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トップハート物語(3461)立志伝敢闘編
17/04/26
2010年(平成22年)10月中旬。
朝はいつものように仕事に没頭して、翌日に控えた大学でのプレゼンテ―ションに備えた。余り時間が無く、また、資料として利用したかった経済産業省のデータは、特殊な大きさの紙でプリントアウトが出来なかった。
仕方がなく、少しは自分で作成して頭の中でまとめた。息抜きに、銀行やコンビニに行って振り込みや支払いをした。事務所に戻ると、昨日新たな事業として検討している婚活パーティーに情報収集で参加したNPO常勤理事の智子さんが電話を掛けて来た。
今日の午後から遠くへ出掛けるので、少し休むように言った。どうやら、参加者のひどいレベルにショックを受けたようだ。気の弱い、優しい心を持っている彼女だから、私で計り知れないものがあるのだろうと、この場面では何も聞かなかった。
 昼になって部屋に戻り、食事をしてから午後の講座に向かった。夕方5時に、入院した夫、認知症の妻の息子との面談があり遠くの隣の奈良県の小さな町にに車で行く事になって居るから、出来るだけ明るいうちに着きたい思いがあった。
今日の講座は、就職支援の地域にある社会保障関係のサービス調査発表会だ。今まで、概ね1チーム20分足らずだから1時間で終わると踏んで1時から始めた。ところが、その内容もさることながら話しの進み具合が遅い。それも極端に。
 途中、誰かの携帯電話が鳴った。暫く鳴り続けて、注意をしようと思った途端、その電話を持って生徒が外に出た。はきはきしている、中心的な生徒だった。注意しようと思ったが、雰囲気を壊してはと我慢した。
他の教室でも、二度目にはきつく叱った。驚いた事に、説明員の声が小さくて聴こえないと思っていると、ザワザワし始めた。そうすると、その携帯電話を鳴らした女性の生徒が、大きな声で
 「折角発表しているのですから、私語は止めて下さい。」
 そう叫んだ。
 私は、
 『何を言っているんだ、携帯電話の音をバイブにするのが礼儀だろう。お前は人に注意する資格なんかあるか』
 と、思ったが、とは言えないので黙認した。
 2時間過ぎて、まだ3班しか終わって居ない。この調子だと、4時を回ってしまう。陽が陰ったら、隣の山深い所在地まで行っても住居表示が分からなくなる。大変なので、事務局に行って私の代わりを頼んで出発する事にした。
高速道路を使って3箇所の料金所で合計1700円を支払った。全部自腹だ。仕事で出掛けた一番遠いのは、福岡の博多だ。次が山口。和歌山や神戸にも出掛けた。当然、東京には常だ。だから、隣の県など問題にならない近くだ。
ただ、道が分からず、県の全体地図とその市の地図を買い求めた。合計4000円だった。
 何とか4時過ぎに着いて、喫茶店で待ち合わせた。用件は、認知症の奥さんのショート利用の契約書と重要事項説明書に署名印鑑を貰う事だ。印鑑を持って来たが、説明の段階でひっこめた。
私と同じ、家族には縁の無い生活を子供の頃から送った。私と同じ、父親に憎しみを持っている。私と同じ、関わりたくないという気持ちがある。それを言って、契約をした事によって、共同責任、つまり
「あらゆる損害や不始末に責任が生まれ、何かあると呼ばれるなどの不利益を受けるのなら拒否をする。」
という。
私は、施設の代理として訪問しているので説得する理由はないのだが、殊更私の気持ちと同じなので、否定は出来ないし説得も出来ない。
 その思いをそのまま受け入れて、他に方策があるのか施設に聞く事になった。その間20分。待ち合わせの喫茶店を後にした。
 帰り道は、高速道路を使わず一般道を使った。約2時間掛かった。来る時が40分だから3倍だ。しかし、その道すがら昨日の婚活パーティの内容をつぶさに聞いた。
 「気持ち悪い人が多く、何も話が出来なかったり、手を握って離さなかったり。ジッと見つめている怖いひと。背の高い人が近寄って来て耳打ちするように顔を近づけて来るんですが、何を言っているのか分からない。直ぐに私の服の間から胸を見ようとしている目線を感じて、肘で押して離れようと一生懸命でした。」 
 そんな、思い出す一人ひとりの言動を聞き、うんざりしていた。
 「もう、そこのブライダルとは縁を切ろう。電話が掛かってきたら、期待できないのでお断りします、とはっきり言いなさい。」
 「昨日も、パーティが終わってから3度。今日も2度掛かって来ました。最初だけ出たんですが、『正式な登録をして頑張りましょう』と言っていました。それ以降は出なかったです。」
 「そんなのに30万以上の登録料を支払うなんて、どんな奴なんだろう。人の弱みに付け込んで、結婚出来ないような心理に追い込むように脅して、なんてやつだろう。とにかく、丁寧に、相手の立場に立って遣るという方針で、今年中には1回やってみたい。いつも使用しているホテルと話をしようと思う。」


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