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トップハート物語(3520)立志伝敢闘編
17/05/26
2010年(平成22年)11月中旬。
再び、若造が私に
 「佐藤さん早く手を上げて発表すると言って下さい。発表するのは佐藤さんなんですよ。」
 と、怒っている口調で言う。私は面倒くさそうに
 「トリで行きます。」
 そう返事すると、呆れ果てた顔になった。
多くのメンバーが、ほとんど何も言わない私が、話しが出来ずに恥をかくのを期待している。その表れで、まとめたものを持つ人も必要で、誰が持つのか決めない。私一人が、それを持ってする羽目にしようと、とにかく恥を掻かせて笑おうという考えが一致している。
私の順番が、近付いて来る。そうすると、隣の高齢ケアマネジャーが
 「私は何もしていないので、私が持っています。」
 そう言ってくれた。
 いよいよ、私の発表だ。
 みんなの失敗の期待を一身に受けて、教室の中央に立った。
 当然、講義慣れしているし、知識もそれなりに有るし、この幼稚なまとめに注釈を加え内容のレベルアップを口頭で図りながら、発表を終えた。まとめの内容は全く見ていないが、見ながら考え纏めて行った。
短時間だったが、終わって席に戻る。
 氷ついたような、いじめに熱心だったメンバーや、司会をした若造。次のテーマに移ると、急に司会の若造が
「済みません、司会を下ります。」
と言い出した。
なめて馬鹿にしていた私のレベルが、自分よりかなり高いと言う事を知ったのか、それとも、一生懸命に私を小馬鹿にしていた事が、恥ずかしくなったのか。次のテーマの司会が居なくなった。
暫く、誰も何も言わない。決まらない。あれほど、色んな事を言って私に恥を搔かせようとして、意地悪メンバーが中心となってこのグループをリードして来たのに、誰も何も言わないのでシーンとしてしまった。
ここで、隣の高齢メンバーが声を上げた。
 「それじゃ、私がしましょうか。」
 当然、私のレベルを知って意気消沈しているので異議は無い。
 多くの業種との連携に関する内容に、なる。やはり発表するものは、幼稚で内容が何もない。会議に顔を出すとか、カンファレンスを開催するとか訳が分からない。再び発表者を決める事になった。
それまでは、交代交代に発表していたのだが、声が出ない。また、発表する順番を求める声が会場に流れる。このグループの誰かが、勝手に声を上げる。私はいつものように声を上げないし、言葉を発しない。しかし、結局、
「お願いします。」
と纏まって居ないものをみんなで私に押し付けて来た。仕方が無く、纏めて、自分の考えを組み入れた。
 「情報を的確に、早く収集して関係のあるサービス事業所に常に流す事によって、信頼関係を築く。また、介護保険法だけでなく各種制度を十分理解して、必要な時に必要な制度を提案し使う事によって、医療を初めとして関係機関の見方が代わり、常に利用者にとって最良な支援体制を構築出来る。」
 などと、勝手に付け加えた。
 あれほど、哄笑していたメンバーが尚も静かになる。 
 最後に差し掛かった。一番幸せと感じる時についての話をする事になる。私は相変わらず、黙って居る。他のメンバーも黙って居る。何かを話さないと、お通夜のようなグループなると案じたのか、今日突然加わった隣の高齢メンバーが、私に
 「幸せと感じる時はどんな時ですか。」
 と、聞く。
 「幸せと言う言葉で、感じた事は無い。ただ、不幸だと辛いだとか嫌だとか思った事が無いので、多分今の生活が全部幸せだと思います。」
 今まで、何とか恥を掻かせようと一生懸命だったメンバーが一転して小ばかにしていた私に色々聞きに入った。
「佐藤さんの言う通りだ。」
とか、
「お酒は飲むんですか。」
とか。
 「私は東京の方から来ています。大阪の焼き鳥は不味い。大阪の奴等は、他を知らないで『大阪が一番だ』とバカげたことを言う。それを、解消するのは言葉ではなく体験だと、毎年社員を何人かずつ東京に連れて行って、色んなもんを食べさせる。そうすると、みんな大阪が一番だと言わなくなった。」
 そう言って、時間となった。
 更新手続きに必要な修了証書を貰って、会場を後にした。
 待ち合わせたNPO法人常勤理事の智子さん車が来ない。
連絡しても、電話に出ない。仕方が無く、歩きだした。かなり、1万歩程度歩いたところで拾ってくれた。
婚活事業所に行っていたという。
 「がっかりだ。まともな人がいない。」
 「まだ、始まったばかりじゃないか。調査だから我慢して。」
 そう言って、喫茶店で休んで色んな話を聞いた。

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