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トップハート物語(3638)立志伝敢闘編
17/07/26
2011年(平成23年)1月中旬。
市役所に向かっている車の中で、お局様筆頭サービス提供責任者から連絡を受けた。その前に、婚活パーティーに連絡先不明の女性が5名申し込んでいたのだが、確認出来ずに不明扱いにしていた。
電話を受けた、嘘つきせんと君がその氏名などを聞いていなかったのだ。いつもこうだ。本当にどうしようもない人間だ。
誰か分からない受け付けをする。人数確認の段階で、当然、氏名なしの人物は除外していた。ただ、
「代表者として名前だけ聞いていて、5人分振り込む。」
とだけ聞いているという。
 その名前で、5人分の振り込みが確認されたので、婚活パーティー司会兼運営責任者になったお局様筆頭サービス提供責任者にメールで報告したのだ。かなり時間が過ぎてから返事が来たので、てっきりケア中だと思っていた。
それが、暫くしてから電話で
 「申し訳ありません、事故を起こしてしまった。」
 余りの平常心と声だったので、もしかしたら人身事故を起こして通行人などに怪我をさせたのかと、一瞬思った。
 「どうしたんですか?」
 と、恐る恐る聞いた。甲高い声、はきはきしたモノの言い方など、いつもと変わらない。
 「車とぶつかってしまった。出会いがしらで、私の方はバイクです。」
 彼女は普段車だが、時々バイクに乗る。
 「それでどうしたんですか。怪我は。」
 「相手は、怪我は有りません。私は肩の骨を骨折しました。」
 「えっ、それで大丈夫なんですか。」
 肩の骨の骨折というと、重症だ。
 仕事もそうだが、やはり頭をかすめたのは、目前に迫った婚活パーティーだ。その進行から内容まで、ほとんど頼り切りだ。
 「骨折だけれど、入院はしません。断りました。旦那を呼んで、連れて来て貰いました。一旦家に戻って来ています。手を吊ってもいいんだったら、婚活パーティーの司会をさせて貰います。2、3日家で静養します。ケアは駄目ですが、電話で仕事をさせて貰います。」
 私の気持ちを忖度するように、自分の不手際への謝罪と婚活パーティーなどの業務をどうするかを聞かずに済むように、返答があった。
 以前から、年齢を理由に引退を申し出ていたが、その実行は不明確なので、ずっと触れていない。彼女からどうするという結論を聞けていないのだ。しかし、その仕事ぶりには、誰もが不安を持っていた。
外で見かけると、その仕草や顔色などは既に業務に就くような状態ではない、つまり、誰もが疲れをはっきりと知るような様相だと聞いていた。私も一昨年に彼女のガイドヘルパーを見た事があるが、意識の無いような感じで車いすを押していた。
 それからすると、この数日の寒さに厳しい身体的状態が顕著に表れている処で、事故に遭ったのだろうか。一昨年も、自転車と事故を起こしている。その時には、自分が加害者だった報告を受けて、そのまま保険屋さんに連絡した。
ところが、その返事は彼女が加害者で全面的な補償をこちらがする羽目になり、1年間に亘って保険補償額が200万円にも達した。示談金やら休業補償やらを加えてだ。
 今回は、強気の彼女なのだが、事故に関しては
 「出会い頭でぶつかった。」
 と、だけしか言わないので、どうやら彼女の全面的な加害の様だ。
 余りの元気良さに、
 「痛くないの?」
 と、何度か聞いたが、それを遮るようにテンションが高いのか、とめどなく話をしていた。やっと、返事が来た。
 「痛いよ、痛いけれど我慢している。本当に、仕事に穴をあけて、休む事になって、申し訳ありません。」 
 と、また何度も謝罪の言葉があった。
 彼女にしては、その点も弱気になっているようだが、それにしても思ったより元気で、その後の業務の支障も無いようなので安心した。社員にメールで、より一層の安全運転を要請した。

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