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トップハート物語(3333)立志伝敢闘編
17/02/18
2010年(平成22年)8月中旬。
 部屋に戻って、衣服を脱いでクーラーを強くして、昼食の準備をしようと思った途端、研修責任者から電話があった。
実は、午前中に
 「授業中にお酒を飲んでいる者が居ると連絡があり、教室がある市民学習センターに行って来ました。ビールを朝から飲んでいて、どうやら生徒同士の諍いだそうです。このまま退学になるというと、卒業したいというのでコンコンと言って聞かせて、授業に戻しました。しかし、時々怒り机を放り投げようとしたり、他の生徒の胸ぐらを掴んだり問題があります。みんな怖がっていて。」
 そんな話だったが、一段落したという事だったので安心した。
 ところが、今度は昼にこの件に関して
 「あれほど注意したんですが、また教室でビールを飲んでいます。直ぐに来て下さい。」
 一瞬、困ったと思うと同時に、何で私が行かないと行けないのかと疑問も出た。
確かに、私は責任者だから経緯とか結果とか知ることが必要だが、研修センターの責任者が居て、生徒の問題が生じたからといってイチイチ呼び出しを受けたのでは堪ったものではない。
不快に思いながらも、脱いだ服を着て外に出た。暑い日差しがこたえる。20分後、徒歩で到着。教室に入ると、多くの生徒が別室だという。別室に入ろうとすると、他の生徒が近づいて来て
 「アルバイトですが、男性のアルバイトはありませんか。」
 「何を言っているんだ。問題が起きたというから来た。その事が優先だろう。」
 別室に入ると、ふんぞり返った生徒が電話をしていた。
離れたところにセンターの責任者が手持無沙汰で立っていた。
 「家族に電話している最中です。」
 と、言ったが構わず生徒の前に座った。
電話を慌てて切って、私に対した。
 「いいですか、どんな理由があろうともこの学習センター内での飲酒は厳禁です。この規則を破ると、会館の借用は無理となります。つまり、全員研修を打ち切りとなって、誰も卒業できなくなります。もし、このまま指示を聞けないとなるのなら、ここを出て下さい。退学となります。」
 「本当に申し訳ありません。済みません。しかし、理由がありそれを聞いてくれますか。」
 「聞きますが、聞いたからと言って規則を曲げる訳に行かない。飲酒を止めるか。貴方はアル中ですか。」
 「アル中じゃありません。実は、この教室全体が俺を差別して阻害している。」
 それから、自分が思っていることなどを一気に吐き出した。
 「それは事実ですか。直接その人に聞いたんですか。」
 「聞いています。」
 「聞いて居るなら、その本人をここに呼んで、はっきりさせるがそれでいいか。」
 「いいですよ、事実をはっきり知って下さい。そこのセンター責任者も聞いている筈です。」
 「先生、本当に聞いていますか。本当の事を言って下さい。」
 「その言葉は聞いていますが、あなたの事ではありません。別の生徒の事です。」 
 嘘言うなとか色んな事を言っていたが、アルコールはそれほど回っている風でも無かった。
突然、自分の置かれている境遇を話しだして、
 「それを何とか前のような家庭を取り戻したいんです。佐藤さんの指導を受けて、地元で自分の資産を使って一からやり直したいんです。その時に、どうしても佐藤さんのように成るにはどうしたらいいのか指導を受けながら、やって行きたいんです。その為に、ここに来たんです。辞める訳にはいかないんです。」 
 暫く、そんな話をして急に土下座をし出した。
 余りの変化に、戸惑っていたが、これほど謝っている人間の気持ちをどうしても一度は受け入れてあげたいと思い、責任者に
 「今回は、それほどアルコールの臭いを出している訳ではないので、教室に戻して授業を続けてもらって良いですか。」
 返事をしなかった。
 「それでは、補講にしますか。今日は帰って貰いますか。」
 不承不承、教室に戻って授業を継続させることにした。
 「今日の不祥事は記録をして、雇用能力開発機構に報告の準備をして下さい。我々が委託を受けているので、我々の上が無い。自己解決をしないと行けない。」
 俺を簡単に呼ぶな、と言いたかったのだ。
 こんな事が続く。1期生も一人の生徒によって、教室が破壊されてしまった。それでも、この生徒といい、結果的に定員に達した第3期の担当者の嘘つきせんと君といい、首の皮が繋がった。私もあやかりたい。

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