お知らせ


お知らせ

RSS

一覧に戻る

トップハート物語(3372)立志伝敢闘編
17/03/09
2010年(平成22年)8月末日。
それでも、全く音信が取れない、又は拒否しているのが分かって実質的に身寄りがない事になっている。市役所の無能な対応で国立病院の看護師長もソーシャルワーカーも怒って居た。
何しろ、家の訪問もしていないし書類だけで以外何も把握していない。
 「具体的な生活などの情報を求めると、『それは民生委員が知って居る』とか、『ケアマネジャーが分かる』とか勝手な事を言ってこっちに振って来る。」
 困った、本当に何も出来ない役人だ。
 あっちだこっちだと言う事でたらい回しをしていたのでは、埒が明かないので、今日この病院に来たのだ。
 情報交換をしていると、部屋の外から大声で騒いでいる聞き覚えのある声が聞こえて来た。この病院では、手帳を盗んだとか金を看護師が持って行ったとか。
路上で倒れているところを通報されたのだが搬送された病院で所持品を預かって居たのだが、
 「そんな事をしたら窃盗になるんじゃないのか。そんな事、本人の了解も得ないでやっていいのか、と何度も言って来て。お金の事をずっと言っているので、そんな事が続くし、お経を大声で上げているので他の人の迷惑だと言っても聞かないので困っています。」
 そんな話の矢先に、利用者が面談室に入って来た。
 急に柔和になった利用者の顔を見て
 「佐藤さんが来たから、ずいぶん嬉しそうじゃない。」
 そう看護師長が言った。
 「何かにつけて、それは佐藤さんが了解したのかとか佐藤さんに聞いてくれとか、全て佐藤さんにというんです。」
 そんな話をソーシャルワーカーから言われた。嬉しい方が強いが、迷惑もある。
 その場で、色々話をしたが病院側は
「彼に一時帰宅させて、見失ったというお金や手帳、キャッシュカードなどを自室で探させて欲しい。」
という。
それに、病院側へ支払いする必要のある生活保護費で賄える料金以外の支払いをして欲しいのだが、
「手持ちのお金がないから持って来て欲しい。」
という。
生活保護費が3日に入金されるので、それ以降の外出許可を受けるとなったが、利用者が
「他の口座にお金がある。」
と言う。
それでは、と病院側が何とか外出させてお金を取って来て貰おうという動きに出た。私だったら料金が掛からないで無料で連れて行って確実に戻って来られると踏んだのは理解できたが、それは私の仕事ではない。移動中に事故でもあったら、私の責任問題になる。
 「私は出来ないので、自費でヘルパーさんを依頼する事になる。移動も無理だから、介護タクシーになる。往復2時間と介護タクシーをNPO法人で実施するので、総額3000円くらい掛かる。それを支払う事が出来ますか。」
 そう話をすると、利用者は了解した。
 それにしても、あれほど太って居た体はスリムになって居て、風呂にもまともにはって居なくて身なりはボロボロ、髪はばさばさだったのに小奇麗になって、顔色も健康色だし性格も酒が抜けていて温和なのんきな父さんになって居た。
 「食事は、ちょっと味が弱いな。」
 なんて、好き勝手に言っている。
 対応する事業所に連絡したが、かなり忙しくて利用者と面識のない運転手とヘルパーになりそうなので、私が一旦戻ってNPO法人の車両で再び病院に向かって自宅まで誘導する事にした。
 暑い最中、動きたくないが国立病院の依頼もあり穏便に済ませたいので、対応したのだ。病院で引き継ぎがされる時に看護師長から
 「佐藤さんは、帰りも付いて来てくれるんですか。」
 「帰りは運転手に依頼します。」
 「それは無理だと思います。佐藤さんが居るから戻って来るので。」
 ソーシャルワーカーが助言した。
 「佐藤さんが居なくなると、戻って来る気持ちが無くなって帰ってしまったきりになるのが問題なんです。」
 「大丈夫です。帰りの車両に乗車するまで立ち会いますので。責任は持ちますから。」
 そう言って出発した。
 部屋には、利用者が求めていた手帳やキャッシュカードなどは無かった。ただ、他の銀行のキャッシュカードはあった。
それを、ATMに入れるとカードが機械に取られて、出て来なかった。何か届け出のしてあるカードか。本人のではないのかも知れない。何も見つからずに、帰りの車両に乗車した。しかし、運転手から連絡があり
 「カバンの中から7万円が出て来ました。その中から、介護タクシーと介護料3000円を頂きます。
 そんな連絡があり、何となく大団円だった。

一覧に戻る


  • ヘルパー講座・セミナー 最新情報
  • ケア事業・サービス 最新情報