お知らせ


お知らせ

RSS

一覧に戻る

トップハート物語(3469)立志伝敢闘編
17/04/30
2010年(平成22年)10月下旬。
  「あくまでも、最終日まで就職活動を送ってその結果が思わしくないと判断したらの話ですので、それを期待して何もしないという事は止めてください。その為に、昨日商工組合に行って、商店街の空き店舗を何か優遇で借りられないかと相談に行ってきました。これから、その返事を頂きに行ってきます。」
 そう説明すると、生徒の一人が手を挙げて
 「一緒に商工会議所に行ってもいいですか。」
 「どうしてですか?」
 「商工会議所というところに行った事が無いので、行ってみたいんです。」
 「別にかまいませんが、一人でお願いします。大勢で行くような場所ではありませんので。」
  ところが、暫くして講師控室に戻ると、他の生徒が来て
 「商工会議所に一緒に行って、話を聞かせて貰いませんか。」
 「それはだめです。一人だけにして下さい。相手が迷惑です。ただ、話をするだけですので。見学するような場所ではありませんし、何の足しにもなりませんよ。」
 そう言ったのだが、何度も要求する。
堪り兼ねて、最初に希望した者と調整をするようにと返事をした。結局、後から希望した者を伴って商工会議所に行ったが、約束していた主任指導員が巡回指導に出掛けていたので、準備していた書類を頂いただけだった。
何故、その生徒が同行したかったのか分からなかったが、教室に戻るとまだ10人くらいの生徒が残っていた。その拍手に迎えられて、今日の書類を貰った内容を話した。
 ところが、生徒の中で悪の限りを尽くして精神保健福祉士のカウンセリングを受けてこの福祉に携わりたいと受講した生徒が質問を始めた。自分が、長い間カンセリングを受けた内容に、自分の考えを加えて何かを言いたかったようだが、時間を置かずに話し続けるので、何を言いたいのか分からない。
 その時間は、長きに亘った。私はその質問に、端的に答えて早く終わらせて、空き店舗を利用した、具体的なプランを話したかったのだが、その話に進まない。福祉とは何ぞやみたいな、私が気に入らない話に終始した。
10人程度いた者が、順次席を立って居なくなっても、まだ間断のない話は続く。困ったと思ったが、やっと正業に就けるとの意思を持って、この世界に足を踏み入れようとしている彼の真剣な話に打ち切る分けに行かない。
10時に始まった話は、11時を示し12時になった。
 それでもまだ続く。そろそろ本題になった。
 「それでは、こんな何も出来ない私ですが、やる気だけあると言ったら採用してくれるんですか。」
 これが本心か。この言葉を言いだせなくて、ここまで来たのだ。しかし、言質を取られる訳に行かない。
 「私の会社では、その他に何が出来るのかというものが無いと無理だ。支払う賃金を回収できるような、何かが無いとダメだ。」
 「何もない、結局は、うんこでも食べろと言われたら食べて、その時間を経てから賃金の事を言えという訳ですね。」
 「そんなことは無いけれど、将来において会社を支えるような人材が欲しいという考えです。」
 そんな事を、何度もいい、また、1時間。
 そろそろ我慢できない人たちが、帰り始めた。強面の彼にはだれも口出しが出来ない中、
 「理屈ではなく一生懸命に言われた事を忠実に働いれば、認めてくれるという事だと思います。山本さんのように理屈を言ってばかりでは。」
 その声に、私はもう我慢できずに彼の言葉を遮って言った。
 「私は、福祉などという感覚は無い。そんなことどうでもいい。福祉福祉と言っている人たちは、福祉は特殊な世界にしておいて自分たちを守っているだけだ。福祉だから、ボランティアでやれ、安い給与で我慢しろという訳だ。その実態は、全く違って、箱モノを次々作って資産を増やしている。普通の感覚で、普通の感覚でいいんだ。だから、普通の産業並みの賃金を支払って、普通の感覚で仕事をして貰おうと思ってやっているだけ。何も、福祉福祉を前面に出して居る必要もない。」
 そう言うと、分かりましたというような感じで諦めたような言葉だったが、もうみんなにも続けて話をするような気力は無い。
 三々五々、片づけをして帰り始めた。折角待って居たのに何の収穫も無く、皆に悪い事をした。まだ、話すチャンスはあるかもしれないので、次は他のみんなの話を聞いて進めようと思う。 
 事務所に戻って来て、仕事をして遅かった昼食は3時になってしまった。
夜は、土曜日にはケアマネ更新研修があるので、宿泊先のホテルに向かった。

一覧に戻る


  • ヘルパー講座・セミナー 最新情報
  • ケア事業・サービス 最新情報