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- トップハート物語(3236)立志伝敢闘編
- 16/12/21
- 2010年(平成22年)7月1日。
形は出来上がったので、手の空いている者から食べるように盛り付けた。下の社員は、
「美味しい。かき揚げ丼とアジとイカの刺身。あきたこまちのご飯。みそ汁が本当に美味しい。贅沢です。」
と言って食べていた。
管理者連中が、突然
「階下のポストに郵便を取りに行きます。」
と、言って下りて行く。続く者あり。ポストは共通なのに不思議に思った。
暫くして戻って来たが、食べようとしない複数の管理者。お局様筆頭サービス提供責任者が声を掛けるが、食べない。
手伝っている社員が
「どのくらい食べますか。ご飯をよそいますけど。」
「何が。」
「食事です。」
「えっ、何が。」
知っているのに何でそんな会話になるのか、不思議だが異様な雰囲気で嫌な空気が流れているのが分かった。
それを気に留める事は殊更しなかった。
夜に、一緒に新事務所に移った社員にその事を話した。
「それが女だけの世界です。仲が悪いんです。対立がある。介護と自立支援、年代の間でも。職場ごとでも。みんな仲が悪く、一緒にいるのが嫌なんです。佐藤さんが、いつも何かをしてくれるのでなんとか保っているんですが、佐藤さんが居なくなったりしたら、この会社は本当に終わりです。それをみんな感じています。」
そんな事を言った。
「どうしてみんな仲良く出来ない。」
そう言っただけで、言葉が続かない。
居宅介護支援事業所「エスパル」から、ケアマネジャー兼管理者の菊ちゃんが来た。
突然、お局様筆頭サービス提供責任者が
「他の事業所に替えると言っている。それを言おうとした。私はもう間に入るのは嫌だ。」
お局様筆頭サービス提供責任者の紹介の利用者が、外出援助を巡って担当ケアマネジャーと意見が対立している。
ケアマネジャーの菊ちゃんは、プライドが高く自説を曲げない。また、お局様筆頭サービス提供責任者も同じだ。自分の紹介だから自由にさせて欲しいと規則もなにも関係が無い。自分の考えが通らないというなら、他のケアマネジャーに代えると利用者が如何にも言っているように言う。
私が間に入って、ケアマネジャーに言う。
「サービス担当者会議を開いて、サービスが必要だという結論が出たら保険者に事情を話して、判断して貰うように。」
と、何度も言うがダメだと菊ちゃんは一点張り。
「ケアマネジャーは裁判官じゃない。自分の判断で物事を決めないように。調整役だから、利用者の希望を入れるように出来るだけ努力するように。」
と言っても、聞き入れない。
にっちもさっちも行かなくなり、やっと保険者の指導である程度の結論が出た時には遅かった。早く対応してればこんな事にならないのに、堪忍袋の緒が切れてしまっては致し方ない。
「それはちょっと待って。登録のケアマネジャーにして貰えば良いだろう。折角、保険者の了解を貰ったのだから。これからは、当社も4人のケアマネジャーが生まれたのでケアマネジャー会を開いて、困難事例や案件の統一を図ろう。」
そう言って、間に入った。
「それだったら、もう一度利用者に他の依頼するのは待ってと言ってみる。」
お局様筆頭サービス提供責任者が答えた。
陰で、ケアマネジャー菊ちゃんが手を合わせて私に感謝した。あとからメールで
「利用者は、続けてと言っているのに、どうしてお局様筆頭サービス提供責任者から他に代えると言われるのか分からない。折角、希望が通ったのに。」
それに対して
「そんな間に入って、色んな仲裁をする俺はどれだけ大変か。」
不満が充満しているのは、活動をしている証か。
夕方4時から、入院中の利用者を見舞いに行き医師と懇談した。
私は、従前より入院した病院の医師との話をする時には声を掛けられたら訪問する事にしている。
退院する時には、確実に医事相談室から医師との退院後の生活相談が有りそれで事足りると思っている。今までそれで不自由が無かった。
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