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トップハート物語(3330)立志伝敢闘編
17/02/16
2010年(平成22年)8月中旬。
朝一番で、総合病院に向かった。療養型病床に転院するというので、昨日病院のソーシャルワーカーから電話があり、手配が大変急だった。それでも、朝の早い時間にストレッチャー付きの介護タクシーを手配で来た。
その経営者は当社にて2級ヘルパーの研修を受けて、介護タクシー事業を始めた者だ。既に、7年くらい前になる。今では、大型介護タクシー2台と普通車1台の計3台で運営して居て順調な事業展開だ、
その彼に依頼をして、久しぶりに病院で会った。突然病院内で声を掛けられた。余りの姿の変化に驚いた。頭の毛が若い割に薄かったが、完全に松山千春に近い状態にしていた。マスクを掛けていたので、顔は見る事が出来なかったが体つきはがっしりしていた。
 9時半近くに病院に着いて、昨日電話をくれたソーシャルワーカーに面会を求めた。休みだったようで、他の者が出て来た。その男のソーシャルワーカーは他の利用者で、トラブルがあった。
四六時中路上で転倒をして救急搬送される。アルコールと睡眠薬だ。服用または飲用したまま、無意識に外に出る。夢遊病者のような状態で、路上に倒れる。通行人が連絡して来る。救急搬送先は、主治医のその病院だ。
しかし、そんな患者を受け入れる訳に行かないので、私に引き取りに来るように連絡が来る。度々連絡が来ても、その対応をしていたがある時に夜間に電話が鳴った。夜10時を回っていた。
「私の業務の範疇を超えている。」
と断った。
生活保護受給者なので市役所の生活保護のケースワーカーの仕事だ。
 それ以来、その患者は受け入れを拒否されて、救急搬送はなされずに自宅に救急隊員によって帰還がなされることになった。
その路上での転倒の際に、それを最近覚えて来たのか、連絡を通報者として私宛にするようにしたのだ。名刺をいつも持っていて、私に掛かってくることが多くなった。そんな利用者を挟んで、あの時に迎えに来い、拒否と問答を繰り返した男がそれだった。
今回の利用者についても、
「ソーシャルワーカの君と会って話をしたい。」
と言ったが拒否された。
それでも、
 「今の状態では、療養型病床群への転院となるので・・・」 
 という話だった。
家族も本人も私に一任するというのでそれを受け入れたが、初めてこの朝面会して、彼に聞いた。
 「療養型病床に入院ですね。」
 「いや、今はそのような状態ではなくなっていますので転院です。」
 平気でそんな事を言う。
しかし、もう退院準備は整っておりあとの祭りだ。
 受講生だった彼の介護タクシーで30分移動して、転院先の病院に着いた。外見の余りの落差に、目が点となってしまった。その病院の噂は知っている。早く自宅に戻る事が出来るように、私は努力するだけだ。
真新しい、昨年開院したばかりの総合病院から、余りに狭いひどい病院に転院してしまった。段階的に、次の転院する病院は私は知っている。そうなったら、自宅へ戻る事は不可能になる。
利用者は多額の財産を持っているが、信頼している身寄りが無く色んな下心ある者たちに翻弄されてきたのか、翻弄していたのか。分からない、人間関係を気付いて来た。
 この期に及んで、音信不通だった実子と面会を果たした。それでも、猜疑心が理由で音信不通になったのだが、それが益々研ぎ澄まされて居た事を知って、再び疎遠に。
あとは、財産の処分をどうするか、だけの関係になってしまった。この日の転院も、親族は立ち会わず私が全権を受けて事務処理を初めとして、対応した。しかし、医師の面談時にいざとなった時の委任を求められたが、それは拒否して
 「何とか家族の来院を求めて、サインをして貰う事にします。」
 そう返事をした。
 新たな病院の主治医から、30分程度聴取されたが、今まで数か月入院していた病院の情報は、極簡単で何も無いと言っていいほどだった。それにしても、あれほど体重があった利用者が入院の数か月前から食事の摂取が難しくなり、激やせをしていた。
体を支えられなくなり、転倒を繰り返す事度々。ついに救急搬送し入院して精密検査を受けたが、
 「何の異常もない。食欲不振は高齢だから。老衰だ。」
 そう医師に言われていたが、その激やせは極まった感じだった。
食事は吐いてしまい、僅かにヘルパーが買って来るジュース類やプリン類を胃に入れるだけ。点滴を求めても
「無駄だ。」
と言って、しない。
声も小さくなるし、しかし意識は正常に。あれほど、猜疑心や認知症的な症状を見せて多くの人を苦しめて来たのに、全く正常になってしまった。夜間や早朝と言わず、何度もその利用者から私の携帯電話に連絡があった。
出ても、彼女は出なかった。何度叫んでも出ない。声にならない声で何か言いたいのかと、何度か病院を訪問した。しかし、何も無い。何も言うことは無かった。

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