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トップハート物語(3478)立志伝敢闘編
17/05/05
2010年(平成22年)10月下旬。
時計を見ると、もう10時になって居た。急いでいるのは、社員の給与計算関係と養成講座講師の支払いだ。明細書やら社員への檄文を作成する。隣のSC内の銀行に振り込みに行くのだが、ATMの前は凄い行列。
何度か並び直すが、何しろ10月分の講師の支払いだけで23名60万円弱だ。数人振り込みすると後ろが気になって、止める事数回。勿論終わらず、翌日回しにする事にした。
事務所に戻って、再び事務処理をして部屋に昼食の為に戻る。昼食が終わると、再びATMに行ったが同じ状態だった。2時には、職業訓練生の面談があるので、事務所に戻った。
 2期生の面談なのだが、授業の担当を終えて実習時期になったので顔を合わせる時間に随分間が空いた。今は、3期生と4期生を中心に担当している。
 「どう、就職活動は?」
 「はい、今休日などに近くの特養にアルバイトに行っています。その施設でデイサービスをする事になって常勤として来て下さいと言われました。」
 「それじゃ、就職が決まったの?」
 「はい。」 
 「それだったら、もう就職支援はしなくてもいいから、終わりだ。それは良かった。」
 「どう職業訓練は、楽しかった。」
 「本当に楽しくて、11月で終わるなんて本当に残念です。もっと、長く続けたかった。あと半年でいいから、続けたいです。」
 「そうだな、俺もポリテク埼玉で半年学んだけれど、別れが辛かった。もっと続けばいいと思っていた。良かった、みんなが楽しくて。誰も脱落者も無く、卒業できそうだな。あとは、就職する事が大事だ。それを目指して、頑張ってくれればいいけれど。」
 「社長にお願いがあるんです。これから障害者に関わる色んな事業を展開すると聞いているんですが。」
 「障害者だけでなく、自分が出来る事は出来る時まで続けたい。色んな構想があるけれど。」
 「私もしたい。一緒にさせて下さい。」
 「うちの会社に入るという事か。それは無理だ。うちは大変だ。それに堪え得る人間じゃないと。それは、若い事や優しい事、遣る気がある事など幾つかの条件で、私が判断する。」
 「私は、社長の傍でカバン持ちでもいいですから付いて行きたい。色んなものを吸収したいんです。」
 「それはもっと無理だ。俺には、ずっと付いている者が居る。もう10年以上だ。ホームページを見ればわかるよ。それは駄目なので、諦めてくれないか。」
 突然言われたので、驚いた。
 1時間ほど面談して、約束の3時半に間に合うように脳内出血で入院している利用者に会うために総合病院に向かった。
 昨日、入院中の夫がICU室の職員に伝言を頼んで私に連絡が来た。
「妻に来て貰って、金銭的な話をしたい。」
というのだ。
ショート入所中の妻を外出させる手はずを整えて、この時間を設定したのだ。昨日の午後、ICU室から一般病棟に移った。5階と聞いていたのでエレベータでその階に出ると、夫が車いすに乗せられて、入れ替えでエレベータに乗るところだった。レントゲンだという。
暫く待つと、妻が車いすで来た。20分後、懇談室で夫と妻が面談した。妻は認知症だが、最近しっかりして来た。支払いや引き落としなどと、妻の入所の心配する言葉が何度も夫の口から出た。
 子供や親族が預かるのを拒否している、大事な通帳などを私が息子に指示により預かっていたものを持参した。厳重に封をしている封筒を夫婦の目の前で開けて、その処理の指示を受けた。
多くの通帳の打ち込みをまずする事になった。その間、一旦妻名義の通帳を妻に渡して、再びうちこみの為に預かろうとした時に、認知症の妻が
 「返したくない。これは私のだから。」
 「誰に渡したくないの?」
 「お父さんに。」
 と、言った時には、笑うに笑えなかった。
 妻も事務員として30年以上も働きに働いて、得た厚生年金の振り込みを
「一度も見た事が無い。」
と言い出した。
「全部、夫に持って行かれている。」
と。
その場は何とか、しのいだが、後は介護保険などの経費の話しだ。ショートステイなどの介護保険の他に、24時間体制の援助の自費の分がある。その話をすると、
 「不足するなら、定期預金を解約して払ってくれ。」
 と、言う。
そのほか、
 「妻の希望を聞いてあげて下さい。寂しい思いをしないようにしてあげて下さい。お金は、支払いますから。」
 そう言って、私の目を見た。
 妻の入っているショートの話を聞くと、広い部屋にベットがあるだけで、何も無いという。
「暇で、話し相手も居なくて帰るのが嫌だ。」
と言っていた。



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