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トップハート物語(3665)立志伝敢闘編
17/08/10
2011年(平成23年)1月末日。
 朝一番で、昨年秋まではやる気満々で、その能力を如何なく発揮していたサービス提供責任者の慶子さんが来た。
 「実は、最近遣る気が無くなり、無気力になってしまいました。更年期障害でしょうか。眠れない日が続いて。」
 「どうして、何を考えている。」
 「深夜起きてしまって、そのまま眠れなくなって。不安になって来ているんです。このまま、ずっと働いて行かなければならないのに、やる気が出なくて。自分でもどうしていいか分からない。今は、良くして貰って何の心配も無い生活をさせて貰っています。しかし、いつまでも佐藤さんが居る訳ではなく、いつかは子供を抱えて自分一人で生きて行かないと行けない。それを考えると不安になります。いつかは、佐藤さんが居なくなる。そうしたら、この会社は終わりだし、私たちも自分の力で生きて行かないといけないのに、何にもする気が起こらない。」
 そういえば、最近感じていたのは、昨年冬の頃から、彼女の顔立ちが替わって来た。大変申し訳ないが、おばさん顔に成って来た。顔が膨らんで来た。それを口に出せなかったのは、何かあると思っていたからだ。
その前に、ケアマネジャー試験を受ける筈だったのが、棄権した。それを知ってショックを受けた。次世代を託すと思っていたのだが、それが無くなった。
 何かを話したいと思っていたのは分かっていた。何かにかこつけて、
「お話をする時間が欲しいのですが。」
とか言って来るが、電話で済ませた。
何度か事務所に来たが、誰かいた。そんな時間が、無駄に過ぎていたのだ。相談しに来たが、他の話しに時間が取られてしまって、回答が遅れた。
 夜メールが来たので、返事を短めにまとめてメールした。
 『将来に不安を感じるのではなく、希望を持って、その方向に向かって努力することを惜しまないように頑張って!努力も怠惰も嘘はつかない。どちらを選択するかは、自分自身。対価は勤労で得るもの。正道が一番。為せば成る。』
 と。
 分かったかどうか分からなかったが、
 『有難うございます(涙)
  頑張って行きますので、宜しくお願い致します(涙)
  なんか元気が出て来ました(拳)
  また明日も頑張ります(拳)』
 そんな返事が来た。
 暫く考えていた。私自身、まだまだする事が沢山あり、このクリスマス会から婚活パーティーに掛けて、色んな人達の思いを知った。その大半は、私を遠ざけるようなものだった。 
 関わりたくない人達と化して行く、次世代の社員たち。その意識を替える事は出来ないと実感した。その実感が、私を楽にした。いつ、この会社から足を洗える事が出来るのだろうかと思っていたが、彼女らが私の心情から離れて行く事は、私にとっては良い事だった。
 いよいよ、満を持して、多くの分野を社員それぞれに任せて、本当に遣りたかった行政書士への転換を図れるような気がして来たのだ。
 勿論、経営からはまだ引く事は出来ないが、軸足を移す事は出来る。NPO法人もお局様筆頭サービス提供責任者が遣れそうだし、新たな事務所も出来るかも知れない。色んな構想が、実現しそうな今年だ。
 介護管理者が、朝一番に来た。
 「唇にヘルペスが出来て。かなり疲れています。沢山の新規が入って来て、そのシフトだけでも大変です。」
 「少しくらい休まないと。」
 立ち上げの最初からのメンバーで、介護部門を私から引き継ぎ、そのまま維持して、私のもっとも信頼する一人だ。
その彼女は、絶え間ない勤務に自分を追い込んでいる。つまり、責任を一人で背負っている。誰かに一部でも業務の移管をするように言ったら、
 「自分は必要の無い人間ですか。」
 と、言いかねない管理者だ。
 その彼女が、夜も電話があり、弱音を吐いて来た。私が使っては駄目だと指示した、毒ヘルパーに依頼しないと成り立たなくなるくらい仕事が増えて、
 「私も疲れて調子が悪くなって来ました。」
 そう言って来た。
 他人を使うという事は、大変な事だ。色んな人生に関わって行かないと行けない。色んな性格や思い、立場や健康などに配慮しながら経営を続けるのだ。逃げ出したいのも分かる。自分も逃げ出したい。


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