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トップハート物語(3247)立志伝敢闘編
16/12/26
2010年(平成22年)7月上旬。
「パソコンの学校に3か月行きましたが、全くダメでした。カーソルを動かして遊んでいました。運転は、車が無くなったのでダメです。」
 「難しい。無理な条件だ。その他に何か、行きたい、出来そうだというところはないの。」
 「障害者の施設とか、通所とか、作業所とかでも大丈夫です。」
 「ガイドヘルパーは持っているんだっけ。」
 「いや、持っていないです。お金が無くて、受けられなかったんです。」
 「条件的に難しいが、幾つか当たってみましょう。」
 そう言って、帰した。
 午後、部屋で食事した後、新人ケアマネジャー宏美さんの溜まっている業務のサポートをして、大東本社に行った。
 障害者への施策として中核となる障害者医療施設が満床の状態になったので、地域でサポートをする為に医療を含むサポートが出来る事業所へアンケートが有った。つまり、医療行為を必要とする利用者へ医療行為を含む研修を6日間程度行うので、参加出来るかというアンケートだ。
当然、参加するように指示をしに行ったのだ。以前と比べて、大東本社事務所は活気がある。それも、あの二十代の新人の加入のお陰だ。能力はあり才能もあり、経験も豊富なのだ。人当たりも良く、美しいお姉さんタイプだ。
その彼女が、若くして支援相談員の資格を持っていて、それに続けとばかり3名が今年の研修を受けたいと申し出て来た。
 お局様筆頭サービス提供責任者と、障がい支援の管理者と介護のサービス提供責任者だ。障害者支援5年経験で受講資格が得られ、6日程度の研修を受ける事によって相談支援事業所を開設できる。ただ、申し込み者が多く、1事業所1名という事だった。
 「複数の場合、優先順位を付けて申請書を出すようにとの事ですので、社長に順位を付けて貰うようにみんな言って居ます。どのような順番にしたらいいですか。」
 「俺は関係ない。自分達で付けたら。ただ、お局様筆頭サービス提供責任者には5年前に支援事業所を開設するのならこの研修を受けて下さいと頼んだら、断られた。他の人に意欲があるのに、もう辞めると口癖のお局様筆頭サービス提供責任者がどうして受けるのか理解に苦しむ。また、サービス提供責任者は介護福祉士やケアマネジャーや認知症ケア専門士などの試験があるモノにはまったく挑戦しようとしないし、大体障害者には携わって居ないんじゃないの。研修だけ受ければ取れる資格などにどうして意欲を示すのか理解できない。自立支援管理者は、この研修を受けるからケアマネジャーの試験は受けないと言っているのもまた理解出来ない。同列では全く無いのだから。逃げるなと言ってくれ。」
 「結局どのような順番ですか。」
 「それは大体話を聞いて分かるだろう。」
 「それでは、自立支援管理者、お局様筆頭サービス提供責任者、サービス提供責任者の順で行きます。」
 そう言って社員は帰った。
 妻から珍しく、メールが来た。今月10日から実家の群馬に帰り、母親の三回忌を四姉妹だけで行うから自宅には不在だという。また、翌週から10日間の予定で、風呂の改装を行うのでという内容だった。電話を入れた。
 「今週帰ろうと思っていたんで、法事に一緒に行こうか。」
 「いや、こじんまりと姉妹だけですることになったから。」
 「それじゃ、帰る日を翌週の3連休にするか。」
 「だから、メールで連絡したようにお風呂の改装が有り落ち着かないから。」 
 「それじゃ、先月に続いて帰れないから。」
 そう言っても、ハイハイというだけだった。
 午後から、就職支援の面談が入った。職業訓練の受講生で、真面目で意欲的な生徒という評判もあり、もしこの面談で彼の意思を確認して受け入れるなら当社で採用しようと思った。意気込んで、面談に臨んだ。
 「施設を希望して居ます。」
 最初から、ずっこけた。
どうしても施設だという。理由ははっきりしないが、施設だという。
 「運転免許は。」
 「持っていますが、実際に運転した経験が無いです。」
 「バイクはどうだ。パソコンは。」
 「免許だけです。バイクもダメです。パソコンも出来ません。」
 「今の時代、どんな職業でもパソコンは必須だ。機会をとらえて、手を触れるようにした方が良い。」
 「どなたか先生が言っていましたが、習うより慣れろだと思います。」
 「何を言っているんだ。介護技術は慣れろだけれど、パソコンはどこで慣れるんだ。職場で誰に教えて貰うんだ。手伝って欲しいと思っている時に、『出来ません、教えて下さい』なんて言っても、誰が時間を作って教える。ちょっと考えが甘いよ。」
 がっかりして、採用の話をしなかった。

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