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トップハート物語(3473)立志伝敢闘編
17/05/02
2010年(平成22年)10月下旬。
その場面を、緊急治療をしている時に病院待合室で妻から聞いた。
 「大きな音がしたので見に行くと、お父さんがトイレで倒れていた。私、外に出て歩いていた若い知らない人に声を掛けて、救急車を呼んで貰った。」
 そうしっかり答えていた。
それまでは、ほとんど会話らしい会話が出来ずに、ただ、唸って居るだけだった。
 夫は、妻が大好きで片時も離れていられなかったのだ。悪い事をしようとしたのではなく、常に妻の為を思って私どもに理解が無いと思っていたのだ。
一途な恋を、貫いていたのだ。私どもが、その間に入れなかったのだ。つまり、信頼を得ていなかったのだ。
 その妻の回復ぶりに喜んでいたのだが、夫も快復が順調に行っているようで、何か心がウキウキして来た。そうこうしていると、家族と軋轢のある長男から電話だ。
今回の入院に際して、色んな書類を書いて貰わないと行けないのだが、関わりを警戒していて署名を拒否した。そのうえ、私に全部一任という事を病院など関係機関に告げて、私が色んな対応をする事になった。
昨日、工務店から介護支援事業所に連絡があり、夫婦が見当たらないのでどこに行っているのかを聞いて来たので、
「個人情報なので教えられない。」
と返事をすると、息子に連絡をしたいという。
その連絡先を聞かれたが、同様の理由で教えなかった。
 その旨、夫の容態の報告を兼ねて息子に連絡をした。
「私の予想では、風呂場の改造をしたので、その集金ではないか。」
と言った。
介護保険を利用できたのだが、その工務店は、私に書類の作成を全部するように要求したので、拒否した。夫に、
 「介護保険が使用出来るが、必要性のある意見書は作成するが申請書類などの一連の行為は工務店がするので、して貰うように。」
 と、言った。
 しかし、何もせずに、自費ですると言って改修してしまった。その費用を、分割で支払うようになって居たようだ。
「その集金ではないかと思う。」
と言った。
しかし、その工務店は、当社の新人ケアマネジャー宏美さんに夫婦の経理もしているとか訳の分からない事を言って、連絡をしたいと言って来た。その話を聞き、一旦は電話をしないと言っていた息子が、
「電話をしたいので連絡先を教えてくれ。」
と言うので教えた。
連絡した結果が来た。やはり、改修費の集金だったという。入院を告げて一旦は終わったようだが、再びその工務店から息子に連絡があり、
 「見舞いに行きたいので入院先を教えてくれと言って来たので、ケアマネジャーが教えてくれないので分からない。知りたかったらケアマネジャーに連絡するように言った。しかし、ケアマネジャーの連絡先を知らないと言っていた。教えなかった。」
 「今まだ、ICUに入っているので来られたら困る。私どもも、お金の話など余計な事はまだ言わない。先生の許可が出てから、ショートステイなどの経費の話をします。私の連絡先を知らない訳が無い。電話で問い合わせが来ているんだから。とにかく、個人情報なので教えません。」
 「相手だって金が必要なのだろうから、親に会うならその件を話してくれ。」
 分かりましたと言ったが、快復に照らしてまだ早いので言わないことを決めた。
 3時に、病院を訪問した。総合病院だが休日なので救急対応の入口から入った。廊下を歩いて行くと、小さな子供さんを抱っこした男性と家族らしい集団とすれ違う。
すれ違うまでのその間、その男性が私に頭を下げたり、ほほ笑んだり。誰か一瞬分からなかった。そうだ、あの当社の受講生で卒業後独立して介護タクシーを営み、その誠実な姿勢で顧客を獲得し信頼を得て現在は3台で営業をしている彼だった。
数年前の受講生当時はちゃんと頭髪があったのに、今はほとんど無くなった。まだ、40代になったばかりだろう。
 3階のICU室に名前を告げて入れて貰った。既に、妻は訪問介護事業所に伴われて来ていた。夫と、初めて車いすに座った状態でしっかりと目を合わせた。じっとして、感情を抑えているようだ。
 「佐藤さんが来たから、何も言えなくなって泣き出しそう。」
 そうヘルパーさんが言った。

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