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トップハート物語(3315)立志伝敢闘編
17/02/09
2010年(平成22年)8月上旬。
 もし、という言葉が頭に浮かんで来た。もし、私の息子が跡を継いでこのような事態に遭遇しても、何の対応もせずに終わってしまうだろう。一般的にはそうなのだ。そうなってしまうのだ。
それなのに、私はそれらを防ぐ手法を持っている。持っていたから、あれこれとトラブルを起こしても、何とか時間と経費を使って事業を継続出来た。しかし、もういい加減にしてくれというのが私の気持ちだ。
どうやら、武士道で言う死に場所を探している心境になっているようだ。いかに潔く死ぬかが武士の道だ。私の気持ちの中に、武士道精神が流れている。剣道を志した者が、いずれも抱いている潔く死ぬ事が。
 一旦部屋に戻って、昼食を摂る。2時に部屋を出て、税理士事務所に立ち寄り銀行に寄ってから、府庁に向かった。少し早目に着いたので、駐車場に車を入れて中で眠った。15分前に庁舎前で今回の問題を起こした研修担当者と待ち合わせた。
ある一室に通されて、担当役人を待った。今回の研修担当者とは何の打ち合わせもないが、訳の分からない事を言って戸惑わせる。
 「私の認識不足で、良く要綱を読み込んでいなくて問題を起こしました。この問題が起こる前はちゃんと要綱が頭にあったのでちゃんとした申請書になっていますが、何年か後にすっかり忘れてしまってこんな事になってしまいました。申請書は前のまま使用しているので問題はないのですが、実績で問題を起こしてしまって。その前から正しい規則の認識が消えてしまっていました。」
 「そんな事今関係ない。余計な事を言うな。お前が直接の担当者なんだぞ。その担当者が、全く規則が頭になく運営したなんて言ったらその方が問題になる。この問題は、他の講師に『大丈夫他の学校で私がやっているから問題ない』と言われて犯したのだろう。それを俺に何度も言っているし、府庁にも言ったんだろう。その点を事実としてちゃんと説明するように。大事なところを隠して、辻褄が合わなくなったら問題だ。そうなっても困るので、俺はお前と話をしないんだ。口裏なんて、どこかでほころぶからな。事実を言うのが一番だ。」
 いくつか、彼の精神状態が半端ではなく訳の分からない事を言うかもしれないので、
 「それだけは受講生のこれからの問題や社員の生活などに影響があるので、訳の分からない事を言って問題ないことまで疑われたりしないように、発言を十分吟味してするように。」
 そう指示した。
 府庁側が3名来られた。結果は、
「国が決めた規則を曲げて了とする訳には行かない。」
と、問題となった修了評価の再実施となった。
それの全部を、有資格者である私がする事になった。全員で100名を超える受講生の再評価だ。ただ、教科主任や講師のメンバーには要件を満たさない者は存在しなかったので、資格の根本までは問題にならなかった。
また、当社独自の社内調査で問題を検出して指摘される前に自主的に届けたので、事前相談という扱いになり、その適切な対応の指導を受けた。
潔く隠ぺいをせずに報告をしたので、受講生をどうやら救える形で決着した。ただし、不備な点、つまり8科目の評価はすべてやり直しとなったので、当分の間私はその再評価の業務に時間を取られる。
 私は、行政側に居た経験があり、その対応を熟知していたことも幸いした。実際の処置は考えると膨大な作業となり会社運営としては問題が生じるかも知れないが、私が上申書で訴えた受講生の資格まで問題は及ばなかった。
行政としては、最大限の配慮を持ってしてくれたと思う。その点は本当に感謝して、頭を下げた。私自身、色んな仕事をするうえで問題を起こさないのは勿論だが、清く正しく生きて来たつもりだ。
だから、行政にも文句を言ってきた経緯もある。しかし、このところ、そのトーンは下がって来ている。何故なら、社員の引き起こす問題で、頭を下げっぱなしなのだ。何も言えない立場になって来た。後ろから鉄砲で撃たれるようなものだ。
 願ってもない結論を得て、行政庁舎を後にした。暑い日差しに照らされて、けだるい体をNPO法人常勤理事が待っている喫茶店に運んだ。珈琲フロートを頼んだ。


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