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トップハート物語(3185)立志伝敢闘編
16/11/23
2010年(平成22年)6月初旬。
そう言っている間に、いつもの認知症を妻に持つ夫から連絡が有った。
 「妻の事で、相談したい事があるので来て欲しい。」 
 これまた、何十回となく繰り返された言葉だ。夫の身勝手で、妻の症状が悪化と小康状態を繰り返している。数か月前まで私の紹介の医師の対応で落ち着いていたのだが、その小康状態が気に入らないのか、
「もっと良くならないのか。」
と、その医師に何度も掛けあって、総合病院に紹介状を書いて貰った。
パーキンソンと認知症の症状が強く出ている妻で、
「パーキンソンの症状と認知症の症状を同時に抑える薬はありません。」
と、どこの医師にも言われて来たのに、漢方を調合して貰ってやっと小康状態になっていたのだ。
それを、身勝手に、他の総合病院の医師を紹介して貰って受診して薬を変えてしまった。その病院には、神経科はあるが精神科はない。したがって、パーキンソンを抑える事は出来たが、認知症が顕著に現れてしまった。
 また、以前のように夜間になると大暴れ。あちこちに青あざを両者ともつくるような大立ち回りだ。蹴飛ばし合い殴り合い、そして扇風機やハサミを投げつける。
私も何度か夜に駆け付けた。病院に相談して、何とか両方に利く薬を貰い、夜間静かに成るような薬を幾つか貰って対応したが、何しろ薬の種類だけで20種類もの服薬をさせている夫だ。
あそこが痛いと言えばすぐ病院、風邪だと言えば直ぐ、尿が出ないと言えば、便秘だと言えば、便が出過ぎると言えば、胃が痛いと言えば、血圧、カルシューム、アリナミン、あざが無くなるという皮膚の薬など、一度使用したら減らさない。医師も、
 「必要が無いが、本人が欲しいというので出している。」
 などという始末。
 その溜まり溜まった薬が、20種類だ。それを毎日飲ませて、新たな薬をまた追加する。利く訳が無い。余りに続くので、夫の衰弱と希望を入れて妻が眠るまで夜間対応をした。
 「幾ら掛っても、必要なものは支払います。」
 と、言って置きながら、先月の途中での換算を言うと
 「お金が無いし、生活も大変だ。支払いは出来ないし、限度が有り総額で5万円位までだったら。」
 二人とも要介護で、普通でも負担額はそれ近く掛る。
それなのに、そんな事を言う。言って置きながら、妻の為に60万円も掛けて風呂を改造したという。介護の仕事を冒とくしていると、我慢ならない方向に段々と傾斜して行く私だ。
ヘルパーさんに来て貰ったら、金が掛るから私に来て欲しいと言った時に、私の考えが変わった。それ依頼、夜間幾ら来てくれと連絡があってもヘルパーさんを派遣している。
 その症状の妻の暴力行為が大変で、認知症を抑える強い薬を飲む事になった。今度は、全く別人のように動けない状態になってしまった。それを見て、
「相談したい。」
と電話が有ったのだ。
いつも訪問するが、相談だけで何の進展もないのだ。サービス事業所もみんな分かっていて、とにかく話をしたいという事だ。訪問して、妻の顔を見て驚いた。余りにも、パンパンに張っているのだ。
まん丸と言っていい状態になっていた。薬のせいもあるだろう。この際だからと思って、強く言った。
 「毎食、他人の3倍もの食事を無理無理食べさせて、これでは歩行も出来なくなり転倒しますよ。」
 「傍に置いた、ポータブルトイレにも一人では体を運べなくなって、ヘルパーさんが居る時に二人掛かりで動かして居ます。」
 「どうして、吐いたりしても無理無理口に入れるんですか。ご飯とパンと、あるったけのモノを食べさせて。もうひとつ、必要のない薬を飲ませるのは止める訳に行きませんか。」
 「腹一杯食べるのが、妻の幸せと思って居るんです。妻が、楽になれるように薬を飲ませているんです。」
 いつもと同じだし、変わらない。
 「先日施設にいよいよ入れるようにしたいと思って居ます、と言っていましたが本当にそうしますか。」
 「いや、ここで二人で、出来るだけ一緒に居たい。死ぬまで一緒に居たい。しかし、今の状態では私一人で動かす事も出来ないし、ヘルパーさんを頼んでも金銭的負担が大きいし。お金が掛らないいい方法を教えて欲しい。」
 遠くに住んでいる二人の子供は、私が担当する時に一緒に面談した。
 「この家には、現役のサラリーマンより多くのお金が入って来ますので、お母さんに十分な事をして遣って下さい。」
 そう言って居た。

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