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トップハート物語(3317)立志伝敢闘編
17/02/10
2010年(平成22年)8月初旬。
 アル中と薬の中毒か分からない利用者の対応に、朝一で向かった。新人ケアマネジャー宏美さんが迎えに来たのだが、昨日の研修関係の問題処分がどうなったのか、家族を多く抱えている彼女は特に心配していたので、その件を聞きに来た事もあり話をした。
 「いつも、こんな事が起こると『何とかなるだろう』と言って役所に行っていたのが、今回は難しいと言っていたのでいつもと違うなと真剣に心配していました。」
 「俺だって、今回は打つ手が無いと知って社員に最悪の場合を想定して自分達の行く末を考えて置くようにと言った。しかし、お局様筆頭サービス提供責任者を初めとして『社員とその家族の多くの人を守らないと行けない』と強く言われて、帰ってから考えた。それが上申書で、初めてしたためた。その内容の重要なところは、一般市民の救済と私の役職からの退任と担当者の退職願の受理だ。それがどうなのかは分からないが、結果的には私が再度全員の評価を行う事で決着を見た。当社の処分はいくらでも受けるが、受講生の及ばないようにとのお願いをした。それを結果的に受け入れてくれたので事なきを得た。しかし、100名以上にも及ぶ再評価を俺がしないと行けない。俺としては、今までは何とか問題に立ち向かう意識を持っていたが、今回はそれほどなかった。この問題は、俺の言う指示を聞いていれば回避出来たものだ。それを、俺の指示を無視して外部の講師の言葉を信じた為に起こったものだ。それの、繰り返しだ。担当者の彼はきっと当社を潰すような大きな問題を起こすと以前から言っていた筈だ。それを、みんなは俺の言葉を無視して奴は真面目で黙々とやっていると俺の言う言葉に耳を貸さない。今回の問題で懲りたし、奴が辞めるという申し出に対しても踏ん切りが付いたろう。」
 そんな事を話し過ぎて、時間になって慌てて外に出た。
 利用者が、また路上転倒をして通行人が電話を掛けて来た。この週は3度目だ。救急搬送の依頼を通行人がしてくれて救急車が駆けつけたが、曰く付きの利用者の為に病院という病院は受け入れを断りついに自宅に救急隊員が運ぶ羽目になった。
次は通行人が連絡をして来たが、自分で部屋に戻った。そして昨日だ。通行人が掛けて来た時には新人ケアマネジャー宏美さんが電話を受けた。
私に代わってくれと言われたようで、私が受け取った時には利用者本人だった。通行人の電話で私に掛かって来ている。いつも、その利用者は私の名刺を持っている。嬉しいやら困ったやら。
そう言えば、昨夜も何回も私に連絡をくれた利用者が居る。病院からで、何度も何度も掛けて来る。返事をしても出てくれない。切るとまた掛かって来る。何度も続くが、話す事が出来なかった。
先日も同じような事があって、私が病院を訪問した。あれほど色んな事を起こした手に負えないほど元気な利用者だったのに、今は痩せ細って食事も喉を通らない。療養型病床群に転院する事を告げているが、不安なのだろうか。
 その路上で転倒した利用者が、
「相談があるので、来てくれ。」
と言うので今日の朝一番に向かったのだ。
その部屋は、階段のない5階建ての傾きかかったビルの4階にあり、不思議な事に2階から3階に上がる階段は急に勾配が激しくなり、階段数も多くなる。部屋の中は、凄い。まず、熱帯地方のように熱い。
畳は、あちこち吐しゃ物で変色して、布団はまともではない。言いようのない雰囲気の中で、暮らしている。テーブルの上に、ビールの呑みかけとカンがあった。やっぱりアル中かと思ったが、1本しかない。新人ケアマネジャーの宏美さんが、ビールが大好きで、
 「他に数本床に落ちていましたが、あれはノンアルコールです。テーブルの上にあった1本は普通のビールです。」
 「それほど飲んでいないという事か。あれほどふらついて、呂律が回らないのはやっぱり睡眠薬か。」 
 そんな事を話している私は玄関先で、彼女は廊下に出ている。臭いと視覚から受ける不快で会話が続かないが、彼はお構いなしに話し続ける。
「今日で引っ越さないと行けない。」
とか、
「変な男に金を盗まれた。」
とか訳が分からない話を長々するので、サービスをどう入れるかだけ一方的に話をして会話にならないが、午後にとにかくヘルパーを入れる事にした。
彼は、電話が無いので、一方的な連絡で約束したヘルパーを入れても鍵を掛けて受け入れない。しかし、自分が要請したものについては覚えているのだ。

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