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トップハート物語(3199)立志伝敢闘編
16/11/30
2010年(平成22年)6月中旬。
 制服を依頼した鈴木先輩が仙台から今日の7時には、新大阪駅に到着予定だった。仕事に没頭していた訳ではないのだが、着信に気付かなかった。いつも、常にマナーモードにしているが最近気付かない事が多い。
8時過ぎの着信だったが、直ぐに返信した時には、30分も過ぎていた。しかし、出なかった。地下鉄に乗っているのかもしれないと、再び連絡が来るだろうと待った。自分が扱っているファッション関係の商品を東北全域を回って百貨店などでへの委託販売や自分で店頭販売を行っているのだ。
自分で調べてこの事務所に来るかも知れないと思っていた、その直後インターホンが鳴った。先輩だ。
 このような、小さくしかも汚い汚れた事務所に来てくれるのはあり難いが、恥ずかしい。だから、本当は研修センターに来て貰う積りだった。しかし、制服の他に自分が扱っている品物の販売する商品がこの事務所に到着するというのでここで待つ事にした。
昨日に着いた2梱包の段ボール箱の中身は東北の田舎のおばちゃんが外出する時に着るような代物で、みんな鼻で笑って居た。何度言っても、
 「東京じゃ、これをみんな着ている。」
 と、強がりを言うが
 「そんな事ではなくて、ニーズがあるかどうかだ。東京で着ているなどと言っても、誰も着たいと思わないような物じゃ仕方が無い。相手がどう思って居るのかが購入されるかどうか決まる。どうして、赤と黄色とか緑とかの色が無いの。グレートか黒とかシルバーとか変な配色ばかりで。当社は20代とか30代だと言ったじゃないですか。」
 「それはそうだ。ニーズが無ければ売れない。確かにそうだ。でも、結構売れ筋商品だ。パッケージから出して拡げて説明したら売れる。」
 そんな事を言い、制服の到着を待った。
 どうしても長い間、高校時代から多くの一緒の時を過ごしているので、懐かしい共通の話題に花が咲く。
 「高校時代の生徒会の菊池がC石油販売の社長だと聞いた。」
 「本当ですか、あのメジャーの社長があの人だなんて嘘でしょう。」
 そう言って、インターネットでメジャーのC石油販売のホームページを開いた。そして、社長挨拶のサイトをクリックした。出た社長の画像にまぎれもなく、私の1年先輩で親しかった菊池さんの顔が出た。あれから、もう何十年も過ぎたがその顔はほとんど変わらなかった。感激と興奮をして
 「本当だよ、先輩。確かに菊池さんだよ。本当に社長だ。信じられない。」
 先輩と同級生で、私が可愛がられていた先輩があのメジャーの社長になっているのだ。
 誇りに思って、
 「どうして社長になれたんだろう。私と同じ商業高校しか出ていない。優秀な大学を出ている奴が沢山いるし、派閥もあるだろう。しかし、先輩は高が商業高校。やはり、外資系で実力主義だったからだろうかね。」
 「大ぼら吹きだったが、本当だったんだ。お前は、生徒会でよく可愛がられていたろう。何でお前によく話し掛けていたんだと思っていたけど。それにしても、大したもんだ。」
 そんな話から、最初に就職した会社の話題になった。
 私は、先輩を追い掛けて仙台から出て神奈川県にあった川崎のメーカーに勤務した。しかし、私が就職して3か月で先輩は退社した。私もその1年半後に退職して、離れ離れになった。しかし、その数年後私が一人住まいを始めた東京は品川区のアパートと同じ建物の中に部屋を借りて、仙台から再び引っ越して来た。そこで彼女を作った先輩は結婚を機に、また仙台に戻ってしまった。それからというものは、年に1回会うか会わないかのペースで交誼を続けた。
 その一番最初に入った会社で隣の席に居たのが、現在の私の妻なので共通の話題にまたなる。元気かと聞かれて、丁度机の中にある次男の結婚式の写真に妻が写っているので、それを見せた。
 「若いね、全く変わっていない。」
 「俺もそう思う。20歳とまでは行かなくても、15歳は若く見える。いつも感心するよ。俺の方が年上だよ完全に。本当は俺の方が3歳年下なんだけれど。」
 それぞれの、思い出のある共通の人の名前を出して話し込んだ。
 まだ商品は来ない。午前中に来ると言っても、普通だったら10時とか10時半とか思うが、その時間を過ぎたので先輩に早く場所を移動しないと行けないので催促した。借りている研修センターの教室は、2時から1時間ほど技術関係の社内講習がある。それに間に合うように、制服の区分けをするのだが、こんな時間では間に合わない。一旦並べたら片付ける事が出来ないので、段ボールを持って行く事になる。話しも、暫く続いたがいつも会うと同じ話に興じるので、それほどは新鮮味が無くなる。先輩の泊まるホテルは、私が確保したのでその内容を話ししても時間は直ぐに過ぎてしまう。

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