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トップハート物語(3557)立志伝敢闘編
17/06/14
2010年(平成22年)12月初旬。
直ぐに腕を組んで、殊更明るさを作るように話し始めた。
 「そこをいつも利用するんですが、あそこは2回くらいですけれど、そこにしますか。」
 と、女性が聞き、白髪の初老の男性が
 「そうですね。」
 と、緊張した言葉で、それも丁寧語で話をしていたのを聞き、NPO法人常勤理事の智子さんと顔を見合わせた。
 私どもの10mくらい前を歩いていて、ホテル街の最後の切れ目のホテルに入る時に、チラっと後ろを振り向いた初老男性、私と目が合ったが礼儀として私が視線を避けた。
そのホテルの看板を見た。1時間1000円とあった。
 「俺は、もう少し高い処を使うよ。」
 そう言って、恥ずかしさをごまかした。
 それに対して、NPO法人常勤理事の智子さんは
 「1時間1000円って。ビジネスホテルって書いてあるよ。」
 「そう書いてあっても、本当にビジネスホテルだったら1時間という事は無いだろう。あれで、女性は1時間1万円位か。」
 「1時間1万円?」
 「よく事務所マンションなんかにポスティングされているのに書いてあるのは、40分18000円とかになっているのは、広告料や運んで来る男性や車などに金が掛かる。それを、個人だったら金が掛からない。特に常連客は、電話代と交通費だけだ。ホテル代はお客さん持ちだから。」
 「どうしてこんなに、ホテルばかりあるんですか。迷惑でしょう。」
 「それは、何でもそうだけれど、必要のある産業が栄えるから仕方が無い。必要のある人と供給する人が居れば成り立つ。古代から売春はある。一番古い産業だと言われている。」
 そんな話をしながら、目的に神社に着いた。
 割合有名な神社で、井原西鶴や落語の有名どころが芸の上達にお参りに来るところで、絵馬に有名な落語家の名前が見える。しかし、境内は狭く、東京などの神社と比べるレベルではない。がっかりして、直ぐに出た。
 近くの黒門市場に向かった。この大阪ではこの街の台所として有名で度々テレビでも放映される。活気が今一つだが、水産物が中心の割には、高い。新鮮なのは分かるが、高い。私が漁港から直送で買い求めるのとは雲泥の差だ。
数百円のものが5倍はしている。歩く楽しみだけと思っていたのだが、不足している豆腐とか玉子とかだけでも買おうと思って、買い始めた。
 厚揚げやがんもどき、豆腐などが大好きな私は、いつも買い始めると壊れてしまう。あれこれと買い求め、豆乳やおでん種まで買う。ついに3000円を超えてしまった。単価が100円前後の買物がこんなになってしまった。
「重いですよ。」
と、幾重にも重ねて袋に入れてくれた。
まだ回ろうと思った処に、お局様筆頭サービス提供責任者から電話だ。
 「先日新規でお願いした利用者が、要介護1で下りて来ました。」
 「えっ、嘘でしょう。要介護ですか。本当にそうですか。」
 「いま、利用者の自宅から掛けて見させて貰っていますが、確かに要介護1です。」
 何と言う事か。
 私が事前に依頼があってアセスメントした時には、自力で歩いているし、偶然スーパーで一緒になったが、ちゃんと小銭を財布から出していたし。会話も問題は無いし、立ち上がりなども問題は無い。
それが、早くヘルパーさんを入れたいという事を言っていたのは、家族だった。調理や洗濯が出来ないという。それにしては、買物を自分でして肉や野菜を買っていた。それは自分で調理しているという事だ。
それを、家族は
「自分たちが運んでいる。」
と言っていた。
それに、部屋は綺麗で何を支援する必要があるのかと思ったが、
「着替えた物まで全てタンスに仕舞って、洗濯はしない。」
と、家族は言う。
 私は、認定調査はしないので、構わないが、家族の勝利か。それでも、カンファレンス時に、予想されるのは最初に聞いた家族の同じ言葉での介護サービスの要求、認定されたのだから仕方が無いか。
 「家族と本人の意向を聞いて、大体のケア希望を聞いて来ました。認定された介護保険証を持って行きたいのですが、何時に戻って来ますか。」
 「遅くなりますが、5時過ぎには戻ります。」
 「それじゃ、その頃介護保険証を持って事務所に行きます。」
 何か話があるから、持参するのだろう。
 そう思って、もう少し歩いて事務所に戻った。
 その話もあったが、クリスマス会の若手の不甲斐ない件と自分が、来年の3月で管理者を退くなどの話をした。いつも言い続けているのだが、実行しない。何も4か月先のことを言う必要もないだろう。誰も、引きとめる者はいないのだから。

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