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トップハート物語(3670)立志伝敢闘編
17/08/13
2011年(平成23年)2月初旬。
早朝から、5時過ぎに認知症を妻に持つ夫から電話だ。丁度、起きて調理をしている時だったので、キッチンから居間に戻って来た時に気付いた。留守番電話だった。何を言っているのか、昨夜も掛かって来たが発音が悪く聞き取れない。今度の留守番電話は聞きとれた。つまり、
 「妻がデイサービスに行きたくないと言っているので、キャンセルして欲しい。前に行っていたデイサービスに行きたいと言っている。」  
 と、いうものだった。
 いつも、新たな処に行った時には、最初はそのように言い、数日後慣れてしまう。前のデイサービスは、車で1時間掛かる遠くの高齢者専用賃貸住宅に併設されていたデイサービスだ。夫の方は、昨日訪問した時に、
 「押すと看護師さんが来る、ボタンはどこに行ったかな。」
 「ナースコールですか。それは病院に有ったんですよ。ここは自宅だから、ありません。」
 「いや、あった筈だ。押すと、いつでも看護師さんが来てくれた。来て欲しい時には、どうしたらいいんだ。」
 「ここは自宅だから、ヘルパーさんが決まった時間に来ます。その時に言ってくれませんか。」
 「声が出なくて呼べない時や、食事を作って貰っている時にそれを押して呼んで、来てくれた筈だ。」
 「だから、それは病院ですよ。今までずっと病院に入っていたから、勘違いしているんです。ここは自宅ですよ。」
 「病院って、裏の坂の上にある病院ですか。」
 「何を言っているんですか。この裏には、坂は無いでしょう。」
 「裏にある。裏に行くと、坂がある。」
 「良いですか、Uさんが入っていたリハビリテーション病院は、県境の山の上ですよ。戻って来る時に、長い間介護タクシーに乗っていたでしょう。」
 そう言いながら、認知症が進むのではないかと、懸念していた。
 もし、そうなったら、夫婦とも施設に入れないと行けなくなる。
 その訪問時に、部屋に入ると玄関の戸を開けただけで物凄い熱気を感じた。部屋のふすまを開けると、エアコンが2台とも作動していて、直ぐにのどの渇きを感じた。注意をして、水を飲ませてエアコンを調整した。
29度に設定してある。ふすまを開けて隣の部屋のエアコンも回っている。それを、消した。ふすまを締めて、
 「このまま24時間、エアコンを回し続けると何十万円もの電気代が掛かりますよ。喉も乾くし、時には起きて車いすに座っているなどの姿勢を取って下さい。」
 そう言ったが、帰りには、
 「暖房を点けてくれませんか。寒い。」
 布団を掛けて居ながら、足が痛いとか。帰ろうとすると、いつものようにどうでもいい事を聞く。それを何度も繰り返す。新人ケアマネジャー宏美さんに引き継ぎたいのだが、拒否する。
 その夫から、早朝電話があり
「デイサービスを断ってくれ。」
と言う。
早朝訪問しているヘルパーさんに確認して、介護管理者に電話した。
 「もう、連日、早朝から電話を入れられるのは堪えられない。夫に聞いたら、施設でもどこでも入るのは仕方がないと言っていた。これまでと違った返事だ。俺も限界だ。抑えて置く理由がないから、デイサービスを止めようか。」
 「いつも、最初はこのようになるので、もう少し時間を下さい。私が、今日の夜と明日朝6時頃から入りますので、その時対応します。家に居られて、24時間対応では厳し過ぎます。」
 そう言ったので、委ねた。
 その利用者に費やす時間が、頭痛の種になりつつある。
 「主治医が、自分が往診する時間帯に夫婦が居るようにと言っていました。」
 私に言わずに、往診の時間に居た介護管理者に言って行ったようだ。
 その日は、デイサービスを中止して往診に備えないと行けない。
 なんて我儘な医師だ。
 問題が、段々と迫って来ている。追い詰められて、一番最悪な選択をしそうな感じだ。それは、夫婦一緒に住む事が無理になり、別々の生活を送る。
私が想定していた、夫婦の在宅生活は無理になってしまったようだ。

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