この時に、初めて分かった事がある。
 「ポロシャツってどんなもの。」
 「簡単に言うと、襟の付いているモノです。」
 「本当か、初めて分かった。」
 「それじゃ、ジャージ上下と、ポロシャツと長いパンツで4点。それに、Tシャツかボタン付きのポロシャツでもいいしエプロンでもいい。靴を頼もうか。」
 「有難うございます。その靴は、かかとを踏んでも小さいかかとがまたあって、かかとを踏んでも靴が脱げないという優れモノです。」
 「そうすると6点で、一人5万円程度。20人として100万円位だな。」
 そう言って、計算をした。
 「何度も言っているが、先輩の自己資金を作って貰う為に先払いして、商品は後からという事になる。だから、悪いが早目に纏めてくれないか。今月中には注文して、来月初めには入金しようと思う。」
 忙しい最中、発破を掛けて申し訳ないが、切にお願いした。
 座っていても、何も出来ない時間が多くなった。パソコンで、地震の犠牲者の名簿や行方不明者の検索をした。知っている名前は犠牲者名簿に無かったが、勿論、まだまだその対象者数から比べれば、発表されているのはほんの僅かだ。
 印鑑証明書を貰う為に法務局を目指して、事務所を出た。車を法務局において、歩いた。春を感じさせるのは僅かに咲いているピンクの花だ。桜でもないし桃でもないし、梅でもない。何だろうかと思って調べるが、何の表示も無い。
近くの由緒正しき歴史のある神社とお寺を詣でた。
 神社では、清々しい気分になって、お寺ではおごそかな気持ちになり精神が引き締められた。修験道場になっているらしくて、そのオーラがあったのか。境内には、私の守り神不動明王が睨んで居た。精神を統一して、心から被災地の方々のこれからの人生に幸あれと念じた。
 戻って来て、ショッピングセンター内の主治医へ定期健康診断に行った。血圧は調子が良い筈なのに、少し難点があった。再度図り直した。少しは改善された数値になった。厳しく、体重制限を指導された。同じ医院に受講生が来ていた。暫く話をしたが、年代は同じくらいで
 「これから、卒業したら東北に行こうかなって。」
 「ボランティアか。」 
 「いや、仕事でもどちらでもいいんですが、ここに居るより復興の仕事があるかなって。私は、元々建設会社に長い事勤めていました。・・・・・」
 少しの時間、その話を聞き名前を呼ばれて私は診察室に消えた。診察が終わって戻って来ると、まだ帰らずに待っていてくれた。
 とにかく、歩かない事には内臓の脂肪が無くならない。その対応の最低限の義務が、1日1万歩だ。クリニックを出て、SC内を歩いた。同行している、NPO常勤理事の智子さんと喫茶室に入った。
この喫茶店には、ラテアート全国大会で優勝したり、常に上位でその顕彰碑が飾られている方が居る。まだ若いのに、凄いと思って通い続けている。ブログに掲載するために
 「いつか一緒に写真を撮りたい。」
 と、NPO法人常勤理事の智子さんに話をしたが、喫茶店に入った時には居なかった。
 ずっと話をしていると、彼女が
 「いつも、帰り際に来る。」
 そう言っていたが、そうだったかなと思っていた。
 「一緒に早く写真を撮って貰わないと、居なくなるよ。」
 そう言われても、初老に入ろうとしている私が、お客さんが沢山居る中で、お願い出来ない。そんな事を言って、暫く休んで席を立った瞬間、どこからともなく、その方が現れた。
唖然としている間に、私たちのトレイを持って下げ、
 「有難うございました。」
 と、ほほ笑んで来た。
 驚いた私は、ただ純情な少年のようにうつむいて名札を見て、彼女だと確かめる他なかった。外に出ても、NPO法人常勤理事の智子さんが
 「言わないと駄目だよ。一緒に写して下さいって。」
 「そう言われても、断られたらどうする。」
 「大丈夫、それにしても、どうしていつも私たちが帰ろうとする時に出て来るんだろう。」
 そう言っていた。

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