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トップハート物語(3380)立志伝敢闘編
17/03/13
2010年(平成22年)9月上旬。
 午後から、入院中の利用者を見舞った。主目的は医療ソーシャルワーカーに情報を提供する為に行ったのだ。カンファレンスを求めたが、
 「利用者家族も本人も早期退院を求めているので、わざわざそれまでする必要はないので、情報を頂けたら退院後の対応について助言をさせて貰います。」
 そう言われた。
 家族も、
「打ち合わせして治療内容、いつ退院出来るのかなど聞きたい事が沢山あるのに、医師も相談員も会って暮れない。」
と何度も聞いていた。
しかし、
「家族がものを言わないのに、私が行く訳に行かない。」
と何度も家族の積極的な対応を求めた。
実は、その利用者の家族が複雑で私が入る余地がほとんどないのだ。ケアについても、家族が決めるので口を挟むと大変な事になる。その家族同士の軋轢が問題を起こしている。
3組の家族がそれぞれ勝手な事を言い、勝手に動いているのだ。特に通院関係については、一人の家族が多くの病院に連れて行っているのだが、頻繁に替えて私が把握できないどころか、他の家族も分からない。
服薬も手をつけられないし、交代で泊まっている家族に余計なことは言えない。何をどこの病院でもらっているのかも、不明だ。ひと家族がそれを隠して他の家族も知り得ない。毎週通院時には、家族4人で訪問して通院に連れて行くのだがどうやら買物や食事を勝手に行って利用者に支払いをさせているようだ。
子ども二人も就職をしていなくて、時間が空いているという。何しろ、利用者の預金で最高級のホテルなどを予約して旅行に行ったりしている。
 そのような、ある面で完成された関係の中に私が入る余地は無い。その利用者が、転倒を繰り返すようになり怪我が頻繁に発生。ついに、夜間トイレに行く時に大きな怪我をしてしまって緊急入院。
それからが大変だ。利用者は体の脊髄辺りを痛がって眠れず、一日中大声で騒いている。早く退院させたいと家族は思うのだが、その受け入れ態勢が整わない。つまり、何かと口を出す家族同士が話し合わないのだ。
自宅に戻って来たら、夜間見守りが必要となる。昨夜、無意識にトイレに行くのにベット周り全部を囲っているバーを乗り越えて、病院の廊下で倒れていたという。
 そのように、ポータブルトイレとかおむつとか準備しても強硬に拒否して、
「トイレに行かせて欲しい。」
と泣き叫ぶという。
それをすると、転倒する恐れがあるから、
「どうするか家族がいつものように結論を出してくれればそのように対応する。」
と私は言っている。
それが、結論を出さず
「早く退院させてくれ。」
という。
「夜間も含めて一日中ヘルパーさんを利用したい。」
と無謀な事を言い出す。
「ひと月100万円掛かります。」
と突っぱねる。
ベットの位置を変えるとか、家族が毎日泊まりを交代交代するとか、施設に入所させるとかある程度の話をするが、全てむなしい。
 先日、戻って来た時の為に手すりを付けるという話し合いがあった。広いスペースで移動するには手すりも必要だが、その手すりを使用するとは限らない。今でも、病院でも壁伝いには移動しない。
廊下の真ん中を歩いて杖も使用しない。その事を言っても、記憶がない。つまり無意識で動く利用者に壁に手すりは無意味だと私は言う。その手すりを使用しても、広い部屋ではトイレまで行くのに手摺のない処も移動する。
そこで転倒をしている。私の言葉など、家族にとっては無意味だ。
 「早く戻って、家で面倒を見たい。」
「お金があるので、出来るだけ親に使用して自費でもいいから自宅で面倒を見たい。」
と言って来るようになった。
それに対して、私は現実的な話をする。問題はトイレに行く事が、どんな精神になってもどんな体になっても求めるのだから、そこに行くまでの危険を取り払うことに主眼を置く事が必要だ。
その為に、トイレ近くにベットを置く。又は、ベットを取り払って布団にする。
 「布団にしたら、立てない。」
 「立てないならなおいい。立つから転倒する。這って行けるならその方が良い。」
 そう言う私。

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