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トップハート物語(3578)立志伝敢闘編
17/06/25
2010年(平成22年)12月中旬。
 昨日、連絡するために登録してある電話番号に、久々連絡をした。しかし、音声は
 『この電話番号は、ただいま使われておりません。』
 それでも、心配はしていない。
 当社の大東市にある居宅支援事業所の管理者兼ケアマネジャーの菊ちゃんや本社管理者が交流があるので、携帯電話番号を聞いた。直ぐに分かり、今日訪問する約束をした。
 私と同世代だが、いまから11年前の冬にこの大阪に来た私は、自転車で守口市から大東市へと遠くまで営業に出た。現在の本社がある大東市で、在宅支援センターを開設している病院内に入った。
病院や老人保健施設とは別棟にそこはあった。訪問すると、きっちり応対してくれた。でも、仕事は来ない。再度訪問した。話は聞いてくれた。奇遇にも、東京の同じ地域で一緒の時間帯に過ごした事が分かった。
彼は大学生、私は3か月で辞めたリコーの営業マンとして活動していた、神田界隈だ。渋谷も同じだった。会った事も無いのに、この遠くの地で東京の話が出来るとは思わなかった。聞くところによると、彼は酒で失敗して故郷に戻って来たのだ。私は、バブル崩壊で希望退職に応じてこの地に来た。
 何度かの訪問の時に、今でも覚えている。
 「いま、私がボランティアである利用者の薬取りに行っているが、そんな事も無償でやってくれるかな。」
 「はい、時間が最初か分かればいいですよ。幾らでも時間があるから融通がききます。」
 実際は来なかったが、次訪問した時に初めて仕事を貰った。
月2回の1時間の家事援助だった。それを、きっちりこなして何とか信用を貰ったのだ。その後、言われたのは
 「我々の処に、多くの訪問介護事業所が来る。しかし、表面だけではどんな考えでどんな事をしてくれるのか分からない。それで、色んな事を聞いたり依頼したりして、信用が置けるようであれば依頼した。どこの事業所を選ぶかによって、自分達の評価に繋がる。責任もある。」
 そんな事を聞き、うちは評価されたのかという考えに至った。
信頼を受けてからの依頼は顕著だった。8月に初めて仕事を頂き、10月には病院内にあるビルの一角に当社の事務所が入ったのだ。その口を利いてくれたのは、在宅支援センター管理者の彼だったのだ。
しかし、その口利きをしたので、あらぬ噂を立てられた。私から彼が100万円貰ったというのだ。その噂が理事長の耳に入り、厳しい立場に追い込まれたという。そんな関係から11年が過ぎた訳だ。私は、その間、この大東に有った本社に居るのが嫌になって今の守口に移って来たのだ。それでも、毎年年末には挨拶に訪問した。
 それが途絶えたのは、昨年今頃私は大病で病床にあった。だから、2年ぶりに会う訳だ。当社の勃興期の恩人なのだ。沢山の人に愛されて、育まれたがその最たる人の一人だ。約束の10時少し過ぎに訪問したのは、高齢者専用賃貸住宅だ。
現在でも、役職は会った時から一緒だが、兼任で新たな事業として展開しているこの住宅責任者になった。まだ建って数カ月の住宅だ。入り口は、セキュリティーが行き届き一般者がドアを開ける事が出来ない。インターホンを通じて、開けてくれるのだ。
相変わらずの、いい男である。渡哲也にそっくりな顔立ちだ。
 それから、取り留めも無い話を2時間ほどした。懐かしいあの頃の話を中心に。そして、彼には現在の入居者を巡るトラブルがあり、私にはこの住宅を訪問する理由となった、認知症を妻に持つ夫とのやり取りがあるので、話をした。
 「そのような事があるので、奥さんをここに入所させたい。」
 そう言った。勿論、大歓迎と言われた。
 家賃と食事費で129000円あれば大丈夫だが、介護保険の負担もあるので15万円程度だ。難民の様に、ショートステイを渡り歩き、宿泊付きのデイサービス利用など、夫の要望や我儘を聞いていたら切りが無い。
やっと説得して、理解を貰ったので概ね解決した。今月中に入れられればと思っている。
 最後に、
 「佐藤さんとも、あれから11年か。長いな。」
 「本当にあの時には、お世話になりました。」
 そう言って、心からお礼を申し上げて頭を下げた。
 心地よいひと時を過ごして、外に出た。話をしている最中に、何度か電話を貰ったが、あの認知症を妻に持つ夫から留守番電話が入っていた。
 『ヘルパーさんの事で、話したい事があるのでヘルパーステーションの管理者と一緒に来て下さい。』
 こんな電話は毎日で、何の話も無いのだ。ただ、誰も訪問しないので人に来て欲しいだけだ。行くと、用件を忘れたという。
 レンタル事業所に、入所する妻のレンタル品を引き上げるように連絡した。そうすると、レンタル管理者が夫から言われたことを真に受けて
 『奥さんの事で、どこにも行くところが無いと心配していました。』
 と、メールが来た。
厄介だ。他の事が何も出来ない。

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